報道発表資料

世界主要ベンダーとの5G実験を拡大
<2015年7月22日>

株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)は、世界の主要ベンダー8社1 と行っている第5世代移動通信方式(以下5G)に関する実験をさらに拡大し、新たにIntel Corporation(以下、インテル)、Keysight Technologies, Inc.(以下キーサイト・テクノロジー)、パナソニック株式会社(以下、パナソニック)、Qualcomm Technologies, Inc.(以下、クアルコム)、Rohde & Schwarz GmbH & Co. KG(以下、ローデ・シュワルツ)の5社と5Gの実現に向けた実験や技術開発を行っていくことに、各社と合意いたしました。

これまでドコモは、5Gの様々な周波数帯を想定した通信技術について、2014年5月以降に主要ベンダー8社とそれぞれ合意し、実験をしてまいりました。
今回新たに合意した5社について、インテルとは5G対応端末に必要なチップセットの実験試作、キーサイト・テクノロジーとローデ・シュワルツとは5G実験における結果等の測定器の開発、パナソニックとは効率的な通信システム技術の開発、クアルコムとは5G通信技術についての実験と技術開発について、個別の実験および技術開発を行ってまいります。

5Gとは、10Gbpsを超える通信速度、LTEの約1000倍にもおよぶ大容量化、IoTの普及に伴う端末数の増加や多様なサービスへの対応などを目指して研究が進められている次世代の移動通信方式で、ドコモは2020年のサービス提供をめざしています。

新たに合意した5社とは、2015年度中に技術議論を開始し、段階的に実証実験や装置開発に向けた協力を実施していく予定で、実験や技術検討の結果を、5G関連の世界の研究団体や国際会議、5Gの標準化活動などで、ドコモが提唱するコンセプトの検証結果として活用するとともに、ドコモが目指す2020年のサービス提供に必要な端末開発や商用環境の実現に向けて活用する予定です。

なお、2015年7月22日(水曜)、23日(木曜)にドコモR&Dセンタ(YRP)にて開催する5G推進イベント「5G Tokyo BAY Summit 2015」において、5社を含む実験に関する講演やパネルディスカッション、デモンストレーションを行います。

各ベンダーと予定している実験内容、及び各ベンダーからのコメントは、別紙のとおりです。

  1. 8社とは、アルカテル・ルーセント、エリクソン、富士通、ファーウェイ、三菱電機、日本電気、ノキア、サムスン電子です。

別紙 5Gに関する新たな実験の概要

1. 各ベンダーとの実験内容(予定)

各ベンダーとの実験内容一覧(予定)
  企業名 実験内容
5Gデバイスの検討・実験 インテル 高速・大容量・低遅延・高信頼という5Gのコンセプトについて、スマートフォンやタブレットなどの携帯電話端末の小型・低消費電力のチップセットの試作等の実験を行います。
クアルコム 数Gbpsのピークデータレートを伴うモバイルブロードバンドの拡張を提供可能な小型・低消費電力の5Gデバイス実装の実現性を検討する実験を視野に入れた協力を行います。
測定器に関連する実験 キーサイト・テクノロジー 5Gでの利用が想定されている、高い周波数帯を広い帯域幅で使用した通信において、商用化される基地局と端末の通信性能を測定する技術の検討を行います。また、その状況下における電波特性の測定と解析、信号波形の生成と解析、Massive MIMOのアンテナ性能の測定技術の実験を行います。
ローデ・シュワルツ 5Gでの利用が想定されている高い周波数帯を広い帯域幅で使用した通信において、商用化されるMassive MIMO等の基地局と端末のアンテナ性能、基地局の通信の性能評価技術の検討を行います。また、その状況下における電波特性の測定と解析、信号波形の生成と解析を行います。
5G通信システム技術に関する実験 パナソニック 高い周波数帯や無線LANでの周波数帯など複数の周波数を組み合わせて効率的に通信を行うシステム制御技術や、5Gの通信技術に先進画像応用技術等を組み合わせたシステムソリューションの実験を行います。

2. 各ベンダーからのコメント

<インテル>
副社長 兼 コミュニケーションズ&デバイス事業部長 アイシャ・エバンス

5Gに代表される将来のネットワークでは、ネットワークとデバイス間を今まで以上に高度でインテリジェントに連携させたエンド・ツー・エンドのネットワーキングへの注力がより一層、求められています。インテルは、より高速、効率的、そしてインテリジェントなモバイル・ネットワークを実現させるシステムと技術を開発しています。日本は先進のモバイル技術の導入で常に市場をリードしており、ドコモは先進技術を推進する業界有数の企業です。5G規格の実現に向けドコモと協力できることを非常に喜ばしく思います。

<キーサイト・テクノロジー>
シニアバイスプレジデント兼CTO Jay Alexander

ドコモとの協業は、キーサイトにとって大変光栄なことであり、また、ドコモが進めている最先端の5G事業に当社の無線通信計測ソリューションと経験が加わることをうれしく思っています。5Gのビジネスは、当社にとって極めて重要な機会であり、業界を代表する企業と初期段階から協業していくことが、長期的に価値を創りだす最善の方法であると考えています。今回のドコモとの実験協力の契約は、無線通信計測におけるリーダーとしての当社の決意表明でもあります。

<パナソニック>
AVCネットワークス社 常務 CTO 岡 秀幸

パナソニックはドコモと協力して第5世代移動通信技術の確立に向けた技術開発および検証実験に参画することを大変光栄に思います。2020年およびそれ以降の当社のソリューション事業の発展において、大容量かつ低遅延の5G通信網は不可欠であり、この参画によって弊社の5G研究開発の加速が図れるものと確信しています。

<クアルコム>
Matt Grob, EVP & Chief Technology Officer

クアルコムはドコモと共に、高性能でスケーラブルな5G無線インタフェースを示すために協働できることをうれしく思います。我々は5Gを、モバイルブロードバンドの拡張、あらゆるモノのためのインターネット、および高信頼性が要求されるサービスを含む、将来の多様で拡張した接続性のニーズを満たす統一された枠組みであると考えています。

<ローデ・シュワルツ>
Roland Steffen, Executive Vice President Test & Measurement

ドコモのパートナーとして、電子計測の分野で培った当社の知識・経験を生かして5G技術の発展に異なる側面から貢献することが出来る事を大変光栄に思います。ローデ・シュワルツは4G LTE/LTE-Advancedにおけるグローバルな実績を強固な基盤とし、4Gから5Gへの発展に世界最先端の計測技術を以て継続的な貢献をしてゆきたいと思います。

3. 各社との5G実験協力のイメージ図

画面イメージ:

  • 記載の実験内容は、現時点での予定です。実験内容の詳細、および各ベンダーの協力範囲については、今後各ベンダーと協議、検討してまいります。
    また、国内で実験を行う場合、実験試験局免許の申請・取得など電波法上の必要な手続きを実施します。

報道発表資料に記載された情報は、発表日現在のものです。仕様、サービス内容、お問い合わせ先などの内容は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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