重要通信の確保
ドコモでは、基地局などのネットワーク設備を建設するにあたり、平常時におけるエリアの人口や人の行動特性、地理的条件などを勘案して十分な回線を確保できるよう計画し、無駄のない効率的な設備を構築しています。
しかしながら、災害発生時などは通常の数十倍にもおよぶ被災地や被災地への通信が集中し、一時的にネットワーク設備の処理能力をオーバーすることがあります。この状態を「輻輳」と呼んでいます。
輻輳状態になるとネットワーク設備のパフォーマンスが著しく低下します。これにより多くのお客様が通信しづらい状態に陥ってしまう事になります。
お客様の通信をコントロールさせていただく必要性
輻輳状態が長時間続くと連鎖的に、広範囲で通信しづらい状況にもなりかねません。ドコモは災害時においても電気通信事業法で定められた110番や119番などの重要通信を確保する責務があります。しかし、輻輳が長時間かつ広範囲に拡大すると、重要通信さえも通信しづらい状況となる可能性があります。このような輻輳状況を未然に防ぐためにも、通信をコントロールさせていただく場合があります。
輻輳時は全国の通信状況を24時間体制で監視し、システムやエリアごとに通信量をコントロールさせていただきます。
このことにより、重要通信の確保は元より、パフォーマンス低下を回避し、お客様疎通を最大限確保することが可能となります。
通信のコントロールイメージ(通信ネットワークを高速道路にたとえると)
【大混乱に発展して通行不能に・・・】
混雑時に、道路規制がなかったとすると、料金所に車が我先に殺到して混乱が生じ、誰もが通過できないばかりか、緊急車両などの通行用に設置してある優先道路も通行が不可能になる恐れがあります。通信でも、お客様の通信が集中すると、同様の混乱が生じます。
【通行量を抑え順序よく通過】
道路規制を行えば、車はスムーズに料金所に誘導され、緊急車両の通行を優先でき、やや時間はかかるものの、最終的にはすべての車が通行できます。通信でも、お客様の通信をコントロールさせていただくことで、混乱を最小限にとどめ、重要通信を確保するとともに、お客様の通信を最大限接続しています。
ネットワークの効果的なコントロール
広範囲でコントロールを実施し安定したネットワークを維持
災害の規模や通信の集中状況に応じて、お客様の通信をコントロールさせていただく範囲が異なります。
地震などの災害時には広範囲の基地局エリアからの通信が集中するため、複数の基地局において通信を制限させていただきます。
また、全国からの安否確認や見舞い呼が増大するため中継交換機においても通信を制限させていただく場合があります。
音声通話とパケット通信を分離したコントロール
通信量に応じた音声通話とiモード/spモードなどのパケット通信を分離したコントロールを行なっています。
音声通話の通信量が多い場合においてもパケット通信に対するコントロールを最小限にし、災害用伝言板などをご利用いただきやすくしています。