地域からのお知らせ(東海)
全国初 名古屋港鍋田ふ頭コンテナターミナルで5Gを活用した
遠隔操作RTGシステムの運用を開始
~良好な労働環境と世界最高水準の生産性を実現~
<2021年10月18日>
名古屋ユナイテッドコンテナターミナル株式会社
株式会社NTTドコモ
住友重機械搬送システム株式会社

名古屋ユナイテッドコンテナターミナル株式会社(所在地:愛知県名古屋市、代表取締役社長:川﨑 泰弘、以下、NUCT)、株式会社NTTドコモ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:井伊 基之、以下、ドコモ)、住友重機械搬送システム株式会社(所在地:東京都港区、代表取締役社長:続木 治彦、以下、SHI-MH)は協同で2021年10月18日(月曜)より、名古屋港鍋田ふ頭コンテナターミナルにて、大容量のデータを高速に通信できる5Gの特性を生かし、タイヤ式門型クレーン(Rubber Tired Gantry crane:以下RTG)遠隔操作・自働運転システムの段階的運用を開始し、来春の本格運用をめざします。
本取組みの本格運用時には、労働環境の改善、安全性向上、作業の平準化の効果により、世界最高水準の生産性確保が実現されると期待しています。
遠隔操作・自働RTGシステムは、管理棟内のターミナルオペレーションシステムからの荷役指示を受け、ターミナル内に点在する多数のRTGを使って、蔵置エリア内で自働的にコンテナの受け渡し荷役を行うシステムです(トラックへの積み下ろし作業時は遠隔操作に切り替わります)。
これまで地上約20メートルにある各RTGの運転室で行っていた操作を管理棟内にある遠隔操作室で行うことで、操作者は管理棟内に居たままで複数のRTGの動静を監視し、トラックへのコンテナの積み下ろし時の操作を行うことができます。
このシステムにおいては、RTG制御PCと管理棟内遠隔操作室との間で、制御指令信号、状態信号、音声信号そして高精細なカメラ映像など大容量のデータをリアルタイムに送受信することが不可欠となることから、大容量データの高速通信を可能にする5Gを活用します。
NUCTは遠隔操作RTGを実現するため、SHI₋MH、ドコモとともに本取組の検討を進めてきました。そのシステム構築に不可欠な大容量通信の技術においては、最適な通信環境の構築を提案するドコモの「ネットワークカスタマイゼーション™」を活用し、2021年6月、国内屈指の貨物取扱量を誇る「名古屋港鍋田ふ頭コンテナターミナル」敷地内に本取組みに最適化された5Gネットワークを構築しています。それぞれの検証を経て、いよいよ2021年10月18日から実際の5G通信を使い、センサ技術、画像処理技術、機械制御技術を使った遠隔操作ならびに自働で荷役運転を行うなどの運用検証をしてまいります。
なお、本取組みは、国土交通省が推進する世界最高水準の生産性と良好な労働環境を有するターミナルの実現に向けた取組みの一つで、日本を代表するものづくり産業の集積地である中部地域を支える名古屋港の鍋田ふ頭コンテナターミナルにおいて、遠隔操作RTGの導入により、ターミナルの国際競争力強化を図る目的からも、「名古屋港鍋田ふ頭コンテナターミナル遠隔操作RTG導入事業」として令和元年度に採択されています。
今後も3社は協力して課題に取組み、先駆者として名古屋港から最先端の技術や課題解決手法を発信してまいります。
システムイメージ・各社の役割
RTGと管理棟に設置した遠隔操作室の間にて高精細なカメラ映像等のさまざまな信号について高速大容量を特性とする5G通信を活用しリアルタイムに伝送をすることで遠隔操作・自働運転システムの運用を実現します。

名古屋ユナイテッドコンテナターミナル株式会社 |
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株式会社NTTドコモ |
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住友重機械搬送システム株式会社 |
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名古屋港鍋田ふ頭コンテナターミナル概要
第1バース(T1) | 第2バース(T2) | 第3バース(T3) | ||
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岸壁延長 | 350m | 350m | 285m | |
バース水深 | 14m | 14m | 12m | |
ターミナル面積 | 175,000m2 | 175,000m2 | 142,500m2 | |
ガントリークレーン | 3基 | 3基 | 2基 | |
遠隔操作対応RTG | 40基(2024年4月 全基稼働予定) | |||
トップリフト | 17台 | |||
ストラドルキャリア | 3台 | |||
構内専用シャーシ | 44台 | |||
ゲートレーン | 受付レーン | 24レーン | ||
搬出レーン | 12レーン |
【参考:名古屋港鍋田ふ頭コンテナターミナル 全景】 (写真提供 名古屋港管理組合)

各社のコメント
名古屋ユナイテッドコンテナターミナル株式会社
運用中のターミナル内における大きな工事を伴わず、影響を最小限に抑えつつRTG遠隔自働操作化への要求性能を満たした5Gネットワークを構築する事ができました。また、今後の事業拡大の折にも5G通信インフラを比較的容易に拡張することが可能であると考えます。なお、遠隔操作RTG導入で5Gネットワークを利用する事は、他港などへ導入の参考になるのではないかと考えています。
株式会社NTTドコモ
RTG遠隔自働操作を実現するために「ネットワークカスタマイゼーション」としてお客さま敷地内に本取組に最適化された5G基地局を構築し、コンテナターミナル全域の5Gエリア化を行いました。
5Gの特性である高速・大容量通信を活かし、RTGからのカメラ映像をリアルタイムで伝送し、管理棟から操作することで遠隔操作を実現しています。
また、基地局とお客さま管理棟間は帯域保証型ネットワークによりドコモ完全閉域網によるセキュアなネットワークを構築しています。
ドコモは本取組みを通じて、社会課題解決に向けた取組みを進めて参ります。
住友重機械搬送システム株式会社
当社は遠隔操作・自働運転RTGシステムの構築を担当しました。このシステムの概要は前述のとおりですが、今回プロジェクトの本格運用開始時には38基のRTGをコントロールすることになります。当社は同じく名古屋港の飛島コンテナ埠頭様と海外では香港に類似システムを納入し、いずれも現在安定的に稼働しています。今回は初めて5Gを利用し無線での遠隔操作・自働化に挑戦いたしました。今後も遠隔操作・自働RTGシステムの先駆者として、使用面のみならず工事の施工面においてもより効率的なシステムを開発すべく鋭意取組んで参ります。
報道発表資料に記載された情報は、発表日現在のものです。仕様、サービス内容、お問い合わせ先などの内容は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。