電波伝搬エミュレータ
1.概要
第6世代移動通信システム(6G)では、無線性能を最大限に引き出すための最適な制御を行うために仮想空間上においてシステムエミュレーションを高精度かつ高速に行い、エミュレーション結果をもとに、現実のシステムを制御することが検討されています。システムエミュレーションには、システムで利用する電波が伝搬する様子を模擬する電波伝搬エミュレータ(シミュレータ)が必要となります。一般的な電波伝搬エミュレータでは、評価する環境となる市街地などのビルや地形などの構造や、オフィス、ショッピンモールなどの屋内の構造をエミュレータ上に再現して、これらの構造物に電波が到達した際の現象をエミュレートすることにより、基地局から移動局に到達する電波伝搬の様子を再現します。6Gが求めるシステムエミュレーションの実現のためには、高精度かつ高速な電波伝搬エミュレーションが必要であり、構造物モデルの高精度化や高速計算手法の開発が重要となります。
2.創出する価値
ドコモでは、上記のシステムエミュレーションに資するための電波伝搬エミュレータの実現のために、カラーイメージ法および点群データを利用した5G/6Gシミュレータの研究開発に取り組んでいます。カラーイメージ法は、評価エリアの建物データベースの各壁面に異なる色を割り当てたグラフィカルイメージを利用することにより電波の受信レベルを求める手法であり、従来手法と比較して、計算の高精度化および高速化を図ることが可能であり、より高精度および高速なシステムエミュレーションの実現に資する手法です。また、点群データを利用した5G/6Gシミュレータは、今後、電波伝搬エミュレータおよびシステムエミュレータへの発展が期待されています。具体的には、特定のオフィスや工場などに5G/6Gを導入する際に、導入環境において取得した点群データを利用した電波伝搬シミュレーションをベースに、受信レベルやシステムのスループット性能を可視化して、導入前のシステムの最適化評価や、ユーザーのシステムの導入検討に役立ちます。今後、より高速および高精度なシステムエミュレーションに資するために、電波伝搬エミュレータの改善を図る予定です。
カラーイメージ法
点群データを利用した5G/6Gシミュレータ
<関連リンク>
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点群データを利用した5G/6Gシミュレータ: