報道発表資料

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モバイルコアネットワークの完全仮想化を完了
-さらなるネットワーク信頼性の向上を実現-
<2026年4月2日>

株式会社NTTドコモ

株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)は、9,000万を超えるお客さまにご利用いただく、モバイル音声サービスおよびモバイルデータ通信サービスの提供基盤であるモバイルコアネットワーク(以下、コアネットワーク)について、2026年3月末までに実施したネットワーク設備の切り替えおよび第3世代移動通信方式(3G)のサービス終了に伴い、完全仮想化を完了1いたしました。
これにより、ドコモのコアネットワークは、従来の専用ハードウェアに依存した構成から、汎用的なサーバ上でソフトウェアとして機能を実装する構成へと移行し、より柔軟で安定性が高く、かつ省コストの通信基盤へと進化します。

<概要図>
概要図 概要図
■背景

従来のコアネットワークは、機能ごとに専用ハードウェアを用いて構築されており、設備増設や構成変更に時間を要することや、装置故障時には現地での迅速な保守作業が必要となることが課題となっていました。
ドコモはこれらの課題を解決するため、2005年よりネットワーク仮想化に関する基礎研究に着手し、2014年からETSI2や3GPP3の標準化団体にて国際標準化を推進し、2014年には実証実験に成功4しました。その後、2016年3月には複数ベンダーのEPC5ソフトウェアを統合仮想化基盤上で動作させる商用運用を世界に先駆けて開始6するなど、特定のハードウェアに依存しないネットワーク構築を通信業界全体の技術進展や標準化動向と歩調を合わせながら、段階的に進めてきました。
その後も、既存設備の更改タイミングに合わせた移行を継続的に進め、この度コアネットワーク全体の完全仮想化を実現しました。

■完全仮想化の概要

仮想化とは、コアネットワークを構成する各種機能を、専用装置ではなく汎用的なサーバ上に仮想化レイヤ(ハイパーバイザやコンテナ仮想化)を導入し、ソフトウェアとして動作させることです。完全仮想化とは、ネットワークを構成する全ての装置を仮想化することで、ネットワーク全体を柔軟に制御・運用可能とする仕組みです。これにより、設備構成の変更や機能配置の最適化をソフトウェア制御で行うことが可能となります。

効果

ドコモのコアネットワークを完全仮想化することで、物理的な制約を受けにくい柔軟性の高い構成へと進化します。

  1. 通信の信頼性向上
    設備障害が発生した場合でも、ネットワークを構成するソフトウェアやハードウェアの異常を自動的に検知し、別の健全な仮想リソース上で機能を再起動・再構成するオートヒーリング7がコアネットワーク全域で即時に実行されます。これにより、片系運用となる期間が短縮され、安定した通信サービスの提供に寄与します。
  2. 設備容量拡大の迅速性向上
    汎用的なハードウェアを複数のシステムで共有し、統合基盤のリソースプールから空いているリソースを機動的に活用することが可能となります。これにより、新サービス開始時やトラフィック増加時に必要となる設備容量の確保に要する期間を短縮できます。また、自然災害などの発生に対して、ネットワーク設備の容量を自動的に拡張し、つながりやすさの向上を実現するオートスケーリング機能も可能になります。
  3. 運用効率と環境負荷の改善
    汎用サーバの集約利用や最新のハードウェアを利用することで、設備設置スペースの削減や消費電力の削減が可能となり、運用効率の向上と環境負荷低減の両立に寄与します。
■パートナーとの連携

本完全仮想化の実現にあたっては、ETSI NFVや3GPPにおける国際標準化活動の推進や、仮想化技術の適用範囲拡大を、シスコシステムズ合同会社、デル・テクノロジーズ株式会社、日本電気株式会社、エリクソン・ジャパン株式会社をはじめとするパートナー各社との協力により進めてきました。

■今後の展開

ドコモは今後も設備構築の自動化や運用の省力化、設備コストの低減に最新のクラウド技術を活用するとともに、オンプレミスに加えてパブリッククラウドも活用したハイブリッド構成のコアネットワーク構築8を推進します。
これにより、よりモバイル通信サービスの基盤であるネットワークの更なる高度化・最適化を進め、お客さまによりあんしんして便利にご利用いただける通信環境を提供し続けてまいります。

  1. 本文における「完全仮想化」とは、5GCやEPC、IMSなどのモバイルコア機能を、汎用サーバ上でソフトウェアとして動作させる形へ移行したことを指します。なお、ルータやスイッチなどのネットワーク機器や、当社基準により今後も仮想化を予定していない一部機能は含まれていません。
  2. ETSI(European Telecommunications Standards Institute)は、欧州を拠点とする電気通信分野の国際的な標準化機関です。欧州域内外の通信事業者や機器ベンダーが参加し、ネットワーク機能仮想化(NFV)をはじめとする通信ネットワーク関連技術の標準化を進めています。
  3. 3GPP(Third Generation Partnership Project)とは、携帯電話をはじめとする移動通信システムの国際標準仕様を策定する標準化プロジェクトです。第3世代(3G)から第4世代(4G/LTE)、第5世代(5G)に至るまで、無線アクセス方式やコアネットワーク、サービス仕様などを対象に、世界各国・各地域の標準化団体や通信事業者、機器ベンダーが参加して仕様策定を行っています。日本の標準化団体や通信事業者も3GPPの活動に参画しています。
  4. EPC(Evolved Packet Core)とは、LTEをはじめとした多様な無線アクセスを収容し、お客さまの認証や移動しながらもデータ通信を継続するための移動制御、課金機能などを提供し、インターネットなどの外部ネットワークと接続する通信設備です。
  5. オートヒーリングとは、ネットワークを構成するソフトウェアの異常やハードウェアの故障をシステムが自動的に検知し、人手を介さずに、別の健全な仮想リソース上で機能を即座に再起動・再構成する技術です。

別紙 各パートナー企業からのコメント

シスコシステムズ合同会社 専務執行役員 情報通信事業統括 木田 等理様
モバイルコアネットワークの完全仮想化の達成を心よりお祝い申し上げます。NTTドコモの大規模かつミッションクリティカルな環境において、大量のネットワーク機器に対する複雑なネットワーク構成定義の設定を自動化し、高い拡張性とパフォーマンスを発揮できるネットワーク基盤の構築に貢献できたことを、大変光栄に思います。
長年のパートナーとして、これからもドコモの今後の取り組みに対して共に歩み、全力で支援してまいります。

Dell Technologies Inc. Vice President アンドリュー・ヴァズ(Andrew Vaz)様
NTTドコモがコアネットワークの完全仮想化を完了したことは、業界にとっての画期的な出来事です。「Dell PowerEdge」サーバは、この成果を支える基盤として、NTTドコモの仮想化インフラを支えています。この協力関係は、より柔軟で効率的かつ回復力のあるネットワークを構築するという共通の目標を反映しています。

日本電気株式会社 コアネットワーク統括部長 西郡 豊様
今回のNTTドコモによるモバイルコアネットワークの完全仮想化完了は、日本のモバイル通信インフラの高度化と将来に向けた発展を示す、極めて意義深い取り組みであると受け止めています。
NECは、IMSやEPC、5GCをはじめとするモバイルコアネットワークの仮想化に加え、それらの構築、配置、拡張、障害時の復旧といった一連の運用を自動的に制御・管理する仕組みを導入することで、仮想化ネットワークの実現をエンドツーエンドで支援してまいりました。
両社の長年にわたる協業を通じて、信頼性と柔軟性を両立した仮想化ネットワーク基盤が構築され、今回の完全仮想化完了につながったものと考えています。こうした基盤の整備により、今後のAIを活用した運用の高度化やネットワークの進化に向けた取り組みを進めやすい環境が整ったものと受け止めています。
NECは今後も、モバイル通信インフラ全体の進化と高度化に向けて、NTTドコモとともに取り組んでまいります。


報道発表資料に記載された情報は、発表日現在のものです。仕様、サービス内容、お問い合わせ先などの内容は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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