日々の取組み

大宮駅の通信がもっと快適に
5Gの2周波数帯 対応エリアの面的展開大作戦

INDEX

関東屈指のターミナル駅として、通勤・通学、新幹線の乗り換え、週末の外出、駅ナカでの買物まで、さまざまなシーンで利用されるJR大宮駅。この記事では、多くの人が行き交うこの場所で、ドコモがいかにして通信品質の改善に取組んでいるのか、その舞台裏をご紹介します。

2つの高速周波数帯が揃い、エリアを「面」でカバーする大規模対策が始動

高速・大容量、低遅延を実現する「5G」。その性能を最大限に引き出すためには、広い帯域幅を持つ周波数帯、たとえるならば一度に多くの車が通れるような広い道幅の道路が欠かせません。5GのSub6には2つの周波数帯があり、これまで「JR大宮駅(JR東日本 大宮支社管轄。以下大宮駅)」周辺では、その一つである「4.5GHz帯」という周波数帯を整備し、快適なエリアをつくってきました。もう一つの「3.7GHz帯」も、これまでは共同で利用している近隣県にある衛星通信の無線局に影響を与えないように一部のエリアに絞った限定的な利用でしたが、2024年3月末にこの無線局が別の場所へ移設したことで制限が緩和されました。
これにより、5Gの主要な周波数帯「4.5GHz帯」と「3.7GHz帯」を最大限に活用できる環境が整ったのです。
この環境が整ったことを契機に、ドコモは大宮駅周辺の通信容量を一気に引き上げる計画を策定しました。「2025年度 通信改善 取組み宣言」のもと、2025年12月末までに大宮駅の設備容量を2倍に増強するという目標を設定。単に混雑しやすい場所をスポットで対策するのではなく、駅周辺を「面」でカバーし、2つの周波数帯をフル活用することで、混雑する時間帯でもストレスなく使える環境の実現をめざしました。

  • 「2025年度 ドコモの通信改善 取組み宣言」については、こちらをご確認ください。

立ちはだかったアンテナ設置のための「場所探し」の壁

この計画の実現は決して平坦な道のりではありませんでした。最大の壁となったのは、アンテナを設置するための、建物が密集する都市部ならではの「場所探し」です。
理想的な場所にアンテナを建てたくても、条件に合う場所がなかなか見つかりません。たとえ交渉が成立しても、構造検討の結果、これ以上の重量を載せることができなかったり、アンテナを含む基地局装置一式を動作させるための電力を建物から受電できなかったりと、設置を断念せざるを得ないケースもありました。希望通りに建物が利用できない場合は、電柱を活用した小型基地局を組み合わせるなど、最適な改善方法を模索し続けました。そうした粘り強い交渉と工夫の末に、大宮駅周辺をカバーする、安定した通信環境を築くことができました。

快適性をさらに向上させる「マルチユーザMassive MIMO」と「インフラシェアリング」の導入

大宮駅周辺エリアの通信品質をさらに高めるために、さまざまな対策を行っています。

<埼玉県初導入の5G新技術「マルチユーザMassive MIMO」>
一つ目は、従来の基地局アンテナよりも広いエリアをカバーでき、かつ一度に送受信できるデータ量を飛躍的に増加させることができる「マルチユーザMassive MIMO」の導入です。ユーザーごとに電波を個別に割り当てることで、混雑時にも安定した接続を提供でき、人が密集するターミナル駅周辺でも快適な通信を実現します。

より安定した通信を実現するために建物の屋上に設置された「マルチユーザMassive MIMO」に対応した装置(写真中央の白い筐体)。

<埼玉県初JR東日本との「インフラシェアリング」>
二つ目は、埼玉県内で初となる、JR東日本と「インフラシェアリング」での共同構築です。インフラシェアリングとは、効率的な通信エリア構築を目的として、通常各通信事業者が個別に設置するアンテナなどの通信設備を共用の設備にまとめることです。多くの通信需要がある一方で、設備を設置できるスペースが限られている駅構内において、JR東日本と連携し、各社の設備を集約することで効率化を図り、通常よりも短期間での5Gエリア化を実現しました。

もっと速く、さらに快適な未来へ

こうした地道な積み重ねは、着実に成果として表れはじめています。対策を実施する前(2025年6月)と実施後(同年9月)のデータを比較すると、通信速度(スループット)の大幅な改善が確認されました。特に混雑が激しかった大宮駅西口付近の基地局では、通信の順番待ちが発生している状態を示す「滞留率」が改善。これにより、動画の読み込みが速くなったり、Webサイトの閲覧がスムーズになったりと、お客さまの体感としても「つながりやすさ」を実感いただけるレベルに達しています。

対策後は、大宮駅の東口・西口ともに通信速度の大幅な改善が確認された。

大宮駅周辺では、さらに快適な通信環境を提供するために、基地局の「5G SA(Standalone)」対応も完了しています。
現在、一般的に普及している5Gは「5G NSA(Non-Standalone)」と呼ばれ、4Gの設備と連携して通信を行っています。一方で、「5G SA」は、5Gの設備だけで通信が完結します。4G側の混雑状況に一切左右されないため、通勤ラッシュやイベント開催時など、人が多く集まる状況であっても、安定して5G本来の快適な通信をご利用いただけます。

  • 「5G SA」は対応のスマートフォンとUIMカードまたはeSIMをお持ちであれば、どなたでもご利用になれます。詳しくはこちらをご参照ください。

ドコモは、「少しでも早く、快適な環境をお客さまに届けたい」という思いから、本来2026年3月に予定していた基地局の開局を、関連会社と一体となって2025年末へ前倒しするなど、大宮駅周辺の通信改善を力強く推進してきました。しかし、私たちのプロジェクトは、これで終わりではありません。
今後も建物の陰などの電波が届きにくい場所をなくすべく、電柱に設置する小型基地局や、大容量通信に欠かせない「マルチユーザMassive MIMO」搭載の基地局を導入し、さらなる快適な通信を追求していきます。お客さまの「あたりまえの快適」を守るために、ドコモの通信品質改善への取組みは、これからも続きます。

  • 株式会社NTTドコモ 関信越支社
    ネットワーク部 ネットワーク計画 移動無線計画

    前田 大輔

  • 株式会社NTTドコモ 関信越支社
    ネットワーク部 ネットワーク計画 移動無線計画

    塚田 奨平

  • 株式会社NTTドコモ 関信越支社
    ネットワーク部 ネットワーク計画 移動無線計画 主査

    上條 晃宏

このページのトップへ