第4世代移動通信システムの実現に向けた無線アクセス実験装置による1Gbit/sリアルタイムパケット信号伝送実験に成功<2004年12月17日>NTTドコモ(以下ドコモ)は、2004年8月20日に第4世代移動通信システムに向けた無線アクセス実験装置を用いた室内実験により、移動フェージング環境1における下り最大1Gbit/sのリアルタイム信号伝送実験に成功し、現在は、今後の屋外実験実施を視野に入れた様々な電波環境を模擬した室内実験を行っている段階です。 今回の信号伝送実験では、無線アクセス方式として「VSF-Spread OFDM2」および「MIMO多重3」技術を使い、ドコモが独自に開発した信号分離技術を適用することにより、電波の受信強度が低い無線環境においても、100MHzの周波数帯域幅で短い処理時間による1Gbit/sのリアルタイム信号伝送を実現しました(周波数利用効率410ビット/秒/Hz)。 第4世代移動通信システムについては、国際電気通信連合無線通信部門(ITU-R)にて周波数に関する議論が進められており、国内でも総務省情報通信審議会答申において、2005年中までの要素技術の確立および2010年の実用化を目指した取り組みが期待されているところです。 ドコモでは、これらの動向を踏まえた研究開発を進めており、これまでに高速移動時において同じ周波数帯域幅を用いて100Mbit/sの信号伝送を屋外実験により確認しております。今回の1Gbit/sの信号伝送実験は、低速移動時を想定した超高速信号伝送実験です。この室内実験での伝送実験成功を受け、今後は屋外における実験の実施も視野に入れた第4世代移動通信システムの無線アクセス方式の研究開発を引き続き推進し、国際標準化にも貢献していく考えです。
本実験装置では、VSF-Spread OFDM無線アクセス方式を用いて、100MHzの周波数帯域幅で近距離、低速移動時における下り最大1Gbit/sのリアルタイム信号伝送を実現しました(周波数利用効率10ビット/秒/Hz)。以前に高速移動時において同じ周波数帯域幅を用いて100Mbit/sの信号伝送を実現しています。 本実験装置では、4つの送信アンテナと4つの受信アンテナ、デジタル変調方式に16QAMデータ変調5、符号化率8/9のターボ符号化6を用いて信号伝送しています。 受信側での信号分離法には、最尤(さいゆう)判定法7を用いており、これに新規に開発したドコモ独自の信号分離法を適用し、従来の課題であった大規模な処理量を大幅に削減しました。(ほぼ同一の受信品質を実現した上で、従来と比較して処理量を約1/1,900に低減)。 また本信号分離法は、従来の処理量の小さい信号分離法と比較して1Gbit/s信号伝送を実現するために必要な受信電波強度を、1/10程度に低減することができます。
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