ロボットを通して、遠くにいる人と人のココロをつなげる

「5Gを積極的に導入推進し、地域を盛り上げて発展させたい」と取組んでいる大分県。
その想いをドコモは技術面でサポート。
また、大分県は福祉関係の取組みも以前から活発で、ドコモの想いと重なった。
今回はロボットが人と人のココロをつなげ、福祉や多様性のある社会への発展に貢献する一例をご紹介!

障がい者が移動せずに
カフェで働く

東京都内の「分身ロボットカフェ DAWN ver.β」では、ロボットが店内を移動し、ドリンクをお客さまにサービスする。一見無機質なようだが、分身ロボット「OriHime」というこのロボットからは人の声が聞こえ、お客さまはロボットとの会話を楽しんでいるように見える。
実は分身ロボット「OriHime」は店内を映し出すカメラ、マイク、スピーカーを搭載。声の持ち主は遠隔地にいる障がい者の方で、映像をパソコンのモニター上で見ながらロボットを操作、お客さまと会話しているのだ。この一連の通信環境を裏で支えるのがドコモの5Gだ。

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ITと福祉にかける想い

ドコモと大分県との関係が始まったのは、2019年にさかのぼる。
ドコモとして5Gプレサービスを提供し始めた当初から、5Gを活用した濃霧の中での自動車運転補助実証実験、5Gを利活用した地域課題解決をテーマとした事業やサービスを考えるイベントの開催等、共に取組みを進めてきた。
そして2020年頃から力を入れだしたのが、社会福祉法人太陽の家やオリィ研究所との連携によりはじめた障がいのある方の新しい働き方。
「OriHime」の開発・提供元であるオリィ研究所と大分県では、「OriHime」に5G活用の可能性を見出し、実証実験の実施を検討していた。
5Gの活用について相談を受けたドコモは、本当に5Gが役に立つのか?検討を重ねた。また、県主催の障がい者の社会進出に関するシンポジウムなどに参加し、県の想い、障がい者の就労について改めて理解を深めた。

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5Gの
エリア化から着手

大分県内で実証実験を実施しようにも、当時は5Gエリアも限定的で接客ができるような場所はなかった。なんとか接客ができるフードコートを見つけたものの、5Gエリア化は大きな課題であった。

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実は、5Gを利用できるようにするための基地局の構築には、季節がいくつか過ぎるくらいには時間がかかる。
分身ロボット「OriHime」の接客体験イベントは以前から人気で、接客を受けたい人は多い。また、働きたい障がい者も待っている。ドコモ社員は実証実験の必要性を話し、どうにか工期をできるだけ短くするために掛け合った。

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5Gを使ったフードコートでの実証実験当日。接客はスムーズに行われ、一同手ごたえを感じた。これが2021年の3月頃。ただ、まだまだ大分県内での実証実験に成功しただけ。道のりは長い。

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注目の
実証実験へ

2021年冬、大分県での実験の結果をもとに、東京にある「分身ロボットカフェ DAWN ver.β」に5Gが利用できる環境を整え、大分県、太陽の家の力を借りて、大分と東京を繋ぐ実証実験を行った。
実証実験当日に接客を担当したのは、「太陽の家」で一般就労をめざし、訓練をしながら生活をする20歳の女性。実は彼女は接客経験がなくこれが初めての接客である。人と話すことが苦手だったが、この機会にそんな「自分の壁を打ち破りたい!」、「可能性を開きたい!」という強い想いで立候補して研修やリハーサルを重ね実証実験に臨んだという。
「太陽の家」と東京のカフェが分身ロボット「OriHime」を介してつながれると、「太陽の家」では分身ロボット「OriHime」の前にいるお客さまの様子などが映し出された。

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お客さまと会話し、操作を行って、実際に分身ロボット「OriHime」を動かす。リアルタイムで違和感なく接客ができている。実証実験が終了すると、会場からは拍手が沸き起こった。ちゃんと5Gが役に立てている!

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ロボットというツールを使って、
誰もが生きがいを持てるミライへ

今後、こうした分身ロボットカフェがもっと増えれば、障がい者の仕事の選択肢が増えることになる。ロボットというツールが人と人を結び、社会での活躍を後押ししたり、機会を創出する。20歳の女性が接客する姿を見て、そんな人と人とのつながりに、ドコモが、そして5Gが、少しでも役に立てることを確信した。ドコモの雇用創出のための5G活用の道はまだまだ続くのだ。

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