地域からのお知らせ(九州・沖縄)

沖縄県 座間味村における水中ドローンを活用した実証実験を開始
~環境保全・観光促進の取り組みを実施~

2022年3月11日
座間味村
一般社団法人座間味村観光協会
沖縄科学技術大学院大学
株式会社NTTドコモ九州支社

 沖縄県 座間味村(村長:宮里 哲、以下、座間味村)、一般社団法人座間味村観光協会(会長:阿武 靖士、以下、観光協会)、沖縄科学技術大学院大学(学長:ピーター・グルース、以下、OIST)、株式会社NTTドコモ 九州支社(執行役員九州支社長:齋藤 武、以下、ドコモ)は、慶良間諸島国立公園における環境保全・観光促進に向けた取り組みの一環として、水中ドローンを活用した「サンゴの生態調査」や「サンゴやウミガメの水中映像撮影」などに関する実証実験を開始しました。

 本実証実験を契機に、ICTを活用した環境保全・観光促進において、産・学・官での連携を推進し、慶良間諸島における地域活性化や人と自然が共生するウェルビーイングな社会の実現に向けて取り組んでまいります。

1.実証実験概要

(1)環境保全の取り組み

 サンゴの生態調査においてはダイバーによる潜水調査が主流となっており、海底を直進しながら周囲の目視確認および動画撮影のために多大な労力と時間を要します。また水深30mより深いポイントの調査は困難を極め、ダイバーの心身にも強い負荷がかかる作業となります。そこで、水中ドローンを活用することで調査の効率化やダイバーの安全性確保のほか、ダイバーによる潜水調査が難しいさらに深いポイントにおける調査、情報収集が可能となります。

 そのほか、調査・撮影場所の位置を記録することにより、サンゴの生態を把握した場所を特定することができ、経年比較や調査場所の共有なども簡易に実現可能です。

 今後、OIST(マリンゲノミックスユニット)や環境省 慶良間自然保護官事務所の協力のもと、環境DNA(※)によりサンゴの解析を行う等、環境保全や生態調査への技術活用につなげてまいります。

【主な実証実験内容】
・海底のサンゴの生態調査撮影(4K映像)
・海水の採取および環境DNA(※)分析【沖縄科学技術大学院大学連携】
・調査・撮影場所の位置情報保存(音波を利用した水中位置測位)

  • 環境DNA
    環境中に放出された生物由来の総称。
    環境に生息する生物を網羅的に特定できる保全生物学・生態学等の分野の研究に利用されている。

【実証実験イメージ】


(2)観光促進に向けた資源活用

 慶良間諸島国立公園は、美しいサンゴ礁が広がる「世界が恋する海」として世界に知られています。
この自然あふれる海が育んだ海洋資源(サンゴやウミガメなど)を水中ドローンに搭載したカメラで撮影を行います。

 撮影した映像は、SNSやインターネットで映像を配信することにくわえ、観光客の旅行前(タビマエ)の情報収集や来訪意欲喚起、現地にてダイビング等の体験ができない方や遠隔地の方でも臨場感のあるコンテンツを楽しむ等、コロナ禍における新たなスタイルの観光体験の検討につなげていきます。

【主な実証実験内容】
・サンゴやウミガメなど海洋資源の撮影(4K映像)
・サンゴやウミガメなどの撮影(360度映像)
・深い海における撮影(深さ50m程度)


【実証実験イメージ】


2.各者の役割

座間味村 ・実証実験内容の計画支援
・環境保全・観光促進に関する施策立案における実証データの活用検討
観光協会 ・サンゴの生態調査活用検討
・座間味村内事業者との連携
・観光客へのプロモーション等の施策展開検討
OIST ・環境保全に向けた環境DNA活用検討
・環境DNA分析によるサンゴの種類識別実証データの有用性検証
ドコモ ・実証実験内容の計画策定・実行管理
・水中ドローン等の実証機材提供
・各種データの収集・提供

【本実証実験の協力事業者等】
環境省 慶良間自然保護官事務所
座間味村漁業協同組合
一般社団法人座間味ダイビング協会
オセアナ株式会社
株式会社ケラマブルー

3.実施開始時期

2022年3月11日(金)~

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