報道発表資料
(お知らせ)世界初5G高信頼低遅延通信(URLLC)の屋外実験に成功
<2017年11月2日>
株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)は、第5世代移動通信方式(以下、5G)時代に活躍が期待される「高信頼」かつ「低遅延」を実現する通信技術Ultra-Reliable and Low Latency Communications(以下、URLLC)の実証実験(以下、本実験)を2017年10月13日(金曜)に横浜市みなとみらい21地区にてファーウェイと共同で行った結果、3GPP標準化団体、及びITU-R※1が定める5Gの条件※2である99.999%※3以上のパケットデータ送信成功率の「高信頼」と無線区間1ミリ秒以下の「低遅延」を同時に満たすことに世界で初めて成功しました。
従来の5G実証実験では「低遅延」の実現に注力してまいりましたが、今回初めて「高信頼」の実験を同時に行うことでURLLCを満たすために必要な条件を達成しました。「高信頼」とはデータを誤りなく送受信することを意味しており、LTEでは5Gと同等の送信成功率を達成するのに無線区間5ミリ秒以上の遅延時間を要しますが、5Gでは無線区間1ミリ秒以下と、5分の1以下に遅延時間が短縮されます。
本実験は、都心部における携帯電話の利用を想定した屋外環境において、5G端末を搭載した車両を走行させた状態と、静止させた状態のそれぞれで達成した実証実験となります。
本実験では、高信頼を実現するために端末の通信状況の変化に備えて無線信号を繰り返し送信する「自動再送技術」、信号を確実に受信するための「送受信アンテナダイバーシチ技術」、および無線区間における遅延を抑える「伝送時間短縮技術」の組み合わせにより、広域な実験環境において「高信頼」かつ「低遅延」のURLLCの条件を満たしました。
本実験成果は、ドコモとして将来の遠隔医療や自動運転などへの活用が期待されると考えており、2020年の5G商用サービスの開始をめざして今後も世界主要ベンダーと協力し、5G通信技術の研究開発に取り組んでまいります。
- 国際電気通信連合の無線通信部門であり、電気通信分野における国際連合の専門機関となります。
- URLLCの条件は、高信頼通信の要件である32バイト以上のパケットデータ量の99.999%以上の送信成功率、及び低遅通信の要件である無線区間1ミリ秒以下の遅延を同時に満たすことになります。
- 0.001%以下の可能性で送信が完了しなかった場合は、遅延時間が発生した上でデータが送信されます。
別紙 本実証実験の概要
1. 本実験概要
端末の静止、移動における5Gの上り下りの通信において、各条件下でURLLCの要件である32バイト以上のパケットデータ量の99.999%以上の送信成功率、及び低遅通信の要件である無線区間1ミリ秒以下の遅延を同時に満たすこと成功しました。
端末条件 | 基地局からの距離 | 通信したパケットデータ量 | 実際の無線区間遅延時間 | 実際の送信成功率 |
---|---|---|---|---|
静止 | 約0.8km | 200バイト | 上り:約0.57ミリ秒 下り:約0.65ミリ秒 |
99.999%〜100% |
約1.0km | 100バイト | |||
移動(時速25km) | 約0.3km〜約0.6km | 100バイト |
2. 場所
横浜市みなとみらい21地区
3. 周波数帯
4.5GHz帯
4. 装置の特徴
- 基地局装置
8個のアンテナを搭載 - 端末装置
2個のアンテナを搭載
5. 使用技術の特徴
- 伝送時間短縮技術
無線区間遅延には伝送時間と送受信データ処理時間があり、本実験において上り、下りにおけるデータ通信時の伝送時間※1をそれぞれ約0.125ミリ秒に抑える技術です。 - 自動再送技術
端末の通信状況の変化に備えてデータを繰り返し送信することでデータを誤りなく送信する技術です。 - 送受信アンテナダイバーシチ技術
基地局側は8個、端末側は2個の送受信アンテナを用いて、同じ信号を複数アンテナから送受信することにより信号の受信品質を向上させる技術です。
6. 実験イメージ
- 伝送時間にはデータを繰り返し送信することも含んでおります。
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