一人乗り自動運転ロボットで、観光の新しいカタチ

ドコモにはロボットへの熱い想いを持つ社員がおり、社内には彼らからの働きかけで5Gのロボティクス関連チームが立ち上がっている。
その立ち上げ当初に出会ったのが、ロボット開発のベンチャー企業ZMP社。ZMP社とドコモのロボットへの想いは重なり、ほどなくして一緒に取組みを進めることになった。
今回はロボットを観光に活かす、新しい取組みをご紹介しよう。

ロボットを使って
新しい観光体験を

ZMP社と一緒に取組みを実施することになった、一つめのプロジェクトは、観光をテーマに兵庫県の姫路城周辺を自動運転ロボットで散策するというもの。「歩きたくなる街づくり」というコンセプトのもと、一人乗りロボット「RAKURO」に乗って、姫路城周辺をラクに安全に楽しく観光できるようにするのだ。

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ロボット×スマートグラスの
可能性

ドコモでは自社の技術で何ができるか検討した。そこで上がった案が、「RAKURO」に乗ったお客さまにスマートグラスをかけてもらい、観光情報や歴史的エピソードなども同時に楽しんでもらうこと。情報をリアルタイムで遅延なくやりとりするには、もちろん5Gも必須だ。

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そして、2021年秋、姫路市にて実証実験が行われることとなった。事前に「RAKURO」に乗って実際に街に出てみたドコモの社員。製品として既にリリースされている「RAKURO」とドコモのスマートグラスだが、組み合わせて使用するにあたり、たくさんの課題が出てきた。そもそも、スマートグラスは屋外で使うことを想定していない。晴天時に鮮明な画像を映し出す方法や自動運転を担うGPSと連動したコンテンツの表示タイミングなど、コツコツと何度も何度も開発部門とともに検討、微調整を行った。

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街の魅力を満喫できる
ロボットが誕生!

苦悩を重ねた結果、誕生したのがこれ!

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ラクに安全に移動できるだけでなく、自分でパンフレットを見たり検索しなくても観光地の情報や歴史的背景などを楽しめ、深みある観光が可能になるロボットだ。実証実験当日、実際にスマートグラスをかけて「RAKURO」に乗って姫路城散策を体験したお客さまにも「楽しかった」、「また乗ってみたい」と9割方が満足。大好評で終わった。ドコモとしてもこうした声を励みに、今後はもっとコンテンツを充実させたり、表示の工夫をしたり、さらなるおもしろい観光体験が提供できると実感した。

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この観光スタイルが
ロボットのミライを担う一翼に

国や地域によっては、既に一般道や観光地でロボットがあたりまえに動く姿が見られる。一方で、日本ではまだまだそうした姿は見られない。「ロボット後進国といわれる日本の状況をどうにか変えたい!」と考えるZMP社の方々やドコモのロボティクス関連チーム。実証実験を重ねて、まずは「RAKURO」実用化や普及へ向けて取組む。そして、長期的には日本でもっと大きなロボット市場をつくることに貢献したいと考えている。その結果、世界に引けをとらない、世界をリードするようなロボット大国になる、そんな大きな展望を持った取組みが着々と進んでいるのである。

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