2012年8月13日に発生した「WORLD WING(国際ローミングサービス)がご利用しづらい状況」に関する原因と対策について
<2012年8月29日>
株式会社NTTドコモ
NTTコミュニケーションズ株式会社
2012年8月13日(月)〜15日(水)にわたって、「WORLD WING(国際ローミングサービス)がご利用しづらい状況」が発生し、多くのお客様に多大なるご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)ならびにNTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は、今回の事象を重く受け止め、これまでに事象の発生原因の究明を進めるとともに、再発防止策について検討をしてまいりました。
今回の事象では、ドコモの国際ローミングサービスで使用している国際共通線信号網1 (NTT Comが管理)の輻輳により、国際ローミングサービスがご利用しづらい状況が発生いたしました。これまでの調査により、国際共通線信号網内の通信設備に設計上の問題があり、トラフィックの疎通が偏っていたため、本来の処理能力を発揮できていなかったことが主な原因と判明いたしました。こうした十分でない処理能力の状態において、海外渡航シーズンで通常よりもトラフィックが増えたことにより、輻輳が発生いたしました。
これらの対策として、国際共通線信号のトラフィックを平準化するソフトウェア改修を実施するなどの対処を行なうとともに、今後は更なる信頼性を図るために、設備の増強等を行なってまいります。
今回、発生した事象の内容と原因および再発防止策の詳細については、別紙のとおりです。
今後、ドコモとNTT Comは、通信障害発生時等の緊急時における体制強化、ならびに積極的な情報交換による連携の強化を一層進めるとともに、お客様へのお知らせの迅速化についても、両社で取り組んでまいります。
別紙 「WORLD WING(国際ローミングサービス)がご利用しづらい状況」について
1.事象の内容
(1)発生期間 : 2012年8月13日(月)18時24分〜2012年8月15日(水)2時13分
(2)発生事象 : WORLD WINGがご利用しづらい状況(音声、パケット)
(3)影響範囲 : WORLD WINGを提供する国・地域(220の国と地域) 約8万人
2.発生原因(参考資料参照)
- NTT Comが管理する国際共通線信号網内の通信設備に設計上の問題があり、トラフィックの疎通が偏っていたため、本来の処理能力を発揮できていなかったことが原因
- 発生原因 IP−STP(共通線信号中継装置)と国際交換機間においては、国別に経路が選択されているが、特定経路にトラフィックが偏っていた。
発生原因 IP−STPと国際交換機間のリンクにおいて、複数のリンクのうちの特定のリンクにトラフィックが偏っていたために、半分程度の帯域しか利用できなかった。
3.再発防止策
【緊急対策】
(1)IP−STPと国際交換機間におけるリンク選択や国別経路選択の設定を修正し、トラフィックの偏りを解消(NTT Com)
- リンク選択 : 8月14日(火)に対応済
- 国別の経路選択 : 8月16日(木)に一部対応済、9月上旬に再見直し
(2)ドコモ・NTT Com間の連携・体制強化(ドコモ・NTT Com)
- 障害発生時における緊急体制の構築(体制構築済)
【本格対策】
(1)一部の国際通信事業者向け中継経路を、IP−STPから海外中継事業者への直接接続に切替。(NTT Com)
(2)新型国際交換機へ移行し、網内の信号処理能力を向上(NTT Com)
(3)中継事業者の冗長化の拡大(ドコモ)
- 1国1オペレータのサービス維持を目的に、現在NTT Comに収容しているオペレータを他の中継事業者へ一部変更。
(4)ドコモ・NTT Com間の連携・体制強化(ドコモ・NTT Com)
- 設備の利用状況共有および問題発生時の対策検討などを実施する定期会合の開催
(5)お客様に対するお知らせの迅速化(ドコモ・NTT Com)
(PDFファイルが開きます)参考 国際共通線信号網輻輳の発生原因(8月13日) (PDF形式:71KB)
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