ヘルスケアデータとゲノム解析を活用した妊婦の疾患の予防・早期発見に向けた共同研究を開始
<2014年11月19日>
株式会社NTTドコモ
国立大学法人東北大学 東北メディカル・メガバンク機構
株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)と国立大学法人東北大学 東北メディカル・メガバンク機構(以下、東北大学)は、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、早産等の妊婦に特有な疾患の予防・早期発見方法を確立するとともに発症原因の特定につなげるために、共同研究を実施する契約を2014年11月14日(金曜)に締結し、本日研究を開始しました。
本研究では、数百名規模の妊婦のゲノム情報1、血中タンパク質等の体内物質の変化、そして日々の血圧、体温、体重、食事、睡眠、運動等のヘルスケアデータの3要素を組み合わせた情報解析を世界で初めて行います。これまで多くの妊婦が発症しながらも原因不明であった疾患の予防や早期発見方法を確立するとともに、発症メカニズムの解明を目指します。
多くの疾患は、生まれもった遺伝要因と、生活習慣などの環境要因が複雑に作用して発症すると考えられています。しかしながら、これまでの環境要因の調査は、半年から年に1回程度の頻度で質問票への回答を自己申告式で行うことが主であったため、データ収集頻度と回答の精度におのずと課題がありました。本研究では、スマートフォンを介してウェアラブル機器などの各種ヘルスケアデバイス2 から客観的なヘルスケアデータを日々収集することで、精度の高いデータを高頻度に取得し、課題の解決を図ります。
共同研究は東北大学で2014年11月19日(水曜)から2019年3月31日(日曜)まで実施することを予定しております。東北大学が保有するゲノム解析および体内物質解析の技術力と、ドコモが保有するモバイル・ヘルスケア技術を融合することで、世界に先駆けて妊婦に特有な疾患の発症予防方法や早期発見方法を確立し、ひとりでも多くの妊婦が疾患を経験することなく安心して出産を迎えられるよう、母子の健康確保に貢献してまいります。
なお、共同研究の詳細は別紙の通りです。
別紙 共同研究の概要
1. 目的および背景
現在、全国で年間約20万人もの妊婦が妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病、早産などを経験しており、その割合は妊婦の約5人に一人に及びます。また、ひとたび発症するとその後の母子の健康に与える影響が大きく、現代医学における重要な問題の一つとなっています。
現状、これら妊婦に特有な疾患の発症メカニズムは解明されておらず、根本的な予防や治療方法が見出されていません。本共同研究により、予防・早期発見の方法を確立するとともに、発症のメカニズムを解明することを目指すことで、一人でも多くの妊婦が疾患を経験することなく安心して出産を迎えられるよう、母子の健康確保に貢献してまいります。
2. 研究手法
多くの疾患は、生まれもった遺伝要因と、生活習慣などの環境要因が複雑に作用して発症すると考えられています。本共同研究では、スマートフォンと各種ヘルスケアデバイスから日々のヘルスケアデータを収集し、環境要因や発症の予兆となる体調の変化に関する情報を連続的に取得することで、遺伝要因と環境要因を網羅的に解析することが可能になり、発症メカニズムの解明につながると期待されます。
発症に至る背景
新たな研究手法
研究体制
数百名規模の妊婦を対象とした共同研究を予定しており、ドコモの強みであるモバイル端末とネットワークを利用したモバイル・ヘルスケア技術を活用し、日々の「環境要因」や「体調の変化」などのヘルスケアデータを収集することで、データの量と精度の向上を目指します。また、東北大学の強みであるゲノム解析技術を活用し、遺伝要因のみならず、環境要因、体内物質の変化、体調の変化を含む網羅的な解析に共同で取り組みます。
<研究の流れ>
3. 実施期間及び場所
共同研究の期間 : 2014年11月19日(水曜)から2019年3月31日(日曜)
実施場所 : 東北大学
4. 今後の展開
スケジュール
今年度中に共同研究体制と環境を構築し、来年度から遺伝要因と環境要因の網羅的な解析手法の検討などの本格研究に着手します。妊婦特有疾患の予防・早期発見方法の開発など、得られた研究成果については、学会などでの公表を予定しております。期待される将来の社会的価値
報道発表資料に記載された情報は、発表日現在のものです。仕様、サービス内容、お問い合わせ先などの内容は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。