誤ったリチウムイオン電池の取扱いはとても危険!
リチウムイオン電池による火災事故
リチウムイオン電池は、スマートフォンやモバイルバッテリーなどに欠かせないもので、特にモバイルバッテリーについては、災害時の備えとしても近年需要が増加しています。
ただし、リチウムイオン電池は利便性が高い反面、取扱いを誤ってしまうと、火災などの事故の原因にもなり得ます。
リチウムイオン電池の普及に伴い、リチウムイオン電池の出火による火災事故も年々増加しております。
令和5年の東京消防庁管内でのリチウムイオン電池関連火災件数は167件と過去最大となっており、内訳としてモバイルバッテリーが44件と最も多く、携帯電話(スマートフォン)と合わせると全体の4割超となっております。
リチウムイオン電池が発火する原因
リチウムイオン電池の内部は、+極と-極をセパレータ(絶縁膜)で隔離している構造となっています。外部からの強い圧迫や衝撃によってセパレータが破損すると、内部ショートが発生し、電池の発煙・発火に至る場合があります。
- 強い圧迫や衝撃を受けた後、時間が経ってから異常(発熱・液漏れ・発煙・発火など)が生じる場合もあります
【発火の危険性がある例】
お尻のポケットに入れて座り、破損して発火
踏みつけて「くの字」に破損して発火
落下や硬いものにぶつけた衝撃により破損して発火
リチウムイオン電池の事故事例と注意点
カバンのなかに入れていたモバイルバッテリーから出火
カバンのなかに入れて持ち歩く際、カバンの中身との接触による衝撃や圧迫などが発生すると、モバイルバッテリーやスマートフォンのリチウムイオン電池にストレスが加わり、出火などの危険があります。
注意
カバンなどのなかに入れて持ち運ぶ際には、ほかの中身との接触や衝撃、圧迫などが発生しないよう注意してください。
車内に置いていたスマートフォンから出火
車内のダッシュボード上や座席の上は、直射日光により高温となりやすいため、モバイルバッテリーやスマートフォンを置いておくとリチウムイオン電池の出火の原因となる可能性があります。
注意
車内の高温になる場所にモバイルバッテリーやスマートフォンを放置しないよう注意してください。
特に、夏場の炎天下での車内に放置しておくのは大変危険です。
格安で買ったモバイルバッテリーから出火
ネット通販などで格安で販売されているモバイルバッテリーのなかには、安全対策や品質管理が不十分であり、出火などのリスクが高い製品がある可能性があります。
注意
安全対策や品質管理が不十分なリチウムイオン電池を使用した製品のご使用は大変危険です。
購入前に、十分に安全対策がされている製品か、またメーカーからのリコール情報がないかなどお確かめください。
安全性の確認について
中古で買ったモバイルバッテリーから出火
オークションサイトやフリマアプリで購入した中古品は、万一、前使用者が落下などをさせてしまっていた場合、使用中の出火などのリスクが高くなっている可能性があります。
注意
外観に傷、変形、破損などがあるもの、また使用中に発熱、異音、異臭などの異常があるものについては、使用はおやめください。
スマートフォンを分解しようとして出火
利用者ご自身で内蔵電池の交換を行おうとしたり、廃棄などのため電池を取り外そうとすると、誤って内蔵電池を傷つけるなどによる出火などの危険があります。
注意
リチウムイオン電池内蔵製品の分解はしないでください。
- 分解してしまうと、防水機能の低下、故障などの原因となるほか、製品の保証を受けられなくなります
- リチウムイオン電池内蔵製品の廃棄についてはお住いの各自治体のご案内をご確認ください
安全性の確認について
安全性の確認方法
PSEマーク
モバイルバッテリーの場合、「PSEマーク」が表示されていることを必ず確認してください。
- 電気用品安全法により、PSEマークおよび届出事業者の名称などが表示された製品でなければ、国内での販売が禁止されています
MCPCマーク
「MCPCマーク」は、MCPC(モバイルコンピューティング推進コンソーシアム)が規定する安全性などの基準をクリアした製品に表示されております。安全性の高い製品を選ぶ際の参考にしてください。
通信回線事業者との合同の取組み
ドコモでは業界団体であるMCPC(モバイルコンピューティング推進コンソーシアム)を通じて、ほかの通信回線事業者とともに注意喚起活動を実施しています。
MCPCと各通信回線事業者での取組みについてご紹介します。
関連ページ
参考
- 消費者庁
リチウムイオン電池使用製品のトリセツ - 暖をとる製品にもリチウムイオン電池が使われています! -
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_080/