山陽本線(岡山~倉敷駅間)の設備容量1.2倍へ
日常や観光での通信を快適に
多くの人々が行き交う、JR山陽本線。日々の通勤や通学、そして観光を支えるこの路線において、ドコモはお客さまへ快適な通信環境をお届けするための通信改善に日頃から取組んでいます。そのなかでも、今回は特に乗降者数の多い「岡山~倉敷駅間」の取組みをご紹介します。同区間において「2026年3月末までに設備容量1.2倍に増強する」という目標を掲げ、“どんな時もつながるあんしん”を守るために尽力した、担当者の奮闘や取組みの裏側に迫ります。
地域を支える重要路線が直面した、通信ひっ迫という課題
岡山駅と倉敷駅を結ぶJR山陽本線は、毎日の通勤・通学で多くの地元の方が利用する、地域にとっての重要な“足”です。また、休日には美しい街並みが広がる倉敷美観地区などの観光地や、商業施設への利用で混雑を見せます。
特に利用者が密集する平日の朝夕のラッシュ時などには通信データ量が急増し、「SNSがなかなかつながらない」といったお客さまからの声が上がっていました。平日と休日、どちらの利用シーンでも快適な通信環境を提供するため、ドコモは「設備容量1.2倍」という目標を掲げ、データ通信量が最も多くなる平日のピーク時間帯を基準とした対策を開始しました。
「設備容量1.2倍」へ向けた2つの対策
目標を達成するため、ドコモは「既存設備への5G周波数帯の追加」と、「新たな基地局の建設」という2つの対策を軸に取組みを進めました。
<既存設備への5G周波数帯の追加>
既存の基地局においては、5Gの設備を追加した上で、アンテナの角度を細かく調整する「チルト調整」を実施。基地局が発する電波の強さは、あらかじめ規格値が決まっていて変更ができないことから、限られた電波を“どこへ向けて重点的に届けるか”という角度調整が鍵を握ります。もし、電波の届く範囲を広げすぎると、カバーする人数が増えすぎてしまい、結果として一人あたりの通信容量が圧迫されて使いにくくなってしまいます。お客さま一人ひとりに十分な電波を届けながら、多くの方が同時に通信できるだけの容量も確保する。その絶妙なバランスを探り当てるため、担当者たちは計算と検証を繰り返しました。
さらに、高速で移動する電車内でも通信が途切れないよう、電波の送受信を行う基地局のチューニングも並行して実施しました。スマートフォンなどの通信は、移動に合わせて接続する基地局を順次切り替えていく「ハンドオーバー」という仕組みで成り立っています。電車の移動に合わせてこの切り替えがスムーズに行われるよう調整することで、乗車中のお客さまが途中で動画が止まったりすることなく、快適に通信し続けられるよう工夫を凝らしました。
<新たな基地局の建設>
「新たな基地局の建設」においては、制限のある環境のなかで、最適な場所を見つけ出し、そこに適した設備を設置することが重要になりました。
住宅地が密集した線路沿いなどに基地局を新設するにあたっては、近隣の方々からのご理解をいただくために、必要に応じた説明や対話を重ねながら、設置場所を選定。また、線路沿いという立地条件に合わせ、JR敷地上空へのアンテナの飛び出しを防ぐための位置調整を徹底しました。さらに、新たな鉄塔の建設が難しい場所では、電柱を活用した「小型基地局」を設置するなど、柔軟なアプローチを採用しました。このように、周囲の環境や景観にしっかりと配慮し、その場所ごとに適した工夫を凝らしながら、着実につながりにくい場所を減らしていったのです。
平日も、休日も。「いつでもつながる」あんしん感を
こうしたチーム一丸となった地道な取組みと検証を重ねた結果、ドコモは「設備容量1.2倍」という目標を達成しました。基地局が新設されたエリアではスムーズな動画視聴が実現したことが確認されたほか、最も人が密集する岡山駅周辺においても、通勤ラッシュ時の混雑を気にすることなく、SNSや動画をスムーズに楽しめる通信環境を実現しています。この快適な通信環境は、地元の方の通勤・通学時間だけでなく、休日に観光で訪れたお客さまの充実した旅をサポートするのにも役立っています。
今回の一連の対策によって、混雑する駅でのスムーズなキャッシュレス決済や、移動中の動画の視聴など、さまざまな場面で“ドコモなら、いつでもつながる”というあんしん感をお届けできるようになりました。山陽本線を利用するすべての方の利便性と安全性を支えるために、ドコモはこれからも、日々のお客さまの声に耳を傾け、通信の力で地域に貢献する挑戦をひたむきに続けていきます。
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