2GHz帯FOMA用屋外ブースタ装置の開発〜3.装置概要
3.1 屋外ブースタ装置
今回開発した屋外ブースタ装置の外観を写真1に、基本仕様を表2に示す。下り出力電力は最大33dBm、最大利得は80dBである。また、対向する基地局の上り回線容量劣化を最小限に抑えるために、伝搬損に応じてブースタ装置の利得を変えるための自動利得制御機能を備えている[2]。利得制御の可変範囲は30dBである。
表2 屋外ブースタ装置基本仕様 | |
項目 | 数値 |
帯域 | 下り:2,135〜2,145MHz 上り:1,945〜1,955MHz |
キャリア数 | 2波 |
出力電力 | 下り:33dBm 上り:15dBm |
利得 | 50〜80dB 自動利得制御 |
最大エリア半径 | 約500m |
電源電圧 | AC100V |
消費電力 | 250VA以下 |
サイズ | W450×H550×D250mm以下 |
重量 | 35kg以下 |
隣接チャネル漏洩電力比(ACLR:Adjacent Channel Leakage power Ratio)1、スプリアス
2などの無線特性は下り回線においては基地局と同等[6]、上り回線においては移動局と同等[7]の特性が得られている。また、外部環境の変化により回り込みが大きくなった場合には、装置が発振しないようにブースタの利得を抑制する機能も組み入れている。
本記事は、テクニカル・ジャーナルVol.15 No.1に、掲載されています。