第4世代移動通信システムの実現に向けた無線アクセスの屋外実験を開始
<2003年5月28日>
NTTドコモは、本日、関東総合通信局より、神奈川県横須賀市において第4世代移動通信システムの伝送実験用無線局の予備免許を取得しました。本実験局を用い同地区で第4世代移動通信システムの実験を開始いたします。
NTTドコモでは、本格的ブロードバンドマルチメディア移動通信を目指し、第4世代移動通信システムの実現に向けた研究開発に取り組んで参りました。昨年、室内信号伝送試験において、下りリンク100Mbps、上りリンク20Mbpsの信号伝送に成功しており、本実験では、屋外実伝搬環境における実験を通して第4世代移動通信システムの要素技術の確立を行っていく予定です。
第4世代移動通信システムについては、国際電気通信連合無線通信部門(ITU-R)においても検討が進んでおり、NTTドコモでは、今回の実験局を用いた屋外実験を通じ、国際標準化にも積極的に協力していく予定です。
1. 今回の実験で検証する無線アクセス方式の特長
今回の実験では、下りリンク100Mbps、上りリンク20Mbpsを実現する無線アクセス方式として、下りリンクでは、移動通信セルラ環境から屋内環境まで、それぞれの環境に応じて最大のスループットを実現するVSF-OFCDM方式 1を、また、上りリンクでは高効率の高速パケット通信を実現するVSF-CDMA方式 2を用いて検証を行います。
 1 |
可変拡散率直交周波数・符号分割多重 Variable Spreading Factor Orthogonal Frequency and Code Division Multiplexingの略。 |
2 |
可変拡散率符号分割多元接続 Variable Spreading Factor Code Division Multiple Accessの略。 |
2. 今回の実験で検証する要素技術
無線アクセス方式の基本的伝送特性の検証に加え、以下の要素技術の検証を屋外実験により行います。
- 基地局で各通信相手へ送信するパケットの順序を効率よく制御する技術
- 電波状況に応じて変調方式・誤り訂正符号化率を制御する技術
- 送信回数を通信信号に応じて適応的に制御する技術
- 電波の到来方向の推定結果に基づき指向性ビームにより送受信を行う技術
3. スケジュール
●参考)伝送実験用無線局

基地局装置 |

移動局装置 (車載状態) |
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