夏によく発生するスマホの発熱とは

気温が高くなる夏に増える問い合わせの一つがスマホの“発熱”です。中でも、夏場の車内などの高温環境下に長い時間置いておくことで最悪の場合、リチウムイオン電池の発火が発生する恐れがあり、NITE(独立行政法人 製品評価技術基盤機構)からも注意喚起がされています。

モバイルバッテリー「6.高温下に放置して発火」別ウインドウが開きます

今回は、スマホで発生する発熱について深堀りして発生した際の対処方法も覚えておきましょう。

何で熱くなるの?

大きくは、外部からの熱と内部からの熱の2種類があります。
外部からの熱は、直射日光に当たったり、ストーブなどの熱源の近くに置いたりした際に発生するものです。
内部からの熱は、スマホに負荷のかかる充電やカメラの使用、動画視聴などによる部品から発生するものです。
夏場は比較的に外気温も高いので、スマホを利用している際に熱くなる場合が多いので、気を付けましょう。

熱い状態が続くとどうなるの?

スマホが熱い状態になった際に、動作が重くなったと感じたことはないでしょうか?これは、スマホの内部で温度が上がりすぎないように部品の処理速度を落として、負荷を小さくしています。
ただ、さらにスマホ内部の温度が高くなると、画面上に警告メッセージが出たり、電池の劣化が進行する場合がありますので、注意しましょう。

【実験①】どれくらい熱くなるのか

今回、スマホを屋内の日に当たる場所で利用した際にどれくらい熱くなるのかに注目し、サーモカメラを用いて検証しました。

実験は、2つの条件で行っています。
中でも動画撮影は、高画質の動画視聴と同様にスマホに高い負荷をかけるために選定しています。

【条件】
  1. 直射日光
  2. 直射日光、動画撮影

実験をすると、「②直射日光、動画撮影」の条件が温度の上がり方が早いことが分かります。動画視聴や屋外での動画撮影を行うことがあると思いますが、スマホが熱いと感じたら動作を止めて、スマホを静置させましょう。

①直射日光に比べ②直射日光、動画撮影の条件下では約14度上昇

今回の実験では、何℃まで上がるか経過を見ていましたが、スマホ内部で安全機能が働き、カメラ動作が停止しました。機種や利用状況によって警告メッセージの内容に違いがありますが、高い温度が続いた際には、内容を確認してスマホの利用を控えるようにしましょう。

お知らせ 本体の温度が上昇したため、カメラを終了しています。録画した動画は保存されます。温度が下がりましたら、再起動してください。

最高温度は、「①直射日光」の条件で46℃まで上がりました。充電や動画撮影などスマホを利用している際には、先に安全機能が働きますが、外気温で熱くなるとスマホ内部の温度センサーが検知するまで時間がかかるため、条件の中でも一番温度が高くなったと考えられます。

発熱した際に、発生する問い合わせとして“低温やけど”があります。低温やけどは何度くらいから発生するといわれているか分かりますか?実は、実験での最高温度46℃は、低温やけどになる恐れのある温度です。
一般的に低温やけどになる温度、接触時間は下記のように言われております。

低温やけどの温度(目安)
  • 44度:3~4時間
  • 46度:30分~1時間
  • 50度:2~3分

夏場は、軽装でお出かけすると思いますので、熱くなったスマホを長時間肌に触れることは避け、日に当たらない場所やカバンの中などに入れておきましょう。

おすすめの冷まし方とは?

スマホが熱くなった際に冷やせるグッズが多くあります。冷やし方によっては、スマホを壊してしまう場合がありますので、確認しておきましょう。

【実験②】スマホの早い冷まし方とは?

今回、身近なものを利用してスマホの冷まし方について検証しました。どういった冷やし方が一番早く温度が下がるか確認してみましょう。実験は、3つの条件で行っています。

【条件】
  1. 木製机で静置
  2. 鉄板で静置
  3. 木製机、扇風機を当てる

もっとも早く温度が下がったのは、「③木製机、扇風機を当てる」でした。扇風機のように直接冷風を当てることで他の条件より最初から温度が下がっており、効果が大きいことが分かります。
「②鉄板で静置」も金属の熱の伝わりやすさにより、やや効果が見られており、今回の鉄板温度が約20℃だったのでより冷たい状態であるほどスマホの温度が下がりやすくなると思います。

①木製机で静置に比べ③木製机で静置、扇風機を当てるの条件下では約8度低下

最近では、携帯用の扇風機もいろいろな種類のものが売られているので、もしスマホが発熱していると感じた際には、スマホに当てて、温度を下げてから利用するとよいでしょう。

やってはいけない冷まし方は?

水の中に入れる

スマホは、一定の防水性1を持っていますが、水の中に入れておくのはオススメしておりません。スマホの状態によっては、水の中に入れることでスマホ内部の部品を壊してしまったり、正常な動作が行われない場合がありますので、気を付けましょう。

  1. 取扱説明書の防水、防塵性能に詳細を記載しておりますので、ご確認ください。

保冷剤など冷たいもので冷やす

スマホは、熱い状態から急に冷やすとスマホ内部で結露が発生して正常な動作ができなくなる場合があるので、気を付けてください。もし、保冷剤を利用する場合は、常温のものを使用するようにしましょう。

まとめ

今回は、スマホの発熱に関する内容をご紹介しました。
今後、夏本番に向かって暑い日が続くと思いますので、今回の内容を参考にしてスマホも熱中症にならないように気を付けましょう。

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