説明会資料

• 質問者1

  Q1　今期の計画について不透明な部分があるため現段階では非公表ということだが、モバイル通信収入における新料金プランや月々サポートの増減収影響、その他アップセル要素、コスト効率化の見通しなど、ある程度見えている点もあるかと思う。それらの具体的な数値や影響を教えていただきたい。

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  A1　モバイル通信収入のトレンドについて、19年度はコロナウイルス影響を除くと、ギガホ・ギガライトの減収影響があったが19年度は好調であった。第２四半期に計画を400億円上方修正したが、さらにその計画を350億円上振れて着地した。モバイルARPUについては、月々サポートなどの割引適用後では3Qから4Qにかけて減少から増加に反転しており、20年度もこのトレンドが継続することを期待している。一方、実質的な契約数は減少しており、新型コロナウイルスの影響を除いたとしても、モバイル通信収入については、19年度ほどの減少幅ではないが20年度も減少すると見込んでいた。さらには、新型コロナウイルスの影響として国際ローミング収入の減少や、ドコモショップへの来店者減少による3Gからのマイグレーションの減少など不確定要素がある。
  コスト効率化については、19年度は1,300億円の実績ということで、20年度も数百億円、できれば1,000億円を狙いたいと考えている。詳細は事業計画発表時にご報告させていただく。19年度についてはかなりの部分が6月からのダイレクト割の減少がコスト削減に効いていたが、20年度ではさほど大きくないが4・5月分も含めて１年分として効いてくる。代理店に支払うコストについては、ドコモショップにもスマートPOSやRFIDなどによる在庫管理効率化などといったDXを導入し、ドコモ・代理店の双方でコスト効率化につながる施策を実施する。また、ネットワークも装置の集約化や再利用などを進めていく。19年度のコスト効率化はダイレクト割の減少にかなり偏っていたが、20年度は、その他の代理店コストの効率化やネットワークなど、バランスよく実施していきたい。

  Q2　スマートライフ領域について、19年度のｄ払いのキャンペーン影響はどうであったか。また、その他の項目で増減益要因で見えているものは何かあるか。

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  A2　スマートライフ領域は、19年度は営業利益1,600億円を計画していたが、全体の利益も当初計画の8,300億円に対して余裕があったこと、また、競合対抗のためのポイントのキャンペーンや加盟店開拓の外部委託などもあり、19年度については多少利益を犠牲にした。20年度については少なくとも19年度の目標である1,600億円には回復させたいと考えており、今回費用をかけた加盟店や利用者の獲得も後から効果が出てくると思うので、具体的な数値は言えないが、それなりの増益をめざしたいと考えている。

  Q3　新型コロナウイルス影響を除くと、半年前や３か月前にお聞きした状況とあまり変わらないので、今後は、増益傾向に入ると理解してよいか。

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  A3　私たちにも見えない要素というのが、新型コロナウイルスの影響がどこまで続くのかということであり、半年で収束するのか一年かかるのか、あるいは更にかかるのか不明である。緊急事態宣言が出てドコモショップでの受付時間を減らした結果、先日の日曜日の来客数は対前年と比べて約7割減少した。これが長く続くことでどのように影響してくるか、というところはまだ見通せない。収入という面では、それなりに前年度より減少するということが考えられるが、それに対する反対側の要素もあるので、変化や予兆を捉えながら考えていきたい。コスト効率化の話もさせていただいたが、あらゆる箇所でコスト効率化に取り組むことで、現段階では19年度の利益水準をめざしてきたいと考えている。ただ、絶対値としての計画を示すことは難しい。

  Q4　売上や利益計画を開示していない中で、増配というガイダンスは出しにくかったかと思うが、基本的には配当は成長させる方針だったと理解している。また、割賦債権やクレジット債権の流動化を進める方針だと思うが、ドコモでは流動化の資金使途は株主還元がメインだと理解している。今回は自己株式取得の発表もなく、配当は据え置きということで、株主還元に対するこれからの考え方を聞かせていただきたい。事業環境が見えてきて、業績予想を改めて発表する時に、株主還元に対する見直しもあるのか。

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  A4　今回、業績予想は出しておらず、配当だけをお示ししているが、増配を織り込んでいなくて申し訳ない。現在の状況をお伝えすると、一株あたり120円の配当を支払うためには総額で3,900億円が必要となるが、現在それを若干上回る金額が手元にあることに加え、今年度についてもキャッシュフローも決してマイナスにはならないことから前年並みの配当は可能で、これ以上とみていただければと思う。自己株式の取得は、債権流動化とセットで、仮に公開買い付けで買い戻すという方法であればいつでもお伝えできるので、業績予想も出していないことから今回は自己株式取得の見通しも申し上げなかった。割賦債権の流動化の準備がまだできていないので、もし実施するならば第２四半期以降ということになろうかと思う。そういう意味で現段階では自己株式の取得については申し上げていない。

• 質問者2

  Q1　モバイル通信サービス収入について、新型コロナウイルスの影響を除いたトレンドを確認したい。対第3四半期でモバイルARPUに上昇の兆しがあり、このトレンドが続くという説明があったが、もう少し詳細に教えてほしい。20年度も新料金プランへの移行、月々サポートの削減、マイグレーション、アップセルなどがスローペースで進む中で、割引適用後のモバイルARPUは今後どのようなトレンドになるのか。

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  A1　割引適用後のモバイルARPUについて、反転のトレンドが続くと申し上げたのは、19年度の第3四半期を底にして少しずつ上昇することを期待しているという意味である。前年同期比ではまだマイナスだが、新型コロナウイルス影響が無ければ、割引適用後のモバイルARPUは20年度の第2四半期か、遅くとも第3四半期に対前年同期比でプラスに反転し、年間でも19年度を上回ることを期待していた。光ARPUについては、ドコモ光の契約者数増に伴ってまだ伸びると考えている。また、モバイル通信サービス収入が減収になると申し上げたが、これは主に契約者数の減によるものであり、割引適用後のモバイルARPUは反転を期待していた。ただし、繰り返しになるが、モバイルARPUについても新型コロナウイルスの影響を含めると予断は許さない状況である。 元々、20年度はマイグレーションによって100円程度のプラス効果を期待していた。マイグレーションのプラス効果は半減まですることは無いと思うが、仮にそうなった場合は50円の影響を受けるということになる。国際ローミング収入についても、ゼロに近くなる可能性もあり、モバイルARPUとしても数十円程度の影響が見込まれることになる。

  Q2　新型コロナウイルス影響が無ければ、20年度の割引適用後のモバイルARPUは、第2四半期か第3四半期以降にプラスへ反転するという説明があったが、これはMVNO向けのパケット接続料における将来原価方式への変更や、音声通話の卸料金値下げなどの規制対応も考慮した上での計算なのか。

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  A2　新型コロナウイルスの影響は見込んでいなかったが、規制対応のリスクや、競合対抗の影響については、毎年のようにある。モバイル通信サービス収入の計画については、それなりのリスクを織り込んでいる。(注:MVNO向け卸売収入などはモバイルARPUの算出対象外)

  Q3　キャッシュフローについて。割賦債権の流動化については、まだ準備ができていないという話だったが、準備ができれば実施するのか。もしくは今年は事業の見通しが不透明なため、様子を見るつもりなのか。

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  A3　よほど大きな投資案件がない限り、手持ちの現金と事業から生み出されるフリーキャッシュフローで事業運営は十分可能。割賦債権の流動化を実施するということは、自己株式の取得を実施する時だと思うが、いつ実施するかは決めていない。19年度の第4四半期にクレジット債権の流動化を実施し、オフバランスとフリーキャッシュフローの増加に成功した為、あとは事務手続きの話。割賦債権流動化の準備は20年度の第2四半期に整う予定だが、実施するかどうかはタイミングも含めて明言できない。

  Q4　現在の金融環境を考慮すると、買い手がいないという懸念があるのではないか。

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  A4　そこを含めて検討しているが、信用力については問題ない債権のため、大丈夫だと思っている。

• 質問者3

  Q1　新型コロナウイルスについて、コスト面で影響が出そうな部分があれば教えてほしい。

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  A1　コスト面は販売が落ちると連動して代理店手数料が減少したり、さまざまな施策が遅れることにより一般経費が遅れて生じたり、設備投資が減るとそれに対応する償却費が減少するという影響などが挙げられる。いずれにしても大半は実質的に費用が減るのではなく、20年度以降に遅れて費用が生じるものであるため、あまり良い費用削減ではない。一方、費用が増加する要因については思い当たるものはない。

  Q2　5Gの20年度で250万契約、23年度で2,000万の契約数目標については、個人契約・法人契約の両方を含んだ数値という理解で良いか。また、その場合にモジュールの契約数は計画に含んでいるという理解で良いか。

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  A2　5Gの契約数目標はいずれも個人契約・法人契約両方を含んだ数値であり、モジュールについても計画に含んでいる。なお、現段階で5Gは4万程度の契約であり、今年度下期からスタンダード端末の販売などによる契約数拡大を見込んでいるが、新型コロナウイルスの影響についてはこれから精査をしていく必要があると考えている。

• 質問者4

  Q1　新型コロナウイルスの影響として4月以降のトラヒック増、特にデータ通信で、モバイル通信収入に与える影響の考え方、MNPなどの競争環境に与える影響などを教えてほしい。

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  A1　3月末から4月の緊急事態宣言後の前提で、音声データのトラヒック影響についてスライド内で触れた。音声については3月末くらいから対前月5～6％の増で、テレワークの推進なども含め特にビジネスでの音声のコミュニケーションが増えたと予想している。ただ、特段カケホーダイの加入者が増えているわけではなく、収益側にも顕著に影響が出ているというわけではなく、カケホーダイ利用者の中での利用増のようにも見える。
  データ通信については、1月以降ギガホの増量キャンペーン影響で対月年5～6％の伸びを示していたが、3月後半からの緊急事態宣言後に増えたかというと、それほど増えていない。従って決算スライド内でも「微増」という表現をしており、モバイルデータ通信への影響という意味では限定的である。
  また、MNPは2019年10月の事業法改正に伴い、端末の販売方法など工夫して実施しているが、ポートアウト・ポートイン含め絶対値がかなり減少している。そういった意味ではコロナウイルスの影響としてはMNPが活性する方向には働かないという印象である。

  Q2　楽天のサービスインに伴いローミングが2GBから5GBに変更とした。それを含めて、足元で何か影響はあったか。また楽天がローミング容量を5GBに増量したことによりドコモの楽天の競争力に対する考え方に変化はあるか。

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  A2　楽天は4月8日の商用サービス開始当日にバージョン2.0を発表し、ローミング容量の5GBへの追加や5GBを超えた際の速度制限を1MB/sへ緩和するなどしたが、少し驚いた。ドコモからのポートアウト動向や、楽天の次の端末ラインナップや5Gサービス開始見込みなど、今後注視しなければならない点はあるものの、新型コロナウイルスの影響などもあり現時点で大きな影響が出ているかと言えばそうではない。我々としては、今までやってきた新料金プランやネットワーク、サービスサポートといったところを引き続きしっかりやっていくことで、今のところは対抗できると考えている。

• 質問者5

  Q1　本日のプレゼンテーションにて20年度は新時代への成長に向けたスタートの年ということであったが、今期以降は増益を目ざすという方向感に変更はないか。たとえば、増益よりも今後の成長に向けた投資を拡大するという考え方の変化などはないか。

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  A1　新型コロナウイルスの影響もあり不確定な部分はあるため業績予想については開示していないが、今後の成長に関して、利益面では19年度を底にして回復させる考え方には変更はない。
  2020年代の始まりである今年が様々な意味で節目になると考えている。金融決済についてもご利用いただける会員数が非常に増えており、会員をベースにしたデジタルマーケティングについても具体的にマネタイズをしていく段階にある。5Gの導入も踏まえ更なる成長を図るということで、今回20年度を新時代への成長に向けたスタートの年と改めて説明したが、かねてから話をしている利益回復を目ざすという考えにも変更はない。

  Q2　19年度はフリーキャッシュフローがかなり改善しており、特に運転資本が大きく改善している。その背景をクレジットカード債権の流動化の件と合わせて説明してほしい。

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  A2　19年度のフリーキャッシュフローは計画の5,300億円よりだいぶ上回った。三井住友カードの売却はもともと計画に織り込んでいたが、端末割賦債権の減少が想定よりも500億円ほど大きかった点、クレジットカード債権の流動化を計画には含めていなかったが500億円実施した。加えて、棚卸資産の減少も予想以上に大きかったことも運転資本の減少に効いている。棚卸資産の圧縮については、資材部と連携して端末在庫の圧縮を図っていた点もあるが、新型コロナウイルスの影響により端末の納入が遅れている点も要因としてはある。

  Q3　今後の販売見通しを踏まえた割賦債権の動向、クレジットカード債権のさらなる流動化、棚卸資産のもう一段の圧縮の可能性など、今期のフリーキャッシュフローの見通しについてはどうか。

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  A3　棚卸資産をこれ以上圧縮する目途はまだたっていないので難しいと考える。割賦債権は20年度も少し減少するかもしれないが19年度ほどの圧縮は難しい。クレジットカード債権は増加傾向であるが、債権の流動化はおそらく自己株式の取得とセットだと考えるため、その実施金額に合わせて割賦債権、クレジットカード債権をセットで流動化することも考えられるが、これらの点については今後業績予想を示す段階でもそこまでは計画に織り込めないと考える。

• 質問者6

  Q1　設備投資の足元の状況と今期想定について。新型コロナウイルス影響は、ネットワーク機器納入の遅れによるものなのか建設工程の遅れによるものなのか。また、今年度も昨年度と同水準の設備投資額を想定していたとすれば、新型コロナウイルス影響で遅れが出る場合、影響収束後には設備投資を加速するということか。

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  A1　現時点では大きな遅れなどの影響は出ていないが、このまま新型コロナウイルス影響が長引き、機器納入や建設工程が遅れてくる場合には、特に年度後半の基地局工事に遅れが生じる可能性がある。その場合、設備投資額へも数百億円程度の影響が想定され、年間で5,700億円を下回る可能性もあるが、見通しが明らかになった時点でお示ししたい。実際の遅れがどの程度になるかにもよるが、遅れた分の設備投資は新型コロナウイルス収束後に挽回する考えである。

  Q2　モバイルデータがあまり伸びていない背景には、固定回線（Wi-Fi）へのオフロードもあるのではないかと思うが、ドコモ光の契約は足元で増えているのか。

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  A2　固定のトラフィックはドコモ光側では把握できないが、NTTの情報によると光回線全体ではトラフィックが増えているようだ。一方で販売面では営業体制の縮小の影響の方が大きく、ドコモ光の契約増にはつながっていない。今後の新型コロナウイルス影響の規模や期間にもよるが、現時点では、少し販売減のほうに効いていると言える。

• 質問者7

  Q1　外出自粛により在宅となるケースが多いので、モバイルデータ通信についてはWi-Fiへのオフロードによりマイナスになると思っていた。今回、モバイルデータ通信は微増とのことであるが、何が理由で増えているのか。法人利用の増などがあるのか。

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  A1　トラヒックについては全体トラヒックの傾向で見ており、個人・法人で分けて分析するのは難しい。ただし、法人では当然テレワークが増えていることと、個人向けにもギガホ増量キャンペーンや、U25への50GB無償キャンペーンなども実施しているので、そういったものが影響して微増になっていると考えている。

  Q2　社会的にテレワークやVPN含めて強化しようという流れになっているが、法人におけるビジネス上の引き合いとして、将来に向けての変化は何かあるか。

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  A2　法人営業ではテレワーク用や遠隔会議用のシステムについて、トライアルで実施していただく施策をやっており、引き合いは増えている。ただし、そのような問合せに対応するための営業担当やSEがお客さま訪問をできないということもあり、現時点では対応ができていないケースもある。また、実際にサービスをご利用いただくにはVPNなどの回線の準備が必要となるが、こちらが設備や要因の都合で準備できず時間がかかるケースなどがドコモに限らず色々なところで起きている。今後、状況に応じて徐々に対応が進んでいくと考える。

  Q3　法人のスマホ化が遅れていたと思っていたが、これらの流れを受けて進むと考えてよいか。

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  A3　スマホやタブレットでもかなりのことが出来るので、そういった動きがあるのは確か。自治体などで、遠隔での授業実施をテレスタディとして検討しており、大学生に限らず小中高でもタブレットを使ったシステムが欲しいという声も出てきたということもあり、そのような動きがあるとご理解いただきたい。