地域からのお知らせ(東北)
5G通信を活用した畜産動物の遠隔診療サポートに成功
~遠隔地からの獣医療現場支援を見据えた高速・大容量、低遅延な映像伝送を実施~
2019年12月24日
本実証実験は、2018年7月に締結した『国立大学法人岩手大学と株式会社NTTドコモとの連携と協力に関する協定』に基づいた取組になります。
国立大学法人 岩手大学、株式会社NTTドコモは、2019年12月11日(水曜)に、富士フイルム株式会社及びカールストルツ・エンドスコピー・ジャパン株式会社の協力のもと、第5世代移動通信方式を活用した遠隔診療サポートの実証実験に成功いたしました。
畜産現場における獣医療では、獣医師が各牛舎などに赴き、その場で動物の治療や病気の予防の仕事を行っております。
現在獣医師が不足しており、経験の浅い若手獣医師も最前線の現場で診療に当たらなければならないという実情があります。現場においては、学校で学ぶ機会の少ない症状を示す動物を診療することも多く、また獣医師の数自体も不足しているために、現場の獣医師へ大きな負荷が掛かっています。このため、実施できる診断や治療に限界があるといった課題があります。
本実証実験では、遠隔診療において、ドコモが提供する「高速・大容量」「低遅延」「多数接続」の特徴を持つ5Gプレサービス※1と、富士フイルムが提供する超音波診断装置「M-Turbo V」、カールストルツの内視鏡装置「TELE PACK VET X LED」を活用し、診療現場の各医療機器の映像を、遠隔診療サポート現場で受信しました。
高精細な映像をより低遅延で受信することで、遠隔地にいる獣医師サポートの基、現地の獣医師が問題なく診療できることが確認できました。
本実証実験の成果を応用することにより、既存の畜産動物の診療における課題を解消するだけでなく、将来的に遠隔診療の幅を広げる事で、獣医師不足解消の一助になると考えられます。
今後も岩手大学とドコモは、5Gの様々な利用シーン創出や社会課題の解決につながるソリューションの実現をめざしてまいります。
- 次世代移動通信システム「5G」として割り当てられた周波数帯および商用装置を用いた環境(商用サービス時と同等となる環境)
概要
1.実施内容
診療現場牛舎(岩手県葛巻町)にて、超音波診断装置「M-Turbo V」・内視鏡装置「TELE PACK VET X LED」を用いて患畜の様態を撮影・伝送。遠隔サポート現場(ドコモ東北ビル)にて、伝送された映像を5Gで受信しました。遠隔サポート現場では、受信した映像をモニタリングし、現地の獣医師へ遠隔サポートを行い、検診・手術に成功しました。
2.日程、場所
日程①:2019年11月29日(金曜) ※胎牛の発育状況検診
日程②:2019年12月11日(水曜) ※患畜の内臓疾患に関する手術
実施場所:<遠隔サポート現場>ドコモ東北ビル
<診療現場>岩手県葛巻町牛舎
3.実証実験イメージ

4.各社の役割
企業名 | 役割 |
---|---|
岩手大学 |
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富士フイルム |
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カールストルツ |
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ドコモ |
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5.実証実験模様
(1)超音波診断装置を用いた遠隔診療実証実験
<遠隔サポート現場>ドコモ東北ビル

<診療現場>岩手県葛巻町生産現場


(2)内視鏡装置を用いた遠隔診療実証実験
<遠隔サポート現場>ドコモ東北ビル



<診療現場>岩手県葛巻町生産現場

