報道発表資料
サービスに合わせて効率的にネットワークを提供するネットワークスライシング技術の実証実験に成功
<2016年6月13日>
株式会社NTTドコモ(以下ドコモ)とエリクソン(NASDAQ:ERIC)は、第5世代移動通信システム(5G)の実現に向け、お客さまが利用するサービスに合わせて効率的にネットワークを提供するネットワークスライシング技術の実証実験を行い、2016年6月9日(木曜)、複数の異なるサービスをそれぞれのサービスに合った効率的なネットワークに収容することに成功しました。
ネットワークスライシング技術とは、低遅延・高信頼・高セキュリティ等、様々な要求条件が求められる5Gにおいて、ネットワークを仮想的に分割(スライス)することで、お客さまが利用するサービスの要求条件に合わせて効率的にネットワークを提供する技術です。
本実験は、サービスの要求条件に基づき自律的に最適なネットワークスライスを選択または作成する機能を新たに追加することで、複数の異なるサービスを最適なネットワークスライスを通じて提供することに成功しました。ドコモは、ネットワークスライスを選択または作成する機能の設計を行い、エリクソンはエリクソンのクラウド製品を用いてネットワークスライスのサービスを管理する基盤を実装しました。
本実験の成功により、1つのネットワークにすべてのサービスを収容する現在の運用とは異なり、共通のネットワーク基盤上にネットワークスライスをサービスごとの要求条件に合わせて仮想的に構築し収容することで、サービスに必要な高いレベルの要求条件を効率的に実現できるようになります。
また、1つの端末が複数のネットワークに並列して接続できるようになるため、たとえば、コネクテッドカーにおけるV2X通信※1 (高セキュリティ、低遅延)と、インフォテイメントサービス※2 (広帯域)等、大きく異なる要求条件を持つ複数のサービスを1つの端末でご利用いただくことが可能となります。
ドコモは世界の主要ベンダと協力し、5Gおよび将来ネットワーク技術の検討を進めており、本実験の成功は、2014年9月からエリクソンと共同で検討を進めた成果の一つです。
なお、本成果は、2016年6月28日(火曜)から2016年6月30日(木曜)までイギリスのロンドンで開催される「5G world」にて展示いたします。
両社は、5Gにおいて多様なサービスを実現するため、今後も最先端ネットワーク技術の開発・標準化に取り組んでまいります。
- 自動車と自動車、道路設備(信号等)や歩行者との通信を行うことで、自動運転につながる技術
- 情報(インフォメーション)と娯楽(エンターテイメント)を融合したサービスで、車内での映像・音楽や地図・渋滞情報などのサービス
別紙 実証実験の概要
1. 実験内容
複数のサービスを、それぞれのサービス要求条件に応じて最適なネットワークスライスを通じて接続させる。また、適切なネットワークスライスが無いと判断した場合には新規にネットワークスライスを作成する。
2. 実施場所
Ericsson AB
Lindholmspiren 11, 417 56 Goteborg, Sweden
3. 実施期間
2016年6月7日(火曜)から2016年6月9日(木曜)まで
4. 役割分担
ドコモ : ネットワークスライスを選択または作成する機能の設計、提案
エリクソン : ネットワークスライスのライフサイクルとサービスを管理する技術を開発
5. イメージ図

6. 両社のコメント
<株式会社NTTドコモ>
執行役員 R&D戦略部長
中村 寛
ネットワークスライシングは将来の多様化する通信を効率的かつ安心・安全に実現するために重要な技術です。エリクソンとの実証実験がこのような将来ネットワーク技術実現に重要な役割を果たすと考えています。
<エリクソン>
クラウドおよびIPビジネス部門の副社長および技術総責任者
ホーカン・デュープハンマー(Hakan Djuphammar)
5Gにおけるドコモとの協力は、エリクソンとドコモの長期にわたる関係と5Gへの共同のコミットメントを裏付けるものです。ネットワークスライシングの実証実験は、5Gとネットワーク化社会に必要なスピード、遅延、容量などの異なる特性に対応し、新しいサービスを迅速、効率的かつ柔軟に導入する能力を実証しています。
報道発表資料に記載された情報は、発表日現在のものです。仕様、サービス内容、お問い合わせ先などの内容は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。