建物サステナビリティ設計ガイドラインの具体的取組み

NTTドコモ代々木ビル

2000年9月に竣工したドコモ代々木ビルは地球環境保全を考えた多くの施策をおこなっております。ここでは代々木ビルで採用された環境保全対策を以下に紹介いたします。

NTTドコモ代々木ビルの概要

NTTドコモ代々木ビルの画像

所在地:東京都渋谷区千駄ヶ谷5丁目24番地10他

ビル規模:敷地面積/6,273平方メートル
延床面積/51,121平方メートル

ビル構造:構造/地下 SRC造、地上S造
階数/地下3階、地上27階

建築からのアプローチ

1.建物の長寿命化

フレキシビリティ
モジュール化されたシステム天井や建物用途の変更に柔軟に対応できる構造の採用、将来用エレベータの準備等をしています。

耐久性の向上
花崗岩打ち込みの繊維補強PC版を採用し、外装材の耐久性を向上させるとともに、塗装替等のメンテナンスフリーを実現しました。

2.有害物質の使用抑制(建物・設備共通)

アスベストを含有する製品を使用していません。

3.省エネルギー

熱線吸収ガラスを採用し、空調負荷の低減を図ると共に、エレベータホール、トイレ等の共用部は自然採光とし、省エネルギー化に努めました。

4.廃棄物の削減、リサイクルの促進

建設資材の簡易梱包化、建設廃棄物の分別回収を実施し、建物建設時の廃棄物削減に努めました。また運用時にもごみ処理室に廃棄物分別をおこなうスペースを確保し、分別・リサイクルを推進しています。


設備からのアプローチ

1.省エネルギー

高効率照明器具
事務室の照明に高効率照明器具(Hfインバータ付き照明)を採用し、省電力化を図っています。(約10%)

BAS
BAS(ビルディングオートメーションシステム)を積極的に利用し、セキュリティシステムと連動させて、照明・空調の消し忘れによるエネルギーの無駄使いを防止することや、照明・空調設備等のビルシステムのマネージメントを統合的におこなうことで、省エネルギー化と効率的なビル運営をおこなっています。

太陽光発電

太陽光発電パネルの画像

南面の外壁部には、外壁一体型多結晶アモルファス太陽光発電パネル(10kW)を設置し、無尽蔵にある太陽光エネルギーを利用して、蓄電池と組み合わせた電源システムと一体化することにより、防災表示装置の電源に利用したり、災害時の地域貢献を考えた信頼性の高い電源システムを構築しています。

空調設備
HEX(全熱交換機)の採用による外気負荷の低減により、事務室の空調負荷を低減しました。

2.新ガス消火設備

信頼性の高い通信機械室を構築するために、消火設備を従来のハロン消火設備の替わりに、窒素系の消火剤を用いたガス消火設備を採用しています。

3.雨水貯留

中水雨水再利用設備の画像

大雨時の瞬時放流量を雨水貯留によって緩和させることで、大雨時の地域環境負荷への低減と、下水道インフラの負担緩和をおこなっています。

4.中水設備

トイレや厨房等の雑排水を地下の水槽に集めて、ろ過装置により中水をつくり、トイレ洗浄水に再利用しています。また上記雨水の一部を中水設備として再利用して環境負荷の軽減を図っています。

5.節水器具

衛生器具としては節水器具を採用し、女子トイレの擬音装置(音姫)等の設置により水利用の抑制を図っています。

6.地域の空気環境の改善

地域冷暖房の導入により、地域としてエネルギー利用効率を向上させ、大容量のオフィス用空調エネルギーに利用することで地域の環境負荷の低減や排ガスの減少による空気環境の改善に役立っています。厨房排気への脱臭装置の取り付けにより、良好な空気環境を保つように配慮しました。

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