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2025年1月

Activity Reports

「Asia IP Elite 2024」に選出

2024年6月,NTT(NTT持株会社およびドコモ)は国際的に著名な知財メディアであるIAM(Intellectual Asset Management)社(本社:英国ロンドン)が選考する「Asia IP Elite 2024」に選出されました.これは,アジア・太平洋地域における知的財産創造の代表的な取組みを紹介するため,知的財産をビジネス戦略の中心に位置付けている企業・組織を選ぶものであり,今回は合計93の企業・組織が選ばれています(国内は25企業が選出).

NTTの選出理由は,①2021年に金融庁が導入したコーポレートガバナンスコードに対応した知財情報発信,②スマートメーターに関する4G標準必須特許のプールライセンス活動の2点であり,②はドコモの取組みが評価されたものです.

ドコモは今後も,自らが描くモバイル通信の未来を切り開くため,R&D技術力を培い,研究開発に取り組んでいくとともに,事業に貢献する知財活動を進めて参ります.

2024年「IEC 1906賞」受賞

2024年10月8日に無線アクセスデザイン部の河合 邦浩は,令和6年度産業標準化事業表彰式に併せて開催された「IEC 1906賞」伝達式において,「IEC 1906賞」を受賞しました.「IEC 1906賞」は,国際電気標準会議(IEC:International Electrotechnical Commission,本部 スイス ジュネーブ)が電気・電子技術の標準化およびその関連活動への多大な貢献・業績を称えるため,個人に対し授与されるものです.なお,1906とはIECが設立された年に由来しています.

河合は,IECのTC(Technical Committee)のうち,半導体デバイスの標準化にかかわるTC47配下のSC(Sub Committee)47/WG(Working Group)2に所属する専門家(Expert)として,携帯電話基地局や端末において電波を送信・受信する際に用いられるようなマイクロ波半導体デバイスの国際標準化活動に取り組んできました.この活動は,マイクロ波半導体デバイスの性能と測定方法を定義する国際規格を策定していくもので,これらの規格に準拠したデバイスの性能は,適切かつ統一された,定義および測定方法に基づいて取得されたものであることが保証されます.また河合は,WG2のコンビナー(Convenor)として同グループを取りまとめる役割を担い,マイクロ波半導体デバイスの規格の策定・変更や文書のメンテナンスのための国際会議における議論の活発化と円滑化に尽力するとともに,指導的な立場から,規格の策定に取り組む各国のExpertへ助言をするなど,国際規格の成立・維持に貢献してきました.

これらの国際標準化活動に関する長年にわたる貢献が認められ,今回の受賞となりました.

第12回(令和6年)電気通信協会「ICT事業奨励賞」受賞

2024年11月22日に,データプラットフォーム部の山田 直治が「顧客理解エンジンdocomo Senseの実用化」に関する功績により,「ICT事業奨励賞」を受賞しました.ICT事業奨励賞は,ICT 事業の技術的推進・普及・発展のために顕著な貢献をしており,中心的かつリーダー的役割を果たしている個人を対象に,一般社団法人電気通信協会より授与されます.

ドコモでは,通信サービス・スマートライフサービスの提供を通じて,dポイントクラブ会員の基地局位置情報,dポイント・d払い・dカード決済情報,スマートフォンアプリ利用情報,ドコモサービス利用情報などの行動データを有しています.このデータから,お客さまから事前に許諾をいただいた上で,独自の位置解析技術やスコアリング技術により,お客さまの属性や興味関心,店舗やサービスの利用予兆を推定する顧客理解エンジンdocomo Senseを開発・実用化しました.サイバー空間に,店舗訪問実績やイベント参加実績,店舗でのポイント利用実績などのリアル空間での行動データを統合した,国内では類を見ない解析システムとなっています.

山田は,docomo Senseの位置解析技術を自ら開発し,国内論文誌採録・国際会議発表・国内特許取得を行いました.また,実用化に向けて約20名の社員・協力社員から構成される開発チームを統括し,お客さまの行動データを分析する大規模データ分散処理システムをクラウドサービス上に構築しました.さらに,docomo Sense活用拡大に向けて,dポイントクラブ会員の利便性向上(訪問予定地を推定した降雨情報などの提供),パートナー企業の収益向上(潜在顧客へのクーポンなどのお得情報配信によるdポイント・d払い加盟店送客),社会課題解決(送客による地域活性化や交通流実態把握)などを提案したことと商用導入を実現したことが評価され,今回の受賞となりました.

第57回「電気通信産業功労賞」受賞

知的財産部の森本 彰人が「電気通信産業功労賞」(業務改善,改良・開発)を受賞し,2024年11月22日に開催された第57回電気通信産業功労賞贈賞式において表彰されました.

同賞は,電気通信技術の普及・啓発活動などに取り組む一般社団法人電気通信協会(昭和13年設立)が表彰しているもので,電気通信事業・放送事業またはこれに関連する事業に永年従事し,優秀な技能と善良・勤勉な人格をもって事業の発展に寄与した方,あるいは創意工夫,機器の改良開発により事業の発展に貢献された方々を選考して,その功績を顕彰するものです.

森本は,第4世代移動通信システム(4G)で平成17年に屋外実環境のOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)・MIMO(Multiple Input Multiple Output)による実証実験を自社で初めて成功(1Gbit/sリアルタイム伝送)させ,開発技術を3GPP RAN1(3rd Generation Partnership Project Radio Access Network Working Group 1)で会合提案・標準仕様化することにより世界各国での商用化に貢献したほか,第5世代移動通信システム(5G)では,平成25年から現在まで大規模MIMOなど主要技術の標準化・標準必須特許取得を担当し,日本の技術普及(5G標準必須特許の自社シェア世界3位[1])に貢献したと評価され,今回の受賞となりました.なお,標準化・知財双方の業務で実績をあげたドコモ社員としては初めての受賞になります.

文献

  • [1] 株式会社サイバー創研:“プレスリリース:サイバー創研,「5G-SEPと5G実現特許,5G標準化寄書での新たな動き」の調査・分析報告を発表 ~5Gは無線機能の実装技術へ移行,新機能は6Gアーキテクチャへのシフトを期待~,”May 2024.
    https://www.cybersoken.com/topics/922/別ウインドウが開きます
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