報道発表資料
表形式のデータからチャットボットを自動作成するツールを開発
-ABCクッキングスタジオとの実証実験を通じ、チャットボット精度の向上をめざす-
<2017年5月19日>
株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)は、表形式のデータ(以下、表データ)からチャットボットを自動作成するツールを開発いたしました。
チャットボットとはお客さまの問い合わせに人工知能(AI)が回答するプログラムです。
従来、チャットボットサービス提供者は一つ一つ質問と回答を組み立てるフローチャート形式などでチャットボットを作成しており、作成・維持管理コストが非常にかかるという課題がありました。本ツールを利用すると、チャットボットサービス提供者はチャットボットの回答とその回答を導くために必要なキーワードをまとめた表データを準備するだけでチャットボットを自動作成することが可能なため、作成・維持管理コストを50%程度軽減※1させることが可能です。
本ツールが、2017年5月19日(金曜)から2017年7月31日(月曜)までの間、株式会社ABC Cooking Studio(以下、ABCクッキングスタジオ)の「献立チャットボット」サービスに活用され、お客さま向け※2にトライアル提供されます。「献立チャットボット」サービスはコミュニケーションアプリ「LINE」と連携しており、お客さまが冷蔵庫にある食材をLINEのABCクッキングスタジオの献立チャットボットアカウントに入力するだけで最適なレシピ(料理名)を提案するサービスです。この「献立チャットボット」サービスは、ABCクッキングスタジオが提案するレシピとそのレシピを導くために必要な食材など約1,400個のキーワードを表形式で作成し、本ツールを用いて自動作成されたものです。なお、本サービスはチャットボットAPI作成プラットフォーム「Repl-AI(レプルエーアイ)※3」で提供されるLINE連携機能を活用しております。
ドコモは、本トライアルを通じて得られたチャットボットの対話ログを分析することで、本ツールの課題点などを明確化し、チャットボットの回答精度向上をめざしてまいります。
ドコモは2017年度内(予定)に本ツールの商用化により、企業におけるお客さま応対やコールセンターなどでのチャットボット導入をめざしてまいります。
- 100個の質問へ回答するチャットボットを作成する場合、従来のフローチャート形式では1人月かかる工程が、本ツールを活用すると0.5人月の工程になります。(ドコモ調べ)
- トライアル提供は、ABCクッキングスタジオ会員よりモニターを募集し、提供いたします。
- Repl-AIは、ドコモの「自然対話プラットフォーム」※4を活用した好みのチャットボットを自由に作成することができるチャットボット作成・提供プラットフォームです。
- 「自然対話プラットフォーム」を構成する技術の一部にNTTグループのAI「corevo®」の技術が含まれております。
別紙1 表データからチャットボットを自動作成するツールの概要
1. 本ツールの概要
従来、対話ルールをフローチャートなどの手動で生成するなどして作成されていたチャットボットを、表データを用いて自動で作成できるツールです。
表データは最終的な回答とその回答を導くためのキーワードでのみ構成されるため、プログラミング専門の技術者でなくても、チャットボットを容易に作成・維持管理することができます。
2. 従来のチャットボット作成工程と本ツールを用いた作成工程の比較
<従来のチャットボット作成工程>
対話ルールをフローチャート形式で一つ一つ質問と回答の相関を考えながら手動で作成します。


<本ツールを用いたチャットボット作成工程>
チャットボットの回答とその回答を導くために必要なキーワードなどをドコモから提供する表データに入力し、本ツールに取り込むことで自動作成されます。
料理名 | カテゴリー | キーワード | キーワード |
---|---|---|---|
肉じゃが | おかず | にんじん | たまねぎ |
五目チャーハン | ごはんもの | たまねぎ | ピーマン |
ふわとろオムライス | ごはんもの | たまねぎ | トマト |
ズッキーニのスープヌードル | 麺類・粉もの | そうめん | ズッキーニ |
別紙2 「献立チャットボット」サービストライアル提供の概要
1. 概要
料理教室であるABCクッキングスタジオのノウハウを凝縮した約150種の基本や応用レシピと、ドコモの本ツールを用いて、「毎日の献立作り」をチャットボットがサポートしてくれるトライアルサービスです。お客さまが冷蔵庫にある食材や食べたい料理のカテゴリーなどをチャットボットに伝えると最適なレシピを提案してくれます。
「献立チャットボット」は、ABCクッキングスタジオが提案するレシピと食材などの約1,400個のキーワードを表データに入力し、ドコモの本ツールを活用して自動作成されたものです。
<サービス利用例>
お客さまが「おかずを作りたい」などの質問を入力すると、チャットボットから「玉ねぎはある?」など、手元に食材があるか確認してくれます。手元にある食材の中から最適なレシピをチャットボットが案内してくれます。
<サービスイメージ>


2. 目的
- ドコモ
トライアル提供期間中に得られた対話ログを分析することで、本ツールの商用化に向けた課題点などを明らかにし、チャットボットの回答精度向上をめざしてまいります。 - ABCクッキングスタジオ
新たな顧客接点を創出し、将来的に会員様以外にもABCクッキングスタジオの情報を発信し、オンラインでの事業収益モデルとしてめざしていきます。
3. トライアルサービス提供期間
2017年5月19日(金曜)〜2017年7月31日(月曜)
- 「corevo」は日本電信電話株式会社の登録商標です。
報道発表資料に記載された情報は、発表日現在のものです。仕様、サービス内容、お問い合わせ先などの内容は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。