地域からのお知らせ(東海)

愛知県常滑市の公道で、自動運転の実証実験を実施 1人で3台のバスを遠隔監視
~ビッグデータを活用し、移動需要に応じて複数台のバスを同時に運行~
<2022年10月13日>

NTTコミュニケーションズ株式会社
株式会社NTTドコモ

NTTコミュニケーションズ株式会社ロゴ、株式会社NTTドコモロゴ

NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)と株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)は、愛知県常滑市中部国際空港・常滑市りんくう町・常滑駅周辺の公道において、自動運転サービスの実用化をめざし安全性や実用性を評価する実証実験(以下、本実証)を2022年10月28日(金曜)から行います。2つのルートで、自動運転バスを3台同時に運行し、1人の監視員が遠隔から監視します。日本初の取組みとなる磁気マーカを活用した自動車専用道路における自動運転を予定しています。また、機械学習(※1により、ビッグデータを分析・活用し、一部の自動運転バスを配車する時間帯や行き先などの移動需要に合わせた配車を行います。

本実証で活用する自動運転バス

小型バス(7人乗り)写真
小型バス(7人乗り)
小型EVバス(8人乗り)写真
小型EVバス(8人乗り)
大型バス(13人乗り)写真
大型バス(13人乗り)

背景

NTT Comとドコモは、自動運転のビジネスモデル構築をめざす「愛知県自動運転社会実装モデル構築事業」に参画しています。この事業の一環として、本実証を行います。

本実証の概要

実施日程

2022年10月28日(金曜)、10月31日(月曜)から11月6日(日曜)まで計8日間(※2

実証内容

2つのルートで、3台の自動運転バスを同時に運行します。1つ目のルートは、中部国際空港と常滑市りんくう地域を結ぶルートです。空港利用者の乗車を想定したもので、利用者が自家用車を常滑市りんくう地域に駐車して空港行きのバスに乗る「パークアンドライド(※3ルート」における将来的な運行を想定しています。2つ目のルートは、りんくう地域や常滑駅周辺を周遊できるルートです。観光客の乗車を想定したもので、りんくう地域や常滑駅周辺に点在する商業施設・集客スポットを周遊できる「市街地ルート」における将来的な運行を想定しています。

実証の特長

「磁気マーカシステム(GMPS)」(※4を活用し自動車専用道路を走行

愛知製鋼株式会社が提供する磁気マーカシステム「GMPS」を活用し、日本初の取組みとなる磁気マーカを活用した自動車専用道路における自動運転を行います。一般道および自動車専用道路(中部国際空港連絡道路)の一部に敷設した磁気マーカによる自己位置推定をGNSS(※5と併用することで、悪天候時における自動運転の安定性を評価します。また、GNSSを活用した自己位置推定が困難な自動車専用道路の料金所にも磁気マーカを敷設し、走行の安定性を高めます。

「磁気マーカシステム(GMPS)」を活用し自動車専用道路を走行イメージ
ビッグデータを活用し、移動需要に合わせて配車

機械学習により、携帯電話の位置情報から取得する(※6、場所・曜日・時間帯ごとの人の移動に関するビッグデータを分析・活用することで、移動需要予測を実施します。本実証ではパークアンドライドルートにおける実運用を想定し、混雑が予想される場合には定時運行便に加え、もう1台を配車することにより、利用者の利便性を高めます。

自動運転の社会実装に向けて利用者ニーズのあるルートの検証

パークアンドライドルートでは、将来的に中部国際空港島と常滑市りんくう地域を結ぶシャトルバスにより、空港利用者・観光客の周遊を促進することを想定して運行します。両地区を結ぶ自動車専用道路を含むルートにおける安全性確保の有効性検証と課題抽出を行います。
市街地ルートでは、将来的にイオンモール常滑をはじめとするりんくう地域、常滑駅周辺に点在する商業施設・集客スポットを周遊できるルートを想定して運行し、本ルートの需要とともに市街地走行における安全性確保の有効性検証と課題抽出を行います。

自動運転車両の複数同時監視と、5GやAI映像解析技術などを活用した危険箇所の検出

本実証では、パークアンドライドルートおよび市街地ルートにて計3台のバス車両を同時運行することに加え、走行ルート上や車両内に設置した複数のカメラ(路側/車載カメラ)を5Gなどに接続して映像伝送し、複数車両の運行状況を遠隔管制室にて一元的に監視します。
一元的な監視をより簡易にするために、路側カメラから取得した映像に対してAI映像解析などの技術を活用し、遠隔の監視員がより早く危険を検知できるようにします。
路側カメラは、専用の機材を用意することなく、スマートフォンにて高精細な映像を低遅延で伝送します。車載カメラは、遠隔監視の複数の画像を統合し、車両周囲の死角が少なくなるような映像を伝送します。これらの技術によって、さらなる自動運転車両の安全な運行と監視員の負荷軽減をめざします。

今後の展開

NTT Comとドコモは、本実証の結果を踏まえ、行政、交通事業者、自動運転技術提供者、利用者やサービス提供企業などの関係者とともに自動運転の社会実装を推進していきます。


  1. 機械学習とは、データ分析手法の1つです。コンピュータを用いることでデータを反復的に学習し、発見されたパターンに基づいて予測や分類などさまざまなタスクの実行を実現します。
  2. 天候などの条件により、内容が変更になる場合があります。
  3. 「パークアンドライド」とは、自宅から目的地まで自家用車で向かうのではなく、途中の駅や停留所に駐車し、そこから公共交通機関に乗り換えて目的地まで移動する方法です。
  4. 磁気マーカシステム「GMPS」とは、道路に敷設された磁気を発するマーカを、車両に取り付けられた高感度磁気センサーで読み取り、自動運転車両を運行する方式です。
    別ウインドウが開きますhttps://www.aichi-steel.co.jp/smart/mi/gmps/
  5. GNSS(Global Navigation Satellite System)とは、人工衛星から発射される信号を用いて自己位置などの測位を行う技術です。
  6. パーソナルデータの取扱いに関する同意事項「位置情報の利用」に同意いただいている方の位置情報を利用して実証実験を行います。

報道発表資料に記載された情報は、発表日現在のものです。仕様、サービス内容、お問い合わせ先などの内容は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

このページのトップへ