ドコモ杯女流棋聖戦

文化支援活動の一環として「ドコモ杯女流棋聖戦」の協賛を行っております。ドコモ杯女流棋聖戦も27回目を数え、女流プロタイトルとして、歴史とともに権威ある大会となっております。

第27期ドコモ杯女流棋聖戦

上野梨沙二段が本選を勝ち抜き仲邑女流棋聖へ挑戦。
囲碁界初の10代対決は、上野二段が勝利!
第27期女流棋聖のタイトルを獲得されました。

挑戦手合三番勝負 スケジュール・結果

  • 第一局:2024年1月18日(木曜)・仲邑女流棋聖の勝利
  • 第二局:2024年1月25日(木曜)・上野二段の勝利
  • 第三局:2024年2月5日(月曜)・上野二段の勝利

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第27期ドコモ杯女流棋聖戦(nihonkiin.or.jp)別ウインドウが開きます

第26期ドコモ杯女流棋聖戦

第26期 挑戦手合(決勝戦)の模様

第26期の挑戦手合三番勝負は、三連覇のかかる上野 愛咲美(ウエノ アサミ)女流棋聖と、最年少タイトルホルダーを目指す仲邑 菫(ナカムラ スミレ)三段との顔合わせとなりました。

第一局では上野女流棋聖が白番中押しで勝利、第二局では仲邑三段が白番半目勝ちし、勝負のゆくえは第三局に。2月6日(月曜)に行われた第三局にて、仲邑三段が白番中押し勝ちで勝利をおさめ、女流棋聖のタイトルを史上最年少で獲得。3月8日(水曜)に行われた女流棋聖就位式にて、第26期女流棋聖に就位し、中学生タイトルホルダー誕生となりました。

2023年1月26日 挑戦手合第二局の模様

2023年1月26日 挑戦手合第二局の模様。上野女流棋聖(左)と仲邑三段(右)

2023年2月6日 仲邑三段

2023年2月6日 挑戦手合第三局にて勝利した仲邑三段。対局直後の記者会見にて

ドコモ杯・花束を授与された仲邑女流棋聖

2023年3月8日第26期女流棋聖就位式にて。ドコモ杯・花束を授与された仲邑女流棋聖

スペシャルインタビュー

仲邑女流棋聖・日本棋院 小林理事長・ドコモ担当者が対談を行い、女流棋聖戦への想いや素顔に迫りました!

ー仲邑さん、このたびの第26期ドコモ杯女流棋聖タイトル獲得、おめでとうございます。

仲邑女流棋聖(以下、仲邑):ありがとうございます。

ー仲邑さんにとって今回の女流棋聖戦はどのような勝負だったのでしょうか。

仲邑:スタジオ対局もあったので、すごく緊張しました。女流棋聖戦は秒読みが一手30秒の早碁なので、ほかの棋戦とはだいぶ違います。そんなことでの緊張感もありました。自分では持ち時間が長いほうが得意というつもりでいたので、最初に獲得したタイトルが早碁の女流棋聖戦だったことにびっくりしました。

小林理事長(以下、小林):女流棋聖戦は今回で26期となり、今では囲碁ファンの誰もが知る棋戦になっています。女流棋聖戦はほかの女流棋戦と比べてスピードのある試合を求めており、瞬発力がないとなかなか勝ち上がることができません。日頃の勉強がとてもいきる展開となるので、ファンのみなさんからすると毎回ドキドキする試合になっていると思います。

インタビューに答える仲邑女流棋聖

インタビューに答える仲邑女流棋聖

インタビューに答える小林理事長

インタビューに答える小林理事長

ーお母さまから教えていただいたのですが、菫さんが試合の翌朝に「夢でなくてよかった。夢だったらどうしようと思っていたけれど本当だった」と語っていたそうですね。朝になって実感がわいてきたのでしょうか。

仲邑:試合直後には勝利の実感があまりわかなかったのですが、まわりからおめでとうとお祝いを言われて、ああ勝ったんだなあと。でも、試合前後で自分の気持ちが大きく変わったかというと、あまり変わっていないように思います。

小林:三局目は力勝負だったと思います。両者が力を出し切ったという印象がありました。そういう意味では二人とも、勝っても負けても後悔しなかったと思います。

ー仲邑さんは、勝利後に「反省点もあるが、戦いの碁で勝てたのはよかった」と語っていました。反省点とはどんなことですか。

仲邑:三局目の序盤でやりすぎちゃって。一気に形勢を損ねてしまいました。それが反省点です。その後になんとか挽回できたことが勝利につながったと感じています。

ー仲邑さんにとって今回の女流棋聖戦は4度目の挑戦でした。小林理事長は仲邑さんの成長のスピードなど、タイトル戦での戦いをどのようにご覧になっていますか。

小林:去年の女流囲碁最強戦ではもう少しで勝てるようなところまでいきながら、逆転されて負けたので本人も本当につらかったと思います。しかし、仲邑さんは立ち直りがとても早かった。それからの試合内容がとてもよく、結果も出してきました。それは並大抵のことではないなと思います。

ー今回の対戦者は上野愛咲美さんでした。対局以外では上野さんや棋士仲間でどんな話をされているのでしょう。

仲邑:棋士の仲間同士では碁の話はほとんどしないですね。お互いに触れないというか。私は音楽が趣味なので、好きな歌手のことなどです。

小林:仲間うちでは勝っても負けてもこれまでどおりといったところでしょう。時代とともに棋士同士の接し方も変わってきました。昔の先生がたは、戦う相手とは眼もあわせなかった。しかし今の若い人たちは、碁を打っているときと離れているときの切り替えをうまくやっていますね。

笑顔を見せる仲邑女流棋聖

笑顔を見せる仲邑女流棋聖

仲邑女流棋聖と小林理事長

仲邑女流棋聖(右)小林理事長(左)

ー仲邑さんの現在の目標や夢を教えてください。

仲邑:男女混合の一般棋戦での本戦、リーグ入りが大きな目標です。なかでも三大棋戦(棋聖戦、名人戦、本因坊戦)ですね。

小林:私が見ていて、仲邑さんをはじめとして女流棋士はみな、目標の高さと努力が本当にすごい。その勉強量には驚かされます。そして世界で頑張れるようになろうという人が非常に増えました。仲邑さんは去年、男女一緒の世界戦で一勝をあげています。対戦相手はもちろん強い棋士でしたが、しっかりと勝っている。2回戦でもあと少しで勝てるところまでいきました。そういう意味では世界戦でも戦えています。こうして確実な手応えを感じているというのは仲邑さんにとって大きなことでしょう。

ー仲邑さんは、「尊敬される棋士になりたい」ともおっしゃっていましたが、3才から囲碁を始めた仲邑さんに憧れるお子さまもたくさんいらっしゃると思います。尊敬される棋士ということについてお聞かせください。

仲邑:プロ棋士ですので囲碁は自分の仕事だと思っていますが、強いだけではなくて、やさしさとかおもしろさとか。尊敬される棋士になりたいというのは、自分の目標のひとつです。

ー仲邑さんはすごい練習量と聞いておりますが、モットーや大切にしている言葉はありますか。

仲邑:「冷静沈着」ですね。

ー対局の前になにか験(げん)をかついですることなどはありますか。

仲邑:特にありません。自分はそういうタイプではないと思います。ただ、対局の日の朝食は納豆ご飯です(笑)。

ー最後に、小林理事長から仲邑さんへの期待などを。

小林:碁の世界はもともと男女の区別がなく一緒にという戦いが主となっています。そのようなプロの世界は案外少ないのではないかと。ただ、今のところ全体としては男性のほうが強いため、女流棋戦がないと女性棋士がなかなか育ってくれません。そうしたなかで、ドコモさんに26年にもわたって女流棋聖戦のご支援をいただいていることを本当にありがたく感じております。仲邑さんも今回の優勝経験を、つぎの男性との棋戦に生かしてくれることでしょう。大いに期待しております。

ーありがとうございます。ドコモとしてもブランドスローガン「あなたと世界を変えていく」のもと、さまざまな活動を通じて文化支援活動や子どもの成長につながるような取り組みを行っております。これからも囲碁界の発展に貢献できるよう応援させていただきます。
本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

小林理事長と仲邑女流棋聖とドコモ担当者

小林理事長(右)仲邑女流棋聖(中央)ドコモ担当者(左)

仲邑女流棋聖が持つ色紙には「夢に向かって 努力する」

揮毫いただいた色紙「夢に向かって 努力する」

※2023年3月15日時点での情報です

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