日々の取組み

令和6年奥能登豪雨 復旧活動の進展と未来への備え

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2024年9月21日(土)、能登半島において線状降水帯の影響により豪雨災害が引き起こされました。河川の氾濫による冠水や土砂災害で住宅や道路への被害だけでなく、多くの人的被害も発生しました。ドコモでは災害発生直後から基地局の復旧活動や避難所への支援を展開。2024年12月現在、道路の寸断により作業ができない一部の基地局を除いてほぼすべての通信基地局の復旧を完了しています。引き続き自治体とも連携しながら、今後の災害への備えを進めています。

能登半島地震による災害体制の見直し

北陸支社では2024年1月1日(月)に発生した能登半島地震の災害対応において、発災時の初動対応手順や受援体制、災害関連情報の一元管理・可視化といった課題が明らかになっていました。非常物資を整備したほか、社内の振り返りをもとにマニュアルや組織体制の見直しを実施。特に通信設備の被災状況に関しては「復旧計画策定ツール」の導入によって可視化されるようになり、どこから復旧していくべきかという計画の素早い立案が可能になりました。
事前の備えが功を奏し、線状降水帯により引き起こされた9月の奥能登豪雨とそれに伴う土砂災害においては、1月の震災時よりも効率的な復旧活動ができました。

奥能登豪雨直後の基地局周辺の様子(輪島市内)

スピード感を持ち、アクセス可能な全通信基地局を1週間で復旧

今回の豪雨災害により、ドコモでは一時最大88局の基地局がサービスを中断し、輪島市・珠洲市・能登町・志賀町のエリアに影響がおよびました。災害による基地局の中断は、主に電源の喪失か通信ケーブルの断線、もしくはその両方によって起こります。基地局からのアラートにより中断の原因を特定し被災状況を可視化、「復旧計画策定ツール」を活用して発災直後から速やかに復旧活動を展開しました。電源を喪失した基地局に対しては発動発電機や移動電源車を、通信ケーブルが断線してしまった基地局に対しては移動基地局車や可搬型基地局、衛星通信Starlinkを配備して通信エリアを復旧していきました。

衛星通信Starlinkによる救済。従来の機器よりも可搬性に優れる

復旧作業においては能登半島地震のときと同様、立ち入り困難地域の対応が課題です。悪路のため車両が入れず、機材を載せたリヤカーを2km近く引かなくてはならないケースもありました。発災から約1週間後の9月末時点で到達可能な70局については応急復旧を完了しましたが、輪島市内の18局については徒歩での立ち入りもできない状況でした。現在も道路の開通にあわせて復旧作業を進めており、サービス中断が続く基地局は12月12日時点で残り4局となっています。

悪路では車両から徒歩に切り替え。重い機材はひとつで40kgほどある

道路の通行止めが続く地域の基地局ではサービス復旧が2025年度までかかる可能性があるものの、通行止めの解除から3日以内には基地局を復旧できるよう、引き続き行政と連携していきます。

取材の様子。直近で復旧の見通しが立った基地局もあるなど、被災地の復興に向けた明るい話題も多かった

県と連動して被災地を支援

発災当日のうちに石川県の災害対策本部へリエゾン派遣(被災自治体に情報連絡員を派遣すること)を行い、被災者・避難所の支援と自治体への技術提供において密に連携できる体制を整えました。 被災者・避難所の支援については、当日の昼には社内でプッシュ型支援活動(要請ではなく予測で物資を提供)の必要性を認識して準備を進めていたため、翌朝には出動できる状態になっていました。県とも情報連携し、発災翌日からの2日間で26か所の避難所を訪問。「ポケットチャージャー」や複数の携帯電話端末を同時に充電できる「マルチチャージャー」といった充電設備、Wi-Fiルーターなどを必要に応じて提供しました。

充電・Wi-Fiスポットは契約キャリアに関係なく無料開放

自治体への技術提供については、要請に応じてStarlinkの貸出を実施。輪島市と珠洲市において通信がつながりにくくなってしまっている避難所に設置されました。また、各自治体や自衛隊、建設会社へは衛星携帯電話やスマートフォン、タブレットやWi-Fiルーターなど通信機器を提供し、通信分野から復興活動をバックアップしています。

進む復興と次の「もしも」に備えて

能登半島の状況にあわせて、ドコモの支援活動も形を変えています。避難者の仮設住宅への入居が進んだことに伴い、定期的に仮設住宅を訪問してネットワークのご相談から日常のお困りごとまで、戸別にお話をうかがっています。また、冬季を前に雪への備えも進めました。応急復旧後の基地局に積雪対策を施したほか、雪でかき出せなくなる前に土砂を除去できるよう、グループ社員有志によるボランティアを派遣しています。

社員ボランティアによる土砂のかき出し

今後に向けて、北陸支社においては奥能登豪雨の振り返りを行いマニュアルや体制、ツールをブラッシュアップしていくとともに、救援物資を精査・管理していくことで、災害が発生した際に迅速な復旧活動ができるように備えていきます。
ドコモグループとしては、基地局における予備電源強化や通信経路の複線化を通じた通信断絶のリスク低減のほか、応急復旧へStarlinkなど新技術を導入していくことで災害に強いネットワークの構築を進めます。また、11月26日(火)には石川県と災害からの復興・地域活性化のための包括的連携協定※1を締結しました。復興の先まで見据えてHAPS※2など次世代通信で連携していきます。自治体との関係性も強化しながら、引き続き被災地域の復興に尽力してまいります。

石川県との協定締結式の様子

ドコモの携帯をご利用のお客さまにおかれましては、災害時のご家族との連絡手段や活用できるサービスのご確認をぜひお願いいたします。

ドコモの防災ハンドブック(PDF形式:9,566KB)

  • 協定の詳細は報道発表資料をご確認ください。
  • 地上約20キロ上空の成層圏に、通信装置を搭載した無人機を数か月にわたって飛行させる次世代システム。通信範囲を広げることができ、災害時のほか、地上の基地局ではカバーできなかった海上や離島、山間部などで大容量の直接通信が可能になります。
  • 別ウインドウで開きます Get Adobe Acrobat Reader

    PDF形式のファイルをご覧いただくには、アドビシステムズ社から無償提供されている
    別ウインドウで開きますAdobe® Reader®プラグインが必要です。「Adobe® Acrobat®」でご覧になる場合は、バージョン10以降をご利用ください。

  • 株式会社NTTドコモ北陸支社
    ネットワーク部
    災害対策室 担当課長

    石田 昌次

  • 株式会社NTTドコモ北陸支社
    ネットワーク部
    災害対策室 主査

    山内 文進

  • 株式会社NTTドコモ
    ネットワーク本部
    サービスオペレーション部
    災害対策室

    成田 知恕

  • 株式会社ドコモCS北陸
    ネットワーク運営部
    運営企画担当 主査

    藤野 大輝

  • 株式会社ドコモCS北陸
    ネットワーク運営部
    石川ネットワーク担当

    上口 翔大

  • 株式会社NTTドコモ北陸支社
    営業部
    営業企画担当部長

    大石 寛之

  • 株式会社NTTドコモ北陸支社
    スマートライフ部
    コンシューマ営業企画担当課長

    長谷川 直行

  • エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
    北陸支社第一グループ第四チーム

    宮本 優

  • 株式会社ドコモCS北陸
    総務部
    共通業務支援担当 主査

    野里 薫

  • 株式会社ドコモCS北陸
    総務部
    共通業務支援担当

    矢部 美樹子

  • 株式会社NTTドコモ北陸支社
    企画総務部
    広報室 主査

    市川 清美

【取材中の様子】
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