ドコモ、東北大学、NEC、日立東日本ソリューションズ、富士通による大規模災害時の新たな通信混雑緩和技術の実証実験について
-実証実験の環境構築を完了-
<2012年11月22日>
株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ
国立大学法人東北大学
日本電気株式会社
株式会社日立東日本ソリューションズ
富士通株式会社
株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ(以下、ドコモ)、国立大学法人東北大学(以下、東北大学)、日本電気株式会社(以下、NEC)、株式会社日立東日本ソリューションズ(以下、日立東日本ソリューションズ)、富士通株式会社(以下、富士通)は、大規模災害時に発生が予想される通信混雑時に、安否確認等で最も利用される音声通話やメールを優先的に通信しやすくする技術について、本日、東北大学(宮城県仙台市)の研究施設へ実験に必要な設備の構築を完了しました。同時に、すでに構築している横須賀リサーチパーク内にある研究施設とともに行う実証実験を来年1月から開始するために、それぞれの施設でのシステム結合試験を開始いたしました。
本実証実験は、総務省の平成23年度一般会計補正予算(第3号)において「大規模災害時における移動通信ネットワーク動的制御技術の研究開発」として委託され、今年3月から各社、大学で実証実験に向けた研究開発を行っておりました。最終的な実験結果は来年3月末までに総務省へ報告する予定です。
本実証実験は、災害に強い情報通信ネットワークの実現に向けた取り組みであり、東日本大震災の被災地域である東北で実施することにより、情報通信技術の利活用による地域経済活動の再生を促すことで、震災復興へ寄与することが可能です。
実験で得られた成果をもとに、大規模災害時に最も利用される通信手段を確保するために、より信頼性の高い移動通信ネットワークを構築していけるよう取り組んでまいります。
別紙1 実証実験の概要
1. 目的
東日本大震災のような大規模災害時に通信混雑が発生した際、安否確認等で最も利用される音声通話やメールを優先的に取り扱い、通信混雑の影響を軽減するための基盤技術を研究開発する。
2. 実証実験の内容
- 「大規模災害時における移動通信ネットワーク動的制御技術の研究開発」
- 災害時に通信混雑が発生した際に、利用可能な通信設備を最大限に活用し、音声通話やメールを優先的に接続する技術の検証
<詳細>
- 「柔軟に割当可能な通信処理リソース制御技術を検証・評価する実験」
東北大学および横須賀リサーチパークにあるそれぞれのテスト環境で、複数の通信サービス1 の利用を発生させ通信混雑状況を擬似的に作り、その環境において、優先度の高い通信サービス(音声通話やメール)を可能な限り接続できるよう、通信リソースを最適化することを実証する。(NEC、富士通) - 「柔軟なトラフィック処理が可能なネットワーク制御技術を検証・評価する実験」
上記の通信混雑やネットワーク障害発生状況のなかでも、優先度の高い通信サービスが可能な限り相手に伝達できることを実証する。(NEC) - 「ネットワーク状況管理運用技術を検証・評価する実験」
上記のような通信混雑やネットワーク障害に対応するために、ネットワーク上に仮想的に構築されたサーバやルータ等の接続に変更が生じても、発生している状況や接続形態の全体像を一元的に把握できるような情報管理が行えることを実証する。(富士通) - 「災害時に役立つ情報通信サービスを検証・評価する実験」
東日本大震災時に被災地域で実際に得られたノウハウを活かし、通信混雑が起こっても災害時に役立つ各種情報(安否情報、利用者の避難行動や安全の確保に役立つ情報、被災者救援スタッフの活動を支援するための情報)を安全で効率よく伝達できる情報共有プラットフォームを検討し、その有効性を実証する。(東北大学、日立東日本ソリューションズ) - 「全体アーキテクチャの検討および運用」(ドコモ)
別紙2 実証実験内容のイメージ
大規模災害発生時に、動画再生や音楽などの通信を制御し、安否確認等で最も利用される音声通話やメールを優先的に通信しやすくすることにより、迅速に通信混雑を解消させる技術の実験。
各社・大学の役割
各社・大学名 | 概要 |
ドコモ |
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東北大学 |
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NEC |
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日立東日本ソリューションズ |
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富士通 |
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報道発表資料に記載された情報は、発表日現在のものです。仕様、サービス内容、お問い合わせ先などの内容は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。