報道発表資料


(お知らせ)NEXCO東日本とNTTドコモ、東京湾アクアラインにおいて「AI渋滞予知」による渋滞予測実証実験を開始
-日本の高速道路会社では初のAIを活用した渋滞予測の配信-
<2017年11月30日>
東日本高速道路株式会社
株式会社NTTドコモ
東日本高速道路株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:廣瀨博、以下、NEXCO東日本)と株式会社NTTドコモ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:吉澤和弘、以下、ドコモ)は、携帯電話ネットワークの仕組みを利用して作成される人口統計※1(以下、人口統計)とNEXCO東日本が保有する過去の渋滞実績および規制情報等をかけ合わせ、人工知能(AI)を用いてドコモが開発した「AI渋滞予知」による渋滞予測実証実験を、日本の高速道路会社では初めて※2、東京湾アクアライン(以下、アクアライン)において2017年12月2日(土曜)から開始いたします。
この実証実験は、実証実験期間におけるその日の正午時点の房総半島一帯における人出に基づき、14時から24時までのアクアライン上り線※3(川崎方面)における渋滞を予測して、その内容をNEXCO東日本のお客さま向けWEBサイト「ドラぷら」で情報配信を行うものです。アクアラインが渋滞している時間帯を避けてご利用いただくことで、お客さま満足度の向上と周辺地域の活性化をめざします。
「AI渋滞予知」は、人口統計と渋滞の関係性を学習しパターン化した人工知能(渋滞予知モデル)を通じて、渋滞を予測するドコモが開発した技術であり、NTTグループのAI「corevo®」を構成する技術です。「AI渋滞予知」は、その日の人口統計を考慮するため、天候やイベント開催などによる突発的な渋滞発生についても的確に予測できることが特長です。


なお、本実証実験に先立ち、2015年1月から2017年4月までのアクアライン上り線の渋滞実績と、ドコモが保有する当該期間の人口統計を基に、「AI渋滞予知」による予知精度を評価する検討※4を実施したところ、10km以上の渋滞予測の見逃し率※5が従来の渋滞予報カレンダー※6の6%と比較し、「AI渋滞予知」では1%となりました。
本実証実験では、2017年12月2日(土曜)から2018年3月31日(土曜)(予定)までの間、「AI渋滞予知」で予測したアクアライン上り線の渋滞予測結果と、渋滞予測時間帯でご利用いただける「ヨル得」クーポン情報※7を「ドラぷら」にて配信し、交通の分散を図ります。また、2018年2月からは渋滞予測結果を「ドラぷら」アプリによりお知らせ配信する機能も付加する予定です。これらの情報に基づいたお客さまの行動変化や渋滞緩和効果などを検証してまいります。
NEXCO東日本では、今年度より新たな中期経営計画において「安全・安心・快適・便利な高速道路サービス」を展開しています。また、ドコモも、新たな中期戦略2020「beyond宣言」の中で、パートナーとともに社会課題の解決に取り組んでおります。両社は、人工知能を活用した「AI渋滞予知」に基づいた渋滞予測を通じて、交通課題の解決に一層強化して取り組んでまいります。
- 本実験ではモバイル空間統計を高速化したリアルタイム人口統計(研究開発中)に基づき「AI渋滞予知」技術を用いて渋滞を予測しております。本実験で使用する人口統計は、エリア毎や属性毎の集団の人数を示す情報であり、お客さま個人を特定できる情報を一切含みません。したがって、この人口統計によりお客さまの行動が他人に知られることはありません。なお、本実験で使用する人口統計は、モバイル空間統計ガイドラインを遵守しております。
モバイル空間統計ガイドライン - 2017年11月30日(木曜)、NEXCO東日本調べ。
東京湾アクアラインとは、神奈川県川崎市から千葉県木更津市へ至る高速道路です。上り線とは、神奈川県川崎方面になります。
とは、高速道路等の路線番号(ナンバリング)を示しています。
- 2015年1月から2017年4月までの渋滞実績データと当該期間における房総半島一帯の人口情報を基に、AI渋滞予知の予知精度を評価する検討を、2017年5月から2017年9月の期間に実施したものです。
- 渋滞予測の見逃し率とは、当該期間中で「渋滞が発生しない」と予測したが、実際には渋滞が発生した日の割合です。
- 渋滞予報カレンダーとは、NEXCO東日本が過去の渋滞実績を基に作成・公開する渋滞予報です。
- 「ヨル得」クーポンとは、NEXCO東日本、海ほたる、木更津市、三井アウトレットパークが実施しているアクアライン渋滞すいすいプロジェクトで発行する、土日祝日の渋滞時間である15時から20時に木更津アウトレットおよび木更津市内のお店で使用できるお得なクーポンです。
土日祝日限定ヨル得アクアライン渋滞すいすいプロジェクト2017
別紙 実証実験の概要
1. 内容
東京湾アクアライン上り線の渋滞は、土日祝日の15時〜20時に多く発生しています。この実証実験は、「AI渋滞予知」にて作成された渋滞予測結果を、NEXCO東日本のお客さま向けWEBサイト「ドラぷら」を通じて配信することにより、渋滞予測時間帯を避けたご利用をお願いするものです。実証実験を通じて、お客さまの行動変化や満足度向上効果等をアンケートなどにより検証します。
2. 各社の役割
NEXCO東日本 |
|
---|---|
ドコモ |
|


3. 「ドラぷら」での配信イメージ

URL※1
http://www.driveplaza.com/area/kanto/traffic/aqualine/
二次元バーコード※1

4. 実証実験期間
2017年12月2日(土曜)から2018年3月31日(土曜)(予定)
5. 実証実験場所
人口情報 : 房総半島一帯
渋滞予測 : 東京湾アクアライン(上り線)
6. 「AI渋滞予知」精度評価結果※2※3
見逃し率 : 「見逃し回数(渋滞は発生しないと予測したが、実際は発生した渋滞実績回数)」/「全体渋滞実績回数」
渋滞距離 | 見逃し率 | |
---|---|---|
AI渋滞予知 | 渋滞予報カレンダー※4 | |
15km以上 | 0% | 2% |
10km以上 | 1% | 6% |
5km以上 | 3% | 7% |
空振り率 : 「空振り回数(渋滞が発生すると予測したが、実際は発生しなかった渋滞予測回数)」/「全体渋滞予測回数」
予測渋滞距離 | 空振り率 | |
---|---|---|
AI渋滞予知 | 渋滞予報カレンダー※4 | |
15km以上 | 0% | 6% |
10km以上 | 0% | 18% |
5km以上 | 6% | 22% |
7. 各渋滞予測の特徴
AI渋滞予知 | 渋滞予報カレンダー | |
---|---|---|
作成時期 | 昼12時時点(14時に配信) | 2か月前 |
使用目的 | 当日夕方に千葉方面から東京方面へ移動される方への情報提供 | 前日までの行動計画の支援 |
- 実験開始日までは「ご指定のページは見つかりませんでした」という表示となります。
- 評価対象:2015年1月から2017年4月までのアクアライン上り線の渋滞発生データ(事故や規制の発生日を除く)。
- 「AI渋滞予知」による予知結果の精度評価にあたっては、LOOCV(leave-one-out cross validation)法を用いた交差検証により、妥当性を確保しました。
- 渋滞予報カレンダー:NEXCO東日本が過去の渋滞実績を基に作成・公開する渋滞予報。
参考 各社概要
NEXCO東日本 | |
---|---|
会社名 | 東日本高速道路株式会社 |
代表者 | 代表取締役社長 廣瀨 博 |
所在地 | 東京都千代田区霞が関三丁目3番2号 新霞が関ビルディング |
資本金 | 525億円 |
設立年月日 | 2005年10月1日 |
従業員 | 2,229人(2017年3月31日現在) |
主な事業内容 |
|
NTTドコモ | |
---|---|
会社名 | 株式会社NTTドコモ |
代表者 | 代表取締役社長 吉澤 和弘 |
所在地 | 東京都千代田区永田町2-11-1 山王パークタワー |
資本金 | 9,496億7,950万円(2017年3月31日現在) |
営業開始日 | 1992年7月1日 |
従業員 | 単独7,609名、連結26,734名(2017年3月31日現在) |
主な事業内容 |
|
- 「corevo®」は、日本電信電話株式会社の登録商標です。
http://www.ntt.co.jp/corevo/
報道発表資料に記載された情報は、発表日現在のものです。仕様、サービス内容、お問い合わせ先などの内容は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。