地域からのお知らせ(四国)

「男木島スマート交流プロジェクト」実証調査が完了
ICTを通じた離島課題の解決!学習機会の創出と、地域の見守り環境づくりを支援

2022年3月31日
高松市
有限会社ケノヒ
株式会社Geolonia
株式会社NTTドコモ 四国支社

 高松市と有限会社ケノヒ、株式会社Geolonia、株式会社NTTドコモ四国支社は、「令和3年度 スマートアイランド推進実証調査業務」の一つである「男木島スマート交流プロジェクト」において、「離島教育」と「高齢者の見守り等における地域の担い手不足」をテーマに2021年9月より実証調査を開始し、2022年3月11日に調査完了いたしました。なお、「令和3年度 スマートアイランド推進実証調査業務」は、スマートシティたかまつ推進協議会が有限会社ケノヒを代表団体として採択を受け実施したものです。

実証調査の詳細

  • 1.学習機会の確保へ向けた支援について
     離島である男木島の小・中学校教育現場では、知的交流を行うためには船による移動が必要となり、発着時間や天候などにより学習機会が制限・左右されるなど、街の学校には無い課題を抱えています。そこで、ソニーのオントロジカルデバイス「窓」※1をドコモのモバイルネットワークで接続し、離島にいながら知的交流ができる環境を作ることで、外部環境に左右されない学習機会の確保をめざし、下記3つの交流調査を実施しました。
    (1)男木島のコワーキングスペース「鍬と本」と香川大学生との交流
    (2)男木小中学校と香川大学教育学部付属高松小学校との交流
    (3)男木島交流館と、新屋島水族館との交流・課外学習
    香川大学生との交流模様
    香川大学生との交流模様
    小学校との交流模様
    小学校との交流模様
    新屋島水族館との交流模様
    新屋島水族館との交流模様

     調査では、高品質の等身大映像と奥行きのある音声が特徴の「窓」を活用したことで、1対1ではなく複数人同士の会話が自然と生まれ、児童が交流を深める中で新たに学びを得ることができたと考えます。
     実際に参加した児童からは「船に乗らなくても、友だちができて嬉しかった」「友だちが近くに本当にいるみたい」などの感想が得られ、ICT機器を活用することが、知的交流や学習機会の確保に有効であると実証できました。
  • 2.高齢者見守りシステム
     男木島は人口の約6割を高齢者が占めることから、地域の担い手不足により、高齢者見守り等の負担が特定の人へ重なるといった課題があります。そこで、LoRaネットワーク※2とIoTセンサーを活用し、高齢者の位置情報などを取得することで、島外の家族が見守れるシステムを導入し、課題解決に貢献できるか実証調査を行いました。また、センサーの設置に際しては、香川大学医学部看護学科の学生と一緒に、島民と交流を深めながら、高齢者のニーズ調査も行いました。
    学生と一緒にニーズ調査をしている模様
    学生と一緒にニーズ調査を
    している模様
    センサー設置の様子
    センサー設置の様子

     実験に参加した高齢者からは「地元事業者から見守られて安心」などの好意的なアンケート結果や、センサーを設置していない高齢者からも設置を望む声が多く寄せられました。また、センサーを通じて高齢者の位置情報や行動量が数値化・可視化されたことで、行政の専門機関からも「福祉や介護のサービスの計画を立てる際に役立つ」との意見をいただき、ICT機器を活用することが、離島課題である高齢者見守り機能の低下に有効であることが実証できました。

 今後は、実証実験の結果を踏まえ、2022年度から「スマートシティたかまつ推進協議会」内に、男木島ワーキンググループを設置し、男木島での「大学生との交流を通じた学びの継続」「島全体へ見守り機能の範囲拡大」など社会実装に向けた取り組みを開始します。

■スマートアイランド推進実証調査に関する情報については、以下の国土交通省ホームページをご覧ください。
別ウインドウが開きますhttps://www.mlit.go.jp/smartisland/index.html(スマートアイランド推進実証調査特設HP)

  1. あたかも同じ空間にいるような自然な遠隔コミュニケーションができるソニーのテレプレゼンスシステム
  2. IoTのためのLPWA(低電力広エリア)通信規格のネットワーク
このページのトップへ