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スマート治療室×5Gの
次世代医療ソリューション

概要

感染症拡大によりさらにニーズが高まっている遠隔医療。情報通信技術の向上に伴い医療サービスにもさまざまな革新がもたらされています。ドコモは通信技術を駆使して地域医療格差や災害医療などの社会課題解決をめざし、パートナーとともに社会実装に向けた取組みを加速させています。

地域医療格差と災害医療

日本の医療提供体制は、都市部と地方の格差、災害時の医療提供の困難さなど、さまざまな課題を抱えています。たとえば、へき地や離島では医師不足が深刻化し、医療アクセスに大きな格差が生じています。大規模災害発生時には、被災地での医療提供体制の構築が急務となりますが、既存の体制では対応が難しい場合も少なくありません。さらに、高齢化の進行に伴い、在宅医療や巡回診療のニーズはますます高まっており、これらの解決は喫緊の課題となっています。

スマート治療室×5Gの次世代医療ソリューションの概要

  • 東京女子医科大学で開発・臨床導入されたIoTを活用した最先端の手術室であるスマート治療室*1とドコモの5Gを組み合わせて、高度遠隔医療ソリューションを開発しています。
  • 本ソリューションはスマート治療室を車両へ搭載した移動型手術室である「モバイルスマート治療室」と、5Gを用いて治療室内の医療機器などの情報を遠隔地へ伝送する「COBSデバイス*2」から構成されます。モバイルスマート治療室には通信機能を搭載し、商用5Gおよびクラウド基盤(docomo MEC®*3、MECダイレクト®*4)を介してCOBSデバイスへ車両内の様子や医療機器の情報をリアルタイムかつセキュアに伝送することができます。これにより、遠隔地の熟練医や専門医がCOBSデバイスを用いて診断や治療の状況を把握し、意思決定支援を行うことで安心安全な高度医療を実現することができます。
  • モバイルスマート治療室は平時・有事の両方のケースでの活用を想定しており、地方や過疎地域を巡回して診断から治療までを行い、地震などの災害時には被災地へ駆けつけて救急処置を行うことを想定しています。また、5Gを介して伝送される医療情報はクラウド基盤上のデータベースへ蓄積・参照が可能であり、診断や治療の支援のみならず、過去の症例の振返りや若手医師の教育用としても活用が期待されています。
  • スマート治療室は、東京女子医科大学が主導して、広島大学、信州大学、デンソー、日立製作所など11社とともに、IoTを活用して各種医療機器・設備を接続・連携させ、手術の進行や患者の状況を統合把握する戦略デスクの導入により、手術の精度と安全性を向上させることを目的としています。
  • Communication Business System for medical providersの略称で、5Gとクラウドサービスを活用して開発中の医療用プラットフォームです。
  • 「docomo MEC」は、5G時代に求められるMEC(Multi-access Edge Computing)の特長である、低遅延、高セキュリティなどの機能を持つドコモのクラウドサービスです。
  • 「MEC ダイレクト」は、ドコモが提供する接続端末とクラウド基盤を直結して通信経路を最適化することで、5Gによる低遅延・高セキュリティ通信を実現するサービスです。
docomo MEC(MECダイレクト)の図

技術課題

診断画像や手術映像、生体情報などの診断・治療で用いる医療情報を通信回線で遠隔地に伝送することで、遠隔支援が可能になります。しかし、そのためには以下の技術的課題を克服する必要があります。

低遅延通信

モバイルスマート治療室内の医療情報をリアルタイムに遠隔地へ伝送し、円滑にコミュニケーションや指示伝達を行うためには、拠点間の通信遅延を最小限に抑える必要があります。

広帯域通信

高精細な手術映像などの大容量データの伝送には、大きな帯域幅を確保する必要があります。

高セキュリティ

患者情報が含まれる医療情報を取り扱うため、強固なセキュリティ対策が不可欠です。

技術の詳細

高度遠隔医療ソリューションでは、以下の技術アセットを活用しています。

5G通信

5Gの高速・低遅延通信を活用することで、高精細な医療映像や大容量データのリアルタイム伝送を実現します。5Gのエリア内であれば、場所を問わず、病院内はもちろん、自宅や出張先などでもサービスを利用することができます。

docomo MEC

ドコモ網と直結した複数拠点のMECサーバーにより低遅延のクラウドサービスを提供し、インターネットを介したデータ伝送よりも低遅延で医療情報のやりとりを行え、リアルタイムな遠隔支援を実現することができます。

MECダイレクト接続

インターネットを経由しない閉域網接続により、サイバーセキュリティ対策も行っており、医療情報を安全に伝送することができます。

まとめ

高度遠隔医療ソリューションは、地域医療格差の是正と災害医療の強化に大きく貢献する可能性を秘めています。引き続きパートナーと一緒に実証実験で実績を積み上げ、さらなる技術向上と実用化に向けた各種課題の解決に努め、早期社会実装を目指します。

主な対外活動

<リリース・SNS発信>

<出展・イベント対応など>

  • 大阪・関西万博開会式への車両派遣(2025/4/12)
  • Medtec Japan 2025(2025/4/9-11)
  • 東京女子医科大学看護学会第20回学術集会(2024/11/6)
  • サイエンスアゴラ2024(2024/10/26-27)
  • Medtec Japan 2024(2024/4/17-19)
  • 関東大震災100周年啓発イベント(2023/9/2)
  • Medtec Japan 2023(2023/4/19-21)
  • メディカルクリエーションふくしま2022(2022/10/27-28)
  • 第69回日本心臓病学会学術集会(2021/9/17-19)
  • 第85回日本循環器学会学術集会(2021/3/26-28)
  • docomo Open House 2021(2021/2/4-7)

<論文・雑誌など>

協力パートナー

東京女子医科大学別ウインドウが開きます

<パンフレット>

問い合わせ先

ソリューション技術担当 モバイルイノベーションテック部 株式会社NTTドコモ
6g_medical_ml@ml.nttdocomo.com
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