NTTドコモ コンテンツビジネス部長
田中伸明氏
×読売巨人軍
代表取締役社長 今村司氏対談
ドコモが
巨人をDXする!?

NTTドコモ コンテンツビジネス部長 田中伸明氏(左) 読売巨人軍 代表取締役社長 今村司氏(右)
NTTドコモ コンテンツビジネス部長 田中伸明氏(左)
読売巨人軍 代表取締役社長 今村司氏(右)

日本のプロ野球界を牽引し続ける読売巨人軍と、さまざまな先端技術やその他アセットを持つドコモがタッグを組んだ。両社は、2021年シーズンから2023年シーズンの3シーズンにおいてオフィシャルDX推進パートナー契約を締結。ドコモは、読売巨人軍の「OFFICIAL DX PARTNER」として、5Gなどの技術を活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する。プロ野球の観戦スタイルや楽しみ方に、ドコモはどのような変化をもたらすだろうか。読売巨人軍 代表取締役社長 今村司氏と NTTドコモ コンテンツビジネス部長 田中伸明氏の対談から探っていきたい。

docomo×巨人DX計画 プロモーション映像
マルチアングル映像体験で
「自分だけの巨人戦」がつくれる

——DXに向けた取組みとして、球場内映像の高度化やマルチアングル映像体験の技術実証を行われたそうですね。

田中氏:
東京ドーム内に複数台設置した8Kカメラを活用し、撮影した映像を自動でAIが即時に編集することで、シーンに応じて選手の表情を追えるようにするなど、迫力ある映像をお届けできるようになりました。また、対象となる座席では、スマートフォンやタブレットを使って、1塁・3塁両方からの投手や打者の様子など、2階席など遠くの席からでは通常見ることができない角度から自分の好みのアングルで映像をご覧いただきました。

野球といえば、テレビ中継でよく見るセンターからの映像を思い浮かべますが、実際の球場では、座席によっては見えにくい部分もあり、テレビのありがたみを感じることもあると思います。球場で観戦する際に、自分の視野とは違う映像を自由に見られることで、楽しみはさらに増えるのではないでしょうか。

今村氏:
前職の日本テレビで番組制作に携わっていたことがあり、野球中継のディレクターを担当した経験もあります。そこで行っていたのは、十数台のカメラ映像から自分のフィルターを通して瞬時に物語をつくり、視聴者に届けること。しかし、今回のような技術を使えば、ファンの方自身で見たい映像を瞬時に選び、自分だけの巨人戦をつくるという感覚が得られますよね。自分の好きな選手だけをずっと見続けるという願望を満たすこともできます。その際には、実際の試合と映像にタイムラグがないということが重要になると思います。

田中氏:
今回は、NTTコミュニケーションズが提供する映像配信プラットフォームサービス「Smart vLive」を活用することで、東京ドームでの生観戦で行われるプレーと手元のデバイスで見るプレー映像との遅延を極限まで減らし、お客さまが視聴する際に実際のプレー模様とのズレから生じる違和感やストレスをなくすことに成功しています。今村さんがおっしゃったように、自分で映像が選べるようになると、自分の見たい選手だけをずっとリアルタイムで見るという観戦スタイルも可能になるんですよね。

マルチアングル映像サービスのイメージ画像
マルチアングル映像サービスのイメージ画像

今村氏:
選手ごとのリアルタイム映像があれば、お客さまの楽しみ方はもちろん、選手側の意識も変わってくると思います。常に見られていることで、プレーにも少なからず影響してくるでしょう。

田中氏:
どの選手の映像が一番選ばれて視聴されているかというデータがあれば、人気度もわかるようになりますよね。

今村氏:
東京ドームは“劇場”で、選手たちは“役者”です。「目立ってなんぼ」の世界では、試合で活躍することはもちろん、人気も重要なファクターになります。球界を盛り上げるには、「チームを見たい」というファンだけでなく、「この選手を見るためにチケットを買います」というファンも増やしていかなければならない。そういう意味では、動画視聴の人気順がわかるようになると面白いかもしれませんね。

田中氏:
ファンのみなさまに巨人戦の観戦をよりお楽しみいただけるよう、2022年シーズン中をめざして東京ドーム内におけるマルチアングル映像体験サービスの商用化に向けた検討を重ねております。

決済のスマート化で、東京ドームを
世界一清潔・安全・快適なスタジアムへ

——読売巨人軍としては、東京ドーム内のスマート化を図るため、完全キャッシュレスの促進にも力を入れられています。

今村氏:
東京ドームでは、新型コロナウイルス感染予防のための施策として、完全キャッシュレスを推進し、世界一清潔・安全・快適なスタジアムをめざしています。コロナ禍以前の球場での楽しみ方は「熱狂声援型」でしたが、コロナ禍によって「快適体感型」にシフトチェンジしています。新型コロナウイルスを気にせずお客さまに快適に過ごしてもらうためにも、今シーズンから完全キャッシュレスは必要と考えました。昨年から場内店舗での顔認証決済も進めています。

田中氏:
コロナ禍によって、多くの人が現金を触ることへの抵抗を感じたり、カウンターに並んで密になることへのストレスを感じるようになっています。こうした流れをポジティブに捉えて、どのような新しい取組みにしていくかという視点は重要です。ドコモとしては「d払い」というキャッシュレス決済の手段を提供していますが、これまで現金支払いでは後追いできなかったユーザーの購買履歴データを活用することで、限定メニューの提案やクーポンの配信など、来場されたお客さまにより満足していただけるサービスの開発をご一緒させていただく可能性もあると考えています。

田中部長お写真
リモートだからこそできる楽しみ方の可能性

——コロナ禍によってスタジアム体験のリモート化も進んでいきそうです。

田中氏:
読売巨人軍の試合チケットは大変人気で、入手困難です。そのため、チケットを購入することができなかったファンのみなさまにも、球場で見る楽しさとはまた違った楽しさを提供していきたいですね。たとえば、5Gの活用によって、3D映像で球場の臨場感をお伝えするだけでなく、ユーザー同士のコミュニケーションやインタラクティブなコンテンツなど、リモートだからこそできるエンターテインメント性を高めた価値をつくり出すことも可能だと考えています。視聴方法も、スマートフォンに限らず、さまざまなデバイスが使えるようになっていくでしょうし、そこでこそ5G通信が活きてくると思います。

今村氏:
野球は「間」が多いスポーツといえますが、近年では、スマートフォンや動画サイトの普及によって人々は常に大量の情報に触れており、隙の多いコンテンツを好まないようになってきています。こうした状況下では、野球をリアルタイムで観戦しながらも、自分が見たい他の情報やコンテンツを選択して同時に見ていくという世界になっていくと考えています。そして、その世界の実現をテクノロジーが後押ししていくでしょう。逆に言えば、テクノロジーの進化に合わせてコンテンツを提供する側も変わっていく必要がありますね。

今村社長お写真
テクノロジーの「良い面」を
野球というコンテンツから見出す

——観戦のリモート化のほか、球場外での野球の楽しみ方はテクノロジーによってどのように変わっていくでしょうか。

今村氏:
読売巨人軍としては、コロナ禍で直接触ったり話したりすることが難しいなか、選手たちをより身近に感じていただくために、SNSやニュースを通じた発信に力を入れているところです。テレビやインターネットの向こう側には、球場へ来られる方の何倍ものファンがいらっしゃいます。これからは、いかにしてそうした方々にも野球を愛し続けていただけるかということが課題になります。最近では、読売巨人軍の選手を日常に取込み、いつも気にしていただける状態にするよう意識しています。テクノロジーの発展によって多様なアクセス方法が出てくることで、その可能性はより広がっていくでしょう。最先端のテクノロジーを組み合わせることで、読売巨人軍というコンテンツを楽しくお届けできるようにしていきたいです。

田中氏:
テクノロジーは、それを使う人がいなければ価値がないものですし、良い面もあれば、悪い面もあります。たとえば、デジタル化によって、四六時中誰とでも連絡が取れるようになったがゆえに、慌ただしくなり、気がつけば本当に自分の好きなことを心ゆくまでゆったりと楽しめなくなってしまったという方も多いと思います。
一方でスポーツという普遍的な楽しみ方の価値を高められることがテクノロジーの良い面だと思っています。
読売巨人軍というコンテンツの魅力とファンのみなさまが持つフィジカルの熱量が、テクノロジーと融合することによって増幅されていくような、テクノロジーの良い面がさらに醸成されていく世界をめざしたいですね。

対談風景お写真
野球×テクノロジーで、
さらなる「ワクワク」と「興奮」を

ドコモと読売巨人軍との協業は、まだ始まったばかり。日本を代表する球団である読売巨人軍の先進的な取組みは、プロ野球界全体にも波及していくだろう。ドコモとしては、巨人ファンや野球ファンのみならず、さまざまなスポーツファンに対する価値向上・創出にも貢献していきたい考えだ。

まずは開幕が迫る2022シーズン。読売巨人軍の試合観戦にどのような「ワクワク」と「興奮」がもたらされるか、目が離せない。

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