ストレスフリーなネットワークを東北最大級のアリーナに。
ドコモが挑む、終わりなき改善

宮城県の大型イベント施設「セキスイハイムスーパーアリーナ」では、コロナ禍を経て大規模なコンサートが頻繁に開催されるようになった2023年頃から、通信がつながりにくくなるという課題を抱えていました。ドコモは改善に向けて、アリーナの通信設備の容量を2025年1月末までに最大7.2倍に増強することを目標に掲げて対策に着手。今回は、その取組みの模様をお届けします。
- 最大7.2倍は、対策設備が複数ある場合の最も高い増強率を採用しています。
再び活況を迎えたイベント施設に、つながる環境を
セキスイハイムスーパーアリーナは、宮城県の利府町にある東北最大級の多目的アリーナです。コロナ禍を経てリアルでのイベント開催が活況を取り戻した今、この施設でも多数の観客を動員するコンサートなどが次々と開催されるようになりました。そこで浮き彫りになったのが、イベント開催時における通信ひっ迫の課題です。特に、1日に複数回の公演を行うライブイベントでは会場の人出が倍増するため、スマートフォンがつながりづらい状況がたびたび発生していました。

電子チケットによる入場受付やキャッシュレス決済によるグッズ販売が主流となった現在において、イベント会場におけるネットワークの重要性はかつてないほど高まっています。こうした時代の変化に対応した通信環境を整えるために、ドコモはセキスイハイムスーパーアリーナにおけるネットワーク強化の取組みをスタートさせました。
的をしぼった対策から、全方位の対策へ
ドコモは当初、アリーナの屋外にターゲットをしぼって通信設備を増強する計画を立てていました。入場受付やグッズ販売のブースは施設の外に設置されるため、ネットワークの需要が屋外に集中すると考えられたからです。しかし、この対策だけでは不十分であることが施設側との話し合いで明らかになりました。

施設側から寄せられた意見は、会場のなかでも座席確認や待ち合わせなどをするためにスマートフォンが頻繁に利用されていること。そして、その際につながりにくさを感じている方が多くいるという事実でした。アリーナを訪れたすべての人にイベントを心置きなく楽しんでもらうためには、会場のあらゆる場所で快適につながる環境をつくりだすことが重要。そこでドコモは当初の計画を練り直し、屋外と屋内の両方で通信設備の強化に取組むことを決めました。
景観に配慮しながら、会場全体を「面」と「点」でカバーする
セキスイハイムスーパーアリーナは、非日常の体験を求めて多くの人々が集う場所。そのため、屋外での対策では“いかに景観に配慮して通信設備を配置するか”が大きな焦点となりました。施設側と協議を重ねた結果、アリーナから300m以上離れた人目につかない場所に5G基地局を新設することが決定。新しい基地局には出力の大きい機材を採用し、入場待機列やグッズの販売ブースなどが設置されるアリーナの屋外ゾーンを遠方から面でカバーする対策を施しました。

屋内での対策では、新設した基地局が発する電波の向きを西側・東側それぞれのスタンド席と入場口の3方向に設定。ネットワーク利用が集中する場所をピンポイントでカバーする対策を行いました。

2024年12月20日にはセキスイハイムスーパーアリーナにおける屋内・屋外すべての対策が完了。「通信改善取組み宣言」※に掲げた2025年1月末までに通信設備の容量を最大7.2倍に増強するという目標を、想定より早く達成することができました。
- 最大7.2倍は、対策設備が複数ある場合の最も高い増強率を採用しています。
- 「2024年度 ドコモの通信改善 取組み宣言」についてはこちらをご確認ください。
あたりまえにつながる環境を、絶えず提供するために
今回の対策によって、イベントで最も混み合う時間の通信速度が以前に比べて最大10倍まで向上し、これまでと比較して快適な通信が可能となりました。しかし、この成果が私たちのゴールではありません。電子チケットやキャッシュレス決済が主流になったように、これからも新しい技術や常識が次々と生まれてきます。そんな時代の変化に対応し、「あたりまえにつながる環境」を絶えず提供していくことが通信インフラを支えるドコモの責任です。

熱気に包まれたイベント会場で、人と人がつながり、感動や興奮をわかちあう。そのためにはネットワークの力が不可欠です。私たちがよりよい通信環境を整備することが、一人ひとりの人生によりよい思い出を残すことにつながっていく。だからこそ、ドコモは終わりのないネットワーク改善の取組みをこれからも続けていきます。
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株式会社ドコモ東北支社
ネットワーク部 移動無線計画担当田口 哲広
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株式会社ドコモCS東北
エリア品質部 エリア品質技術担当伊藤 誠市
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株式会社ドコモCS東北
福島支店 ネットワーク担当村上 由樹