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人に寄り添う対話技術

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背景・課題

大規模言語モデル(LLM)の登場により、性能が大幅に向上した対話システムが、カスタマーサポートなど多くの分野で利用されています。さらに、対話システムを利用した人の活動を支援することへの期待も高まってきております。このような背景を踏まえ、人と対話システムの間での長期的な関係を築くために、システムが記憶した過去の対話から関係のある箇所を適切に取り出し、さらに対話履歴と知識グラフを組み合わせ、ユーザーの興味や関心に沿った対話を行うシステムを開発しました。

技術の概要

技術は、大きく2つの要素から構成されます。1つは、対話相手のことを理解する技術、2つ目は、理解した結果を対話へ活用する技術です。人を理解する技術として、ドコモでは、docomo Sense別ウインドウが開きますなどの取組みを通じて、人の興味関心や位置に関する分析を実施してきました。しかし、人に寄り添った対話を実現する上で、より深く人を理解する必要があると考え、人の内面(たとえば、こうありたい理想像など)を理解する技術の開発を進めております。理解した結果を活用する技術として、対話を個々人に合わせる技術の開発を進めております。第一歩として、記憶に着目し、(1)人と対話システムの対話履歴のなかで人の理解結果をもとに重要度を付与する技術、(2)知識グラフを用いて、人の理解結果をもとに探索を行うことで、人に合わせた話題を対話に盛り込む技術を開発しました。

技術の詳細

人との対話のなかで、過去に話した内容を適切に盛り込んで、話し手に対してフィードバックすることは、信頼を得ていく上で重要と考えております。対話の履歴は、テキストを特徴量(実数ベクトル)へ変換し、DB(空間インデックス)を構築することで、高速に検索できるシステム(RAG)を開発しています。その際に、記憶の最適化を行うことで、より適切な記憶を取り出せると考え、人の好みや志向といった理解結果を用いて最適化を行っております。また、対話に飽きがこないようにするために、適切に話題を振ることも重要と考えております。そこで、wikipediaなどを用いて、一般的な知識の体系である知識グラフを構築しました。さらに、知識グラフから話題を検索する際にも、人の理解結果を踏まえた検索を行うことで、よりその人に合わせた話題を提案できるようにしております。

まとめ

この技術がもたらす未来は、単なる情報のやりとりを超えた、人とAIの信頼関係に基づくコミュニケーションです。
AIが過去の対話や人の内面を理解し、その知見を活かして対話を積み重ねることで、人は「自分のことをわかってくれている」というあんしん感を得られます。
人を支援する対話システムとしては、ユーザーの理想像や興味関心を踏まえて、長期的に寄り添う伴走者のような存在となり得ます。日々の生活においては、学習や仕事を支援するだけでなく、趣味や対話を通じて気持ちを理解し、共感するパートナーへと進化していきます。
さらに、知識グラフを用いた柔軟な話題提案や記憶の最適化により、人が会話に「飽きない」「あんしんできる」環境が広がります。これにより、教育、医療、福祉、エンターテインメントといった幅広い分野で、人に合わせた最適なコミュニケーションが可能になり、人とAIがともに成長し続ける社会を実現していくでしょう。

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