コミックマーケット会場の5G通信を整備しました

東京ビッグサイトで年2回開催されるコミックマーケット。2023年の会期には快適な通信環境を提供できなかったため、5G回線の各設備を拡充しました。2024年夏の開催時では改善の効果が見られましたが、残る課題への対処や追加の技術導入を進め、改善活動を引き続き行っていきます。
2023年夏コミの反省から対策を実施
コミックマーケット(通称コミケ)は、東京ビッグサイトで開催される世界最大規模の同人誌即売会です。8月(夏コミ)と12月(冬コミ)の年2回、それぞれ2日間の会期中に25万人以上が訪れます。2023年の夏コミでは5G通信の整備が遅れ、来場者のみなさまから厳しいご意見を多数いただきました。この反省から、基地局の整備や移動基地局車の改良などの対策に着手。スピード感をもって進めても1年近くかかる内容となるため、段階的に設備の更新を進め、1年後の夏コミまでに対策を完了させることとしました。

基地局の拡充と臨時設備の導入
2023年冬コミでは目標の約半数の基地局に5G導入を終え、人が密集する東西の待機列を5G対応の移動基地局車や仮設局でカバーするようにしました。しかし、この対策ではつながるエリアにムラがあり、お客さまにとってご満足いただける結果とはなりませんでした。続く2024年夏コミでは開催までにすべての基地局の工事を完了し、全面5G化が実現。加えて、待機列周辺には可搬型基地局や移動基地局車を追加で配置しました。


当日は通行を妨げない場所で電波調査を行い、測定データやSNSの投稿なども参考にしながら通信エリアの調整を随時実施。万一、設備が故障しても、速やかに交換修理ができる保全体制も整えました。
反応と今後の取組み
対策の結果、電波状況の数値が改善しただけでなく、SNS上でも「今年は普通に使える」といったポジティブなご意見をいただくことができました。一方で4G回線における通信速度など、解決できていない課題もあります。引き続き対応を進めるとともに、5G回線についてもさらなる改善のため、5G SA※1やマルチユーザMassive MIMO※2など最新技術の導入を検討しています。快適な通信をご利用いただくため、コミケにお越しの際は、ぜひスマートフォンの5G設定がオンになっていることをご確認ください。
- 5G専用のコアネットワーク設備である5GC(5G-Core)と、5G基地局を組み合わせて通信をする方式です。「5G SA」の場合、4G接続をせずにはじめから5G接続となるため、5G通信開始までの時間が短くなります。
- 多数のアンテナ搭載した専用の装置を用いることで、一人ひとりに高品質なエリアと専用の周波数リソースを提供することができ、混雑時でも快適な通信環境を実現しやすくなります。