報道発表資料

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(お知らせ)5Gコネクテッドカーに向けた「車両ガラス設置型アンテナ」による5G通信に成功
-世界初、28GHz帯対応アンテナで高速走行車両と8Gbpsの超高速通信を実現-
<2018年7月25日>

株式会社NTTドコモ
AGC株式会社
エリクソン・ジャパン株式会社

株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)、AGC株式会社(以下、AGC)、エリクソン・ジャパン株式会社(以下、エリクソン)は、第5世代移動通信方式(以下、5G)コネクテッドカーの実現に向け、「車両ガラス設置型アンテナ」(以下、オンガラスアンテナ)を用いた5G通信の実証実験を共同で行いました。そして、2018年7月25日(水曜)に、約100km/hで高速走行中の車両との間で、最大8Gbpsの5G通信に世界で初めて1成功いたしました。

実証実験に使用したオンガラスアンテナは、AGCが新たに設計・開発したガラス面に設置できる28GHz帯対応の5Gアンテナです。外観から見えにくく、車両のデザインを損なわずに設置ができます。
28GHz帯の周波数は、電波の減衰が大きく、遠くまで届きづらいという特徴があります。オンガラスアンテナを車両に設置することで、電波を特定方向へ集中させる「ビームフォーミング機能」や、複数アンテナから異なるデータを同時に伝送して通信速度を向上させる「MIMO機能」を利用した5G電波の送受信を安定的に行うことが可能となり、走行中の車両に対しても安定した高速通信を行えるようになります。

今回の実証実験では、茨城県の国土技術政策総合研究所において、オンガラスアンテナを設置した車両に対し、ビームフォーミング機能やMIMO機能を利用した5Gの高速通信を行いました。そして、走行速度約100km/hの高速移動時で最大8Gbpsの通信に成功した他、走行速度約30km/hの移動時においても、最大11Gbpsの通信を実現し、オンガラスアンテナを用いることで、28GHz帯の高い通信速度を、車両内で享受できることを確認いたしました。

ドコモ、AGCおよびエリクソンは、今後も5Gコネクテッドカーの実現をめざし、車載通信モジュール等の幅広い環境における5Gの活用に向けた取り組みを進めてまいります。

  1. ドコモ調べ(2018年7月25日現在)。

別紙 「車両ガラス設置型アンテナ」を用いた5G通信実証実験の内容

1. 実証実験概要と成果

国土技術政策総合研究所のテストコース(約2.2kmの直線区間)において、オンガラスアンテナおよび5G移動局を搭載した走行中の実験用車両と、コース脇に設置した3つの5G基地局との間で、28GHz帯の周波数を用いた5Gデータ通信を実施しました。
今回の実験では、実験用車両のフロントガラス、両サイドのリアクオーターガラス、リアガラスに合計8素子のオンガラスアンテナを設置し、様々な方向から到来する電波を受信できるようにしました。
垂直・水平偏波に対応した最大4ビームによるビームフォーミング機能と、MIMO機能を組み合わせてオンガラスアンテナで受信をすることで、約100km/hの走行速度で最大8Gbps、約30km/hの走行速度で最大11Gbpsの5G高速通信を実現いたしました。

図:実証実験風景
図1 実証実験風景
図:オンガラスアンテナ素子
図2 オンガラスアンテナ素子
図:オンガラスアンテナの設置模様
図3 オンガラスアンテナの設置模様
図:オンガラスアンテナ設置時の車両外観
図4 オンガラスアンテナ設置時の車両外観

2. 実験期間

2018年6月28日(木曜)~2018年7月25日(水曜)

3. 使用周波数帯

28GHz帯(帯域幅:732MHz)

4. 実証実験のシステム構成

図:実験システム構成
図5 実験システム構成
実証実験装置・機器の主な仕様
実証実験装置・機器の主な仕様
5Gシステム 5G基地局装置&5G信号処理装置
  • MIMO機能(垂直・水平偏波に対応、各偏波2×64素子、実験時は基地局あたり最大2ビームを送信)
  • ビームフォーミング機能、ビーム追従機能
オンガラスアンテナ 垂直・水平偏波に対応、各偏波4素子
5G移動局装置 最大4ビームを受信
実験用車両 NISSAN GT-R

5. 各社の役割

各社の役割
企業名 役割
ドコモ
  • 実証実験全体の企画・推進
  • 5Gのエリア設計
AGC オンガラスアンテナの設計・開発
エリクソン 5G基地局装置・移動局装置の提供および運用

6. 実験動画


報道発表資料に記載された情報は、発表日現在のものです。仕様、サービス内容、お問い合わせ先などの内容は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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