日々の取組み

駅で、街なかで、観光名所で。
関西の都市部エリアでの感動をつなげる
「5Gネットワーク」の構築

INDEX

大阪環状線の内側全域をはじめ、三宮駅(兵庫)、河原町駅(京都)、大津駅(滋賀)、奈良駅(奈良)、和歌山市駅(和歌山)は、関西の各府県の核となる主要駅です。これらを中心とした周辺エリアでは、日々多くの人々が行き交い、ネットワークの需要も年々増しています。本記事では、関西エリアの活気あふれる各府県の中心部において、ドコモがいかにして通信対策に取組んでいるのか、その舞台裏をご紹介します。

増え続ける「通信需要」に対応する基地局増強

前述した各府県の主要駅の周辺や繁華街では、日常的な通勤・通学に加え、インバウンドを含めた観光客の数が年々増加しています。加えて、スマートフォンでの動画視聴やSNS投稿、ルート検索、キャッシュレス決済の利用などで、通信需要が急増する今、都市部での5Gの拡充は最優先の課題でした。それに応えるために、ドコモが打ち立てた目標が、2026年3月末までに関西の主要都市部において、5Gの高速通信を支える「Sub6(サブシックス)」という周波数帯に対応した基地局の数を1.4倍にすること。この取組みについて、担当チームは次のように語ります。

――まず、今回主要都市部への集中対策に乗り出した「きっかけ」を教えてください。
「今回対策を行った主要都市は、関西エリアのなかでも特に人が集まり、通信需要も非常に多い場所です。ドコモとして力をいれてきましたが、近年SNSなどで、“つながりにくい”という声をいただくことがありました。実際、私自身も休日に多くの人が集まる場所で、スムーズに通信できないもどかしさを感じたことがあります。通信需要が高い街なかでも、スマートフォンの利用が滞ることなく、快適に通信ができる環境を届けたいという想いが、今回の取組みの大きな原動力でした。

――そんな状況を解決するために掲げたのが「基地局数1.4倍」だったんですね。
「現状の混雑解消だけでなく、今後の通信需要の増加を考えると、少なくともこれまでの1.4倍は設備が必要だと判断しました。正直、この数字はかなり高いハードルでした。すでに多くの基地局を設置している都市部で、さらに約4割もの基地局を増やすのは簡単なことではありません。しかし、“ドコモはつながる”とお客さまに感じてもらうためには、通信速度と安定性を備えた5Gネットワークの構築が必要だと、チーム一丸となってスタートを切りました。」

あらゆる工夫で乗り越えた、都市部ならではの「壁」

基地局数を1.4倍にするための最大の壁は、「設置場所」を確保すること。ビルが密集し、空きスペースがほとんどない都市部で基地局数を増やしていくために、担当チームはこれまでの常識にとらわれない手法を模索し、それを実践してきたと話します。

――場所の確保が難しい都市部で、どのようにして基地局を増やしていったのですか?
「まさに、なりふり構わぬ姿勢で、あらゆる可能性を検討しました。都市部での基地局設置は、まず場所や建物のオーナーとの交渉からはじまります。しかし、環境の変化や他通信事業者との競合もあり、場所の確保は時間との戦いです。許可が下りたとしても、他設備で埋まってスペースがないということも少なくありません。
そのため、アンテナを立てる隙間さえないような場所では、マンションのワンルーム一室を借りて基地局を建設するといった手法も活用しました。また、電柱を利用した『スモールセル(小型基地局)』も、エリア拡大のための武器になりました。また、設置に必要な部品や手順があらかじめ標準化されているので、建設工程を通常よりも大きく短縮できます。」

景観に配慮して採用された、目立たない「ガラスアンテナ」

――歴史ある街並みが多い関西エリアでは、景観への配慮も重要ですよね。
「そうですね。特に景観条例が厳しいエリアでは、街の美観を損なわないことが絶対条件です。そのため『ガラスアンテナ』を使って外から目立たないようにする、建物の色に合わせた目隠しでアンテナを囲うなど、徹底して街に溶け込む工夫が必要でした。寺社仏閣などが集まる観光地では、山の斜面や木々の影までも利用しましたよ。あらゆる知恵を絞って一局ずつ着実に増やしていきました。」

ミリ単位の地道な調整と「マルチユーザMassive MIMO」の導入

基地局を建てて終わりではありません。増設した設備の性能を最大限に引き出し、電波同士の干渉を防ぐための綿密な「エリアチューニング」が、通信の質を左右します。

――チューニングにおいて、特に大切にしているポイントを教えてください。
「データ上の数値だけでは測れない『体感』を重視しています。そのため実際に自分たちで街を歩き、何度も電車に乗って確かめました。スマートフォンの画面を見つめながら、“ここで通信するお客さまは、本当に快適か”を追求しました。」

マルチユーザMassive MIMO構成イメージ

――現場での実測の後、具体的にどのような調整を行っているのですか?
「アンテナの角度を数ミリ単位で調整する『チルト調整』や、4Gと5Gの切り替えタイミングを最適化する『パラメータの調整』など、地道な調整作業を繰り返しています。また、今回の対策では『マルチユーザMassive MIMO』を積極的に導入しています。これは多数のアンテナを使って、一人ひとりに“専用の電波の通り道”を用意するような技術です。周囲の影響を受けにくくなるので、混雑した街なかでも、一人ひとりが安定した高速通信を利用できるようになります。」

いつでも、どこでも。関西の活気を支える通信へ

場所の確保や地道なエリア調整を重ねた結果、当初より目標に掲げていた「2026年3月末までにSub6基地局数1.4倍」を達成。関西の主要都市部において、より安定した高速通信を提供できる環境が整いました。

――今回の対策を経て、都市部ではどのような変化が生まれましたか?
「基地局数を1.4倍に増やしたことで、かつて通信ひっ迫を起こしていた主要駅や繁華街でも、キャッシュレス決済がスムーズに行えたり、動画が途切れずに視聴できたりと、確かな改善を確認しました。特に人が集中するピークタイムで、ストレスのない通信を実感いただけるようになったことは、大きな手ごたえです。」

――最後に、これからのネットワーク構築にかける想いをお聞かせください。
「お客さまにとって、通信は『使えてあたりまえ』の存在です。だからこそ、“ドコモならあんしん”と感じていただくための、確かな通信環境の構築をいちばんに考えていきたいです。今後、世のなかの通信データ量がさらに増え、ネットワークへの需要がどれほど高まったとしても、今回培った『あらゆる手段を尽くす』という姿勢を忘れず、常にお客さまのニーズの、一歩先を行くネットワーク構築に挑戦していきます。」

一人でも多くのお客さまに、一か所でも多くの場所へ、快適につながる通信を届けたい。都市部での日常と、旅行で訪れる人の感動、その両方を支えるために、ドコモのひたむきな挑戦はこれからも続いていきます。

  • 株式会社NTTドコモ関西支社
    ネットワーク部 移動無線計画担当

    竹田 悠二

  • 株式会社NTTドコモ関西支社
    ネットワーク部 移動無線計画担当

    宮武 聖人

  • 株式会社ドコモCS関西
    ネットワーク建設推進部 置局設計担当

    米村 樹

  • 株式会社ドコモCS関西
    エリア品質部 エリア品質技術担当

    岡本 太一

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