報道発表資料
ケーブルに置くだけで通信エリアを構築できるアンテナを開発
-高周波数帯のきめ細かな通信エリア構築を可能にするエリア化ツールの利用シーンを拡大-
<2022年1月17日>
株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)は、ケーブルの近くに置くだけでその周辺に通信エリアを構築できるアンテナ(以下、本アンテナ)を世界で初めて※1開発し、60GHz帯での実証実験に成功しました。
5Gサービスで利用している28GHz帯(ミリ波)や、6Gに向けて開拓を進めているさらなる高周波数帯の電波は直進性が強いため、基地局から見通せない場所や周囲を障害物で囲まれた場所の通信エリア化が課題となります。これまでドコモは、5G以降の世代で利用される高周波数帯の安定した通信エリアをきめ細かく構築するためのエリア化ツールを開発してきました。今回、高周波数帯の電波を伝搬するケーブル(伝送線路)である誘電体導波路を、床、壁、天井、あるいは什器などに埋め込んでも、埋め込まれた誘電体導波路の近傍に置くだけで通信エリアを構築できる本アンテナを新たに開発しました。本アンテナを活用することにより、遮蔽物が多い環境下でも、誘電体導波路で見栄えを悪くすることなく、きめ細かな高周波数帯のエリア構築が可能になります。
本アンテナは、高周波数帯の電波を伝搬するケーブル(伝送線路)である誘電体導波路に、プラスチック小片を接触させることで接触箇所から電波が漏洩する、という物理現象を利用しています。実証実験では、誘電体導波路を埋め込んだ板に本アンテナ(プラスチック小片)を置くことにより、その周辺に通信エリアを構築でき、複数の箇所に同時に本アンテナを置くと複数の場所で同時に通信エリアを構築できることや、本アンテナの大きさや配置方法を変えることにより構築する通信エリアの範囲や方向をコントロールできることを確認しました。また、本アンテナは、誘電体導波路から離すことにより電波の漏洩を止めることも可能なため、無駄な電力放射の低減によるエネルギー利用の効率化にもつながります。
2022年度上期からは、5Gサービスで利用している28GHz帯(ミリ波)での本アンテナによる通信エリア構築の検証を開始し、実用化をめざします。
今後もドコモは、柔軟で効率的に高周波数帯の通信エリアを構築できるエリア化ツールの開発を通して、5Gの利用シーンの拡大と6Gに向けた研究開発を推進してまいります。
なお、本アンテナは2022年1月17日(月曜)からオンライン上で開催する「docomo Open House’22」で紹介します。
◆「docomo Open House’22」イベントサイト:https://openhouse.docomo.ne.jp/
- 2022年1月17日現在、ドコモ調べ。
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