特集 ドコモとAI(人工知能)AIの進化が未来を拓く ロボットとの対話など、すでにAI(Artificial Intelligence:人工知能)は私たちの身近な技術です。最近の技術革新「ディープラーニング(深層学習)」により飛躍的に能力が向上し、ますますAIに注目が集まっています。

「強いAI」と「弱いAI」

AIには「強いAI」「弱いAI」の2種類があるといわれます。前者は人間同等の知能を持つ技術のことで、映画やアニメに登場するおなじみのキャラクターがこのタイプです。
一方、後者は人間知能の一部を代替する技術のことで、いま話題になっているAIはこのタイプです。
「弱いAI」は50年以上も前から着実に発展を続け、少しずつ生活の中に浸透してきました。いまではAIを搭載して使いやすくなった家電、特定の会話ができるコミュニケーション型ロボットなど、実用化されたものも数多く存在します。

最近の技術革新「ディープラーニング」とは?

いま、なぜ改めてAIが注目されるのか。
大量のデータから自動的に学習する新技術「ディープラーニング」の登場が大きな要因です。ディープラーニングでは、人間の赤ちゃんが、真っ白な状態からさまざまな経験を通じて成長していくように、データ量が増えれば増えるほど能力が向上します。この技術革新により、AIの性能は飛躍的に向上し、すでに特定分野では人間を上回る能力を獲得しはじめています。

AIと通信による相乗効果とは?

現在、AIはさまざまな産業において活用が広がっています。その背景には、すべての“モノ”を通信でつなぐIoT ※1、データを蓄積し、解析するクラウド※2やビッグデータといった技術進化があります。
IoTとクラウドにより収集、蓄積された大量のデータを、ビッグデータ解析※3やディープラーニングなどのAIと組み合わせることで、さまざまな産業における課題解決に貢献することが期待されています。

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ドコモがめざすAIの取組み

人間行動サポートと社会的課題の解決に向けて──

ドコモでは、AIの取組みによって「生活に溶け込むパーソナルエージェント」が生まれ、また「社会システムの最適化」が実現されるビジョンを描いています。
具体的には、人間行動を先読みしてサポートするサービスの開発や、少子高齢化・労働人口不足などの社会的課題の解決に向けた仕組みの構築をめざしています。
その実現に向けて、ドコモはこれまでの事業で培ったモバイル通信インフラとクラウド、ビッグデータ解析やディープラーニングなどのAIを組み合わせた資産をもとに、外部のパートナーと連携することで、交通、医療、公共インフラなどのさまざまな産業における課題を解決するための取組みを進めています。

ドコモの資産

モバイル空間統計

「モバイル空間統計」は、ドコモの携帯電話ネットワークの仕組みを利用して作成される人口の統計情報です。日本全国の1時間ごとの人口分布を、24時間365日把握することができます。その情報と外部のパートナーが持つ情報を融合させ、AIで分析することにより新たな価値として、社会システムの最適化につながると期待されています。

ドコモの資産

自然対話技術

音声による対話では、長年にわたり研究を進めてきた「しゃべってコンシェル」の技術を軸にしています。その技術に新たな機能として、より自然に対話ができる技術を追加し、技術そのものを商品化しました。外部のパートナーの商品と組み合わせることで、話す「自動車」「家電」「ロボット」へと進化し、人間行動のサポートにつながると期待されています。

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+d パートナーとの連携で大きな成果を

現在の取組み────

30分後のエリア別タクシー乗客希望数を予測

東京無線協同組合、富士通株式会社、富士通テン株式会社と連携し、実証実験を行っています。ドコモの携帯電話ネットワークの仕組みを活用して作られる人口統計情報、タクシー運行情報、気象情報、周辺施設情報などを組み合わせた情報をAIで分析し、エリア別に現在から30分後のタクシー乗客希望数を予測します。その予測情報をタクシードライバーに配信することで、乗客希望数の多いエリアにタクシーが十分に配車され、タクシー不足の解消やタクシーの効率的な運行を実現します。

タクシー乗客希望数の予測結果と車両配車

九州大学構内における自動運転バスを実現

2018年度下期に九州大学伊都キャンパス内を循環する自動運転バスサービスの提供に向けて、国立大学法人九州大学、株式会社ディー・エヌ・エー、福岡市と「スマートモビリティ推進コンソーシアム」を設立し、今後実証実験を行います。ドコモでは、見通しの悪い交差点の道路にセンサーを設置することで、バスに搭載されたカメラでは認識することができない車や人を察知しバスなどに伝える「路車間協調技術」や、運賃や目的地への行き方など、乗客の質問に答える「自然対話技術」、停留所の乗降数予測に基づいて最適なルートでバスを運行する「運行管制技術」を提供します。

「自然対話技術」を活用したサービスイメージ

※1 IoT(Internet of Things) あらゆるモノがインターネットを通じて接続され、状況の把握や制御などを可能にするといった概念のこと。
※2 クラウド ネットワーク上に置いた機器やデータ・ソフトウェアを、通信回線を通じて利用できること。
※3 ビッグデータ解析 大容量のデジタルデータを解析すること。

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