3GPPの組織と活動内容
組織構成
3GPPは、PCG(Project Co-ordination Group)の配下に3つの検討グループ(TSG:Technical Specification Group)という構成で運営されています(図1)。
PCGでは、3GPP全体の運営方針の検討と、その配下で技術の検討を行っているTSG(表1)間の連携を調整します。またTSGの配下には、各技術の内容に応じて実際の検討を行う複数のWG(Working Group)が存在します。
表1 3GPPの検討グループ
図1 3GPPの組織構成とドコモの議長・副議長就任状況
ドコモでは、3GPP標準化の主力となるグループで、副議長を担当しています(図1)。
議長または副議長の役割は、メンバが集まる標準化会合において、その方針とスケジュールを決めた上で、議論の取りまとめと合意事項の決定の判断を下し、グループの検討が円滑に進むよう責任をもって進めることです。
標準化の手順
標準化の手順はTSG RAN/SA/CT共通であり、3つのステージから構成されます。
図2 標準化の手順
まず要求条件を規定し(ステージ1)、その後に要求条件を元にアーキテクチャを規定(ステージ2)、最後にプロトコル仕様を規定(ステージ3)します。各ステージにおいて、世界各国の通信事業者や通信機器メーカが多数集う会合が開催され、集中的に課題や解決方法の議論を行うことで、ようやく標準仕様が完成します。
3GPPが策定した標準仕様
3GPPが策定した主な標準仕様について、完成時期とドコモにおけるサービス名称、サービス開始時期を紹介します。
主な検討技術 | 標準仕様完成時期 | ドコモサービス名称 | サービス開始時期 |
---|---|---|---|
W-CDMA (Wideband Code Division Multiple Access) |
2001年3月 | FOMA | 2001年10月 |
HSPA (High Speed Packet Access) |
2002年9月 (Downlink高速化) 2005年9月 (Uplink高速化) |
FOMAハイスピード | 2006年8月 (Downlink高速化) 2009年6月 (Uplink高速化) |
LTE (Long Term Evolution) |
2009年3月 | Xi、LTE | 2010年12月 |
VoLTE (Voice over LTE) |
2009年3月 | VoLTE | 2014年6月 |
LTE-Advanced | 2011年6月 | PREMIUM 4G | 2015年3月
|
EVS (Enhanced Voice Services) |
2015年3月 | VoLTE(HD+) | 2016年5月 |
IoT (Internet of Things) |
2016年3月 | LTE-M、NB-IoT | 2018年10月 (LTE-M) 2019年4月 (NB-IoT) |
5G (5th Generation) |
2018年6月 | 5G | 2020年3月 |