ブロードバンド無線アクセスにおけるMIMO多重法を用いた2.5Gbit/s超高速パケット信号伝送屋外実験〜4.屋外実験結果

屋外実験は、神奈川県横須賀市YRP地区にて行った(図2)。

図2 屋外実験コース

送信電力は19W(1アンテナ当り3.2W)であり、送信アンテナは、写真1(a)に示す3dBビーム幅が90度のセクタビーム送信を行う6送信アンテナをアンテナ高26m、アンテナ間隔1.5m(キャリア周波数(4.635GHz)に対する波長の23波長相当)に設置した。受信アンテナは、写真1(b)に示す6ブランチのダイポールアンテナ注意1を測定車上に設置した。受信アンテナ高3.0m、アンテナ間隔0.4m(6波長相当)である。受信機は、送信機からの距離が200〜150mの測定コースを、平均時速5kmおよび20kmで走行した。

写真1 屋外実験用送信/受信アンテナ

測定コースは、ほぼ見通し外の環境である。時速5kmおよび20kmで走行したときの走行距離に対するスループットの変動を図3に示す。

図3 スループット変動

また、図3より求めたスループットの累積分布を図4に示す。

図4 スループットの累積確率

図4より、時速5kmで走行したとき、測定コースの80%以上の場所で、2.5Gbit/s以上のスループットを実現できていることが分かる。本実験では、64QAMを用い6アンテナ送信のMIMO多重を行っているため、チャネル推定精度注意2がスループット特性に与える影響は大きい。このため時速20kmの場合、チャネル変動が高速化することによるチャネル推定の追従性の劣化により、スループットは若干劣化しているが、この場合でも50%以上の場所で2.5Gbit/sのスループットを実現できている。

  • 注意1 ダイポールアンテナ : アンテナの中でもっとも簡易なアンテナ。ケーブル(給電点)の先に2本の直線状の導線(エレメント)をつけたアンテナである。
  • 注意2 チャネル推定精度 : パケットフレームごとにデータに時間多重したパイロットシンボルを用いて行う伝搬路(チャネル)の振幅および位相の変動の推定精度。

本記事は、テクニカル・ジャーナルVol.14 No.1に、掲載されています。