2022年8月、ドコモはスマートフォン向けにスタンドアローン(Standalone)方式を用いた5G通信サービス「5G SA」を開始した。「5G SA」とは、5G専用のコアネットワーク設備である5GC(5G-Core)と、5G基地局を組み合わせて通信する方式である。今回は、「5G SA」の通信の秘密や実力、今後の展開予定のエリアについて紹介していきたい。
「5G SA」の
通信の仕組みは!?
ドコモの5GはNSA(Non-standalone)でサービスを開始した。NSAは、4G用のコアネットワーク設備と5G基地局を組み合わせて通信するため、4Gに一度接続した後に5G接続となる。また、4Gと5Gの両方の電波を利用しないと5G通信できない仕組みとなっている。 一方、「5G SA」の場合、4G接続をせずに、はじめから5G接続となるため、5G通信開始までの時間が短くなる。
さらに、「5G SA」は、5Gの電波のみを利用して5G通信ができるようになるため、28GHz帯(以下、ミリ波)が提供されているエリアにおいては、広帯域な周波数帯を組み合わせた通信も可能となり、特に上りの通信速度においては、NSAと比較して大幅な高速化*1を実現できるようになる。 一方、3.7GHz帯、4.5GHz帯(以下、Sub6)のみが提供されているエリアにおいては、下りの通信速度はNSAと比較して低下するものの、当社調査の結果、お客さまのアプリ使用体感はSAおよびNSAともに快適であることを確認している。
*1 当社が提供するNSAとのミリ波における、上りの通信速度の技術規格上の最大値比較において。
「5G SA」の実力はいかに!?
「5G SA」のサービス開始に伴い、ミリ波が提供されているエリアにある全国の主要9駅で、通信速度の計測を行った。高速通信「5G SA」の実力はどれほどのものなのか?
これまでも提供していたミリ波が提供されているエリアにおいては、NSAよりさらなる高速通信*2が可能になる「5G SA」の上りの通信速度に注目してみる。
*2 当社が提供するNSAとのミリ波における、上りの通信速度の技術規格上の最大値比較において。
*3 ドコモスピードテストアプリを利用して、各ポイントでラージモードにて、通信速度計測を3回実施し、その平均値を計測結果として表示しています。(計測期間:2022年7月~8月、計測端末 :ドコモ5G SA対応端末/SA対応SIMを利用 )
ベストエフォート方式による提供となり、実際の通信速度は、通信環境やネットワークの混雑状況やご利用いただいている機種に応じて変化します。
上りの通信速度、つまりアップロードの速度が重要となる動画や画像をSNSへ投稿する場合、3~10Mbps、またYouTubeで高解像度のライブ配信をする場合であれば、20Mbps~51Mbpsの通信速度が推奨されている。今回の計測結果を見ると、十分な計測結果になっている! 画像や動画などの投稿を頻繁におこなう方は、「5G SA」をぜひチェックしてみてはどうだろうか。
「5G SA」提供エリア
全国主要施設へ拡大中!
2022年8月からサービス開始した「5G SA」。現在では、主要駅周辺のみならず、スタジアムや大学、商業施設、空港、観光地にも「5G SA」提供エリアを拡大している。「5G SA」対応機種*4も続々と増えて、多くの人に「5G SA」で快適な通信を体験いただける。
さらに、イベント会場やスタジアムでは「5G SA」の特徴であるアップロードの通信速度を活かしてXR・8Kライブビューイング等のイベントと連携した新たな体験の提供を狙う。 また、動画や大容量ファイルのアップロード等、「5G SA」を効果的に活用いただけるユーザーが多く集まるような大学などの場所にもエリアを展開していく予定である。
さらに、将来的には、ネットワークスライシング*5により、ユースケースに応じたネットワーク・ソリューションを提供するためにさらにエリアを拡大していく。
どんどん広がる「5G SA」にご期待いただきたい。
*4 「5G SA」の対応機種については[ドコモのホームページ]でご確認ください。
*5 ネットワークを仮想的に分割し、超低遅延や高速大容量といった利用用途に応じたネットワークを提供する技術。