地域からのお知らせ(関西)

認知症老人徘徊感知機器の新製品「みまもりCUBE」の提供を開始
〜さまざまな機能を一体化したことで、設置にかかる手間やコストを大幅に削減〜

2016年10月11日

株式会社ラムロック
株式会社NTTドコモ 関西支社

株式会社ラムロック(本社:福岡県飯塚市、代表取締役:赤間俊和、以下、ラムロック)は、認知症老人徘徊感知機器「ラムロックアイズ」の後継機種で、ラムロックのオリジナル技術である画像認識技術と、株式会社NTTドコモ(本社:東京都、代表取締役社長:吉澤和弘、以下、ドコモ)が提供するモバイル通信ネットワークを活用した、在宅介護向けの新製品「みまもりCUBE」の提供を開始します。

「みまもりCUBE」は、認知症老人徘徊感知機器「ラムロックアイズ」の後継機種で、カメラやパソコン、スピーカー、ネットワーク機器などのさまざまな機能を一体化した製品です。従来の機器に比べ、それぞれの機器を接続、設置する手間や、それに伴うコストを大幅に削減することが可能になります。
これにより、一般家庭での導入も簡易になり、在宅介護分野に「みまもりCUBE」を使用することで、今まで発見が困難だった「徘徊」「転倒」などを早期に検知し、遠方にいてもいち早く通報することが可能になります。

「みまもりCUBE」は、2017年2月より提供を開始する予定です。2017年度までに5,000台、2020年度には在宅介護の見守り分野で50,000台の稼働台数を目指します。

ラムロックは、IoTの技術を在宅介護分野に応用することで、社会問題である介護負担の軽減を目指し、介護サービスの質の向上に貢献します。
ドコモは、パートナーとともに新たな価値を協創する「+d」の取り組みを推進しており、安心・安全なモバイル通信ネットワークの提供を通じ、IoTを活用した効率的な介護サービスの実現に貢献します。

「みまもりCUBE」の開発の背景

介護分野に必要な画像認識技術を搭載した認知症老人徘徊感知機器「ラムロックアイズ」を2012年4月から提供を開始しましたが、市販のカメラやパソコン、スピーカー、ネットワーク機器などを組み合わせて使用していました。そのため、在宅向けに提供するには高価だという点、防犯カメラのようなものが設置されているのを気にされるお客様が多くいました。
また、設置する機材も数多く、インターネット回線の開通などを含めると一般の方では設置作業が難しく、代理店やメーカーが取付作業を行う必要があったため、お客様にご負担いただく費用が多くなっていました。これらの問題点を解決するため、簡単に設置でき、安価で、さらにはカメラに監視されているという意識になりにくいデザインを目指し、この度「みまもりCUBE」を開発いたしました。
これにより、一番の課題であった設置作業とインターネット回線の開通作業は、さまざまな機器を一体化・小型化したこと、ドコモのモバイル通信ネットワークを利用できるモジュールを内蔵したことにより、ご家庭に「みまもりCUBE」を設置するだけで、簡単にご利用いただくことが可能になります。
また、お客様に負担いただく費用は従来の半分程度となり、さらにはレンズの突起部分を内部に収め、スモークカバーを上から張ったことで、カメラが内蔵されているとは認識されにくいデザインにしました。

「みまもりCUBE」システム全体像とデザイン

今後の展開

「みまもりCUBE」は、2016年10月12〜14日に東京ビッグサイトで行われる国際福祉機器展で展示し、実際の機器をご体験いただけます。
2017年2月より提供開始の予定で、在宅介護のみまもり分野で2017年度までに5,000台、2020年度には5万台の稼働台数を目指します。

  • 通称「HCR」。「みまもりCUBE」は、福岡県ロボット・システム産業振興会議ブース内の「株式会社ラムロック」のコーナーで展示。

「みまもりCUBE」仕様一覧

「みまもりCUBE」仕様一覧
外形寸法 90(W)×100(D)×90(H)mm
質量 本体310g以下(予定、ただし、付属品は除く)
スピーカー 内蔵スピーカー(出力2W)
マイク 内蔵マイク×1(集音距離4m)
有線LAN 10/100BASE-T
無線LAN IEEE802.11/b/g/n
モバイル ドコモLTE
動作温度 0〜40℃
電源 AC100V 50/60Hz ACアダプタ

本システム開発の背景

今から15年ほど前、画像圧縮技術の研究を行っていた弊社に、ある会社から以下のような要望が寄せられました。
「防犯の世界では一般的にセンサーが使われているけれど、鳥や猫などにも反応するので誤報が多く、屋外で使いづらい。そこで、カメラを使った画像認識技術でなんとかできないか?」
この相談がきっかけで、画像認識技術の研究を続け、防犯向けに製品化したものが「ドーベルマン」です。
当時、世の中に似たようなシステムが数多くありましたが、感度調整などの問題で誤報が非常に多いという課題がありました。「ドーベルマン」は他社製品より優れた性能を有しており、徐々にテレビや新聞で取り上げられ、全国で約200セットの販売を達成しました。
介護分野への参入の経緯は、当時、近隣の市で独居高齢者の孤独死が頻発していることを知り、「弊社の画像認識技術を使って社会の役に立てるものを作りたい」という想いから始まり、そこから介護の分野に特化していく転機となりました。
平成27年版高齢社会白書によれば、日本の人口構成比率は、65歳以上の高齢者が1970年に14人に1人だったのが、2015年では3.7人に1人、そのうち独居老人が600万世帯に達しており独居老人の孤独死は2.6万人(セルフ・ネグレクトと孤立死に関する実態把握と地域支援のあり方に関する調査研究報告書)に達しています。
また、認知症の方の徘徊による行方不明者が平成27年度全国で1.2万人に達したと警察庁が発表しています。私たちが住んでいる福岡県でも年間約800件の捜索願い(通報)が出され、その内46件が行方不明・20件がお亡くなりになられている現状があります。
そこで、「徘徊による行方不明者を出さない」「高齢者の孤独死を無くしたい」という想いのもと、「防犯分野から高齢者の見守りや介護の分野に特化して行こう」と決断し、介護に必要な技術の開発に注力しました。
その取組みがメディアにも数多く取り上げられ、介護現場から多くの要望が寄せられました。
その要望を1つ1つ解決していった結果、「徘徊」や「転倒」、ベッドからの「起床」、「離床」、トイレ内での「気絶」、「危険箇所」への接近、など、介護の現場で起こり得る様々な異常事態を検知できる独自の画像認識技術を開発しました。特別なセンサーを付ける必要も無く、また、ただカメラで映像を見守るだけでなく、人の異常事態を検知する画像認識装置が内蔵された認知症老人徘徊感知機器「ラムロックアイズ」を製品化しました。

関連リンク

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