報道発表資料
自治体向けに提供する住民の健康増進サービス「健康マイレージ」に健康支援機能や見守り機能を追加
-スマートフォンを活用した住民の健康増進サービスや高齢者見守りなど、自治体の取り組みを推進-
<2022年9月26日>
株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)は、自治体向けに提供する、健康増進サービス「健康マイレージ」(以下、本サービス)において、フレイル推定AI※1機能や見守り機能などの新機能(以下、本提供機能)を追加し、本日からサービス開始いたします。※2
また、ヘルスケアに関連した様々なAIを集約・搭載し、健康状態や生活習慣などの推定サービスを事業者向けに展開する「ヘルステック(HealthTech)基盤」についても併せて提供開始いたします。
本サービスは、2018年2月6日(火曜)に、自治体向けに提供を開始した健康増進サービスです。歩数計やスマートフォンでカウントした歩数に応じてポイントがたまり、たまったポイントを自治体ごとの景品に交換可能なサービスです。自治体は参加者の歩数などのバイタル情報の閲覧や情報の分析などが可能となり、商店街で使える商品券などのインセンティブ設定や店舗との連携促進などにより、地域の活性化を推進することが可能です。既に、100以上の自治体で導入され、住民の健康促進に役立てられています。
長引く新型コロナウイルスの感染の影響に伴い、高齢者が外出を控える暮らしが続き、身体や認知の機能が低下するフレイルリスクをはじめとする、さまざまな健康・介護リスクを抱える高齢者が増えてきております。一方で、自治体からは通常時の高齢者の見守りに加え、昨今の自然災害の多発により、高齢者の逃げ遅れリスクも高まっており、「避難情報が出た際に効率的に避難状況を確認したい」といった声を多くいただいていました。
この度、そのような自治体の声にお応えする新機能を提供いたします。ドコモのAI技術を集約したヘルステック基盤を活用し、利用者が通常の生活を送っているだけで、健康管理や見守りができる環境を実現いたします。
■追加機能
- フレイル推定AI機能
ヘルステック基盤上の要介護状態に至るリスク度合いを推定するAI(フレイル推定AI)により、スマートフォンに蓄積された生活習慣情報や、位置情報などから自動的にフレイルリスクを推定しサービス利用者へ通知します。 - 見守り機能
スマートフォンの位置情報から、通常時の見守りや災害の際の逃げ遅れを検知します。
自治体による高齢者の見守り負担軽減や遠方のご家族へ通知することが可能です。 - サービス連携(オンライン診療、遠隔食事指導)
- オンライン診療アプリ「CLINICS」との連携により、健康マイレージアプリからオンライン診療や服薬指導など一気通貫で利用が可能になります。
- 保健指導サービス「Mealthy」との連携により、管理栄養士による遠隔食事指導が受けられます。
なお、今回新たに提供する機能については、昨年度より、複数の実証案件で効果検証を積み重ねてまいりました。実証事例は下記のとおりです。
■実証事例
- 「フレイル推定AI」「見守り機能」「遠隔食事指導」を活用した事例
個人の健康リスクや災害のリスクを遠く離れたご家族や民生委員と共有し、個人の健康や安全を社会で作っていくサービスを実施しました。65歳以上の方を対象に参加いただき、70%以上の高いリスク推定精度、および実施後のアンケートでも非常に高い満足度を確認できました。
(参考)
「ミライの健康」と「イマの見守り」を提供する実証実験(2021年8月~2022年3月実施) - 「フレイル推定AI」を活用した事例
50歳~74歳の都内在住もしくは都内通勤者340人を対象に、個人のフレイルリスクやリスクに応じた健康行動をナッジを活用したメッセージで推奨したところ、フレイル予備軍の約50%に行動変容が確認でき、フレイルリスク値10%の低減を認めました。
(参考)
東京都のウェルネス事業における事業化促進プロジェクト(2021年8月~2022年3月実施)
また、既に複数の自治体で、本提供機能を活用した自治体の実証事業が下記のとおり採択されております。
■本サービスを活用した自治体のサービス例(一例)
- 令和4年度ヘルスケアサービス社会実装事業費補助金「地域や職域の課題に応えるビジネスモデル確立に向けた実証事業」(愛知県豊田市)※3マイナポータルを活用したフレイル予防サービスに関する実証事業
(参考)経済産業省「令和4年度ヘルスケアサービス社会実装事業費補助金」の採択事業を公開します。 - フレイルリスク「見える化」・行動変容促進による介護予防高度化ソリューションの実装化事業(東京都)※4
高齢者の健康行動への取組や社会参加を促進し、フレイルリスク改善に資することの実証事業
(参考)フレイルリスク「見える化」・行動変容促進による介護予防高度化ソリューションの実装化事業
今後もドコモは、AI技術をスマートフォンアプリなどと連携させ、普段の生活の中で自然と人々が健康になれる世の中を実現していきます。そして、医療・ヘルスケア領域における課題解決に貢献していきます。
- フレイルリスクは、健康マイレージアプリ上では、「からだとこころの健康度」として、表示されます。
- 本日以降、ご契約および新機能利用申し込みをいただいた自治体でご利用になれます。
- 「令和4年度ヘルスケアサービス社会実装事業費補助金」に採択。
- 「令和4年度 東京都次世代ウェルネスソリューション構築支援事業(連携プロジェクト)」に採択。
別紙 「フレイル推定AI」の概要
■開発背景
フレイルとは、加齢とともに心身の働きが弱くなってきた、要介護の前段階です。近年、介護費抑制などの観点から、フレイルの早期発見・介入のニーズが高まっていますが、対面検査やアンケート形式の既存手法では住民への幅広い調査・対応が困難でした。
■フレイル推定AIの特長
高齢者にも普及してきているスマートフォンを活用し、簡易にフレイルリスクの見える化や生活習慣の改善を促すことができ、健康管理に役立てて頂けるAIです。
■ヘルステック(HealthTech)基盤を通じた機能提供
フレイル推定AIの提供と合わせ、ヘルスケアに関連する各種AIを集約・搭載したヘルステック基盤の提供を開始しました。ヘルステック基盤とAPI連携することで、フレイル推定AIを含む各種AIを幅広い業界にてご利用いただけます。今後、様々な推定AIの開発を行い普段の生活の中で自然と人々が健康になれる世の中を実現していきます。
<ヘルステック基盤 イメージ>
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