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大規模災害時における新たな通信混雑緩和技術の実証実験を開始

-ドコモ、NEC、富士通、NECソフトウェア東北、東北大学、東京大学による共同研究-

<2013年10月2日>

株式会社NTTドコモ
日本電気株式会社
富士通株式会社
NECソフトウェア東北株式会社
国立大学法人東北大学
国立大学法人東京大学

株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)、日本電気株式会社(以下、NEC)、富士通株式会社(以下、富士通)、NECソフトウェア東北株式会社(以下、NECソフトウェア東北)、国立大学法人東北大学電気通信研究機構(以下、東北大学)、国立大学法人東京大学先端科学技術研究センター(以下、東京大学)は、大規模災害等により通信混雑が発生した際に、余力のある離れた地域の通信設備を最大限に活用することで効率的に通信混雑を緩和する技術を確立し、東北大学構内(仙台市)と横須賀リサーチパーク内(神奈川県横須賀市)にあるテスト環境での実証実験を本日から開始しました。数十万人規模のお客様へのサービス提供を想定してこのような実証実験を行うのは世界で初めて注意1 となります。

本実験では、離れた2つの地域の通信設備を仮想化し連携することにより、通信が混雑している地域の通信処理能力を増強し、通信混雑を迅速に緩和する技術について検証します。地域間を結ぶネットワーク全体の状況を把握することにより、最も効率的な方法で通信処理能力の増強を図るだけでなく、アプリケーションやサービスの利用方法に関する検証も行うなど、災害時などの大規模な通信混雑環境下において安定した通信サービスの提供を実現する技術の検証を実施いたします。

本実験は、総務省の「平成24年度一般会計補正予算」において「大規模通信混雑時における通信処理機能のネットワーク化に関する研究開発」として委託されており、災害時の確実な情報伝達技術を開発することを目的としております。2013年3月からの検討をもとに、このたびテスト環境を整え、実証実験を開始することとなりました。最終的な実験結果は2014年3月末までに総務省へ報告する予定です。

また、本実験に関するこれまでの検討結果について、「CEATEC JAPAN 2013」展示会併催の、電子情報通信学会主催のIEICE東京支部シンポジウムにて、2013年10月3日に発表いたします。

将来的に各社・各大学は、今回の実験で得られる成果をもとに、大規模災害時に必要とされる通信手段を確保するため、より信頼性の高い移動通信ネットワークを実現していけるよう取り組んでまいります。

  • 注意1 2013年10月2日時点 ドコモ調べ。

別紙1 実証実験の概要

1. 目的

東日本大震災で発生したような大規模通信混雑時に、震災影響の少ない離れた別の場所にある通信設備を活用し、震災により混雑している拠点の通信混雑を軽減するための基盤技術を研究する。

2. 実証実験の内容

東北大学および横須賀リサーチパークにあるテスト環境において、音声通話・メール通信・動画配信など複数のサービスによる通信混雑状況を擬似的に発生させる。その環境下で両拠点に設置されている通信設備を仮想化し連携させ、拠点間を跨って通信処理能力の増強を実現することにより、通信混雑を緩和する技術の検証を行う。また同時に、両拠点の通信設備を一元的に管理・運用することを目的とした、両拠点の通信状況の可視化、及び運用管理技術の検証や、災害時に役立つサービスをお客様が利用することにより発生する膨大な通信量を低減する技術の検証も行う。

<実験内容詳細>

(1)拠点間連携制御技術、拠点間の通信状況の可視化・管理技術の検証・評価(ドコモ、NEC、富士通)
  • 1  SDN技術注意1 を活用し、災害などの影響で拠点間のネットワークの品質が変化した状況においても、通信設備を連携させた際に発生する処理能力の損失を可能な限り抑え、通信が混雑している拠点の処理能力を最大限増強できる技術を研究開発する。具体的には、同規模の通信処理能力を保有する2拠点の設備を連携した場合、処理能力の損失の割合を30%以内に抑え、増強した拠点の処理能力を約1.7倍まで高めることができるかを検証する。
  • 2  離れた拠点の通信設備を連携させた仮想ネットワークを一元的に管理・運用できる技術を研究する。運用管理者が、サービスの混雑状況、通信処理能力の過不足状況等の変化を把握し、災害時等に迅速に拠点間を跨る通信処理能力の増強を実施できるかを検証する。
(2)災害時に役立つサービスの通信量低減技術の検証・評価(NECソフトウェア東北、東北大学、東京大学)
災害時に役立つサービスやアプリケーションの利用により発生する通信の特性について検証し、大規模災害時を想定した通信混雑状況においても平常時と変わらず利用できるよう、通信量の低減を図る技術について検証する。
  • 注意1 SDN(Software-Defined Networking)技術とは、ソフトウェアによりネットワークの機能や構成を定義・制御することが可能な技術のこと。

別紙2 実証実験の構成と各社・各大学の役割

本実証実験では、従来困難であった離れた拠点間の通信能力の連携を実現し、通信混雑を迅速に緩和する技術及び災害時に役立つアプリケーション等の利用により発生する通信量を軽減する技術について検証を実施する。

イメージ画像

企業名・大学名 概要
ドコモ(III)
  • 実証実験の全体アーキテクチャの検討および実証実験の運営
NEC(III)
  • 拠点間ネットワークの通信品質を考慮した上で、離れた拠点の通信設備を効率的に活用し、混雑している拠点の通信処理を離れた拠点で行うための連携制御技術の研究
  • 上記を実現するための、SDN等によるネットワーク仮想化技術を活用した、拠点間のネットワーク連携制御技術の研究
富士通(I、III)
  • 仮想ネットワークに組み込まれた通信設備のシステム構成、混雑状況、通信処理能力の過不足状況等の変化を迅速に把握し、運用する可視化技術の研究(I)
  • 離れた拠点の通信設備を連携させる仮想ネットワークを一元的に管理し、通信処理能力の増強に必要となる時間を短縮する研究(III)
NECソフトウェア東北
東北大学(II)
  • 大規模災害時を想定した通信混雑状態においても、平常時と変わらず利用可能な災害時に役立つサービスの通信量を低減する技術の研究
東京大学(II)
  • 地震規模を測定するモニターシステムなど、大規模災害時に役立つM2Mサービス注意1 を災害後の通信混雑下において効果的に利用する技術の研究
  • 注意1 M2M(Machine to Machine)サービスとは、機械と機械が通信ネットワークを介して互いに情報をやり取りすることにより、自律的に高度な制御や動作を行う機器間通信サービス。

報道発表資料に記載された情報は、発表日現在のものです。仕様、サービス内容、お問い合わせ先などの内容は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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