
リアル空間の扉をくぐることでバーチャル空間へ自然に移動できるMR技術を開発
~観光や不動産などバーチャル空間を活用するさまざまな分野でユーザー体験を向上~
「自分自身がバーチャル空間に確かに存在する」 と利用者が感じるような高いユーザー体験が得られるバーチャルリアリティ体験を実現するには、リアル空間からバーチャル空間を自然につなぐことが重要であると科学的に証明されています。一方で、リアル空間とバーチャル空間の境目として扉をはじめとした出入口をスマートフォンやヘッドマウントディスプレイで描画する商用事例が多数存在します。しかし、リアルの扉を出入口として利用し、それを利用者が開閉することで、触覚や聴覚などマルチモーダルな感覚情報を得られる事例は商用・非商用でありませんでした。NAIST(国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学)はこの利用者の操作に忠実でマルチモーダルな感覚情報を伴うリアルの扉を使った出入口がユーザー体験を向上させることに着目し、これを科学的に検証してきました※。ドコモはNAISTが発見した科学的な知見をもとに、手と扉の動きを動的に認識する技術を新たに開発することで、簡単にユーザー体験向上の恩恵が得られるシステムを実現しました。

※ 藤澤岳瞭, 中野萌士, ペルスキアエルナンデスモニカ, 磯山直也, 内山英昭, 清川清. ”VR体験向上のためのビデオシースルーARと物理ドアを用いた実環境とVR環境間の遷移手法の評価”. 電子情報通信学会技術研究報告, 信学技報, 122(367), MVE2022-47, 2023.
※ 「Apple Vision Pro」はApple Inc.の商標です。
