NTTドコモはグループで約2万人、1992年営業開始、東京証券取引所とニューヨーク証券取引所に上場しております。営業収益の大半はモバイル通信事業ですが、新領域事業も割合を伸ばしています。
この30年で、ショルダーフォン、フィーチャーフォンを経て、モバイル移動通信は目覚ましい発展を遂げました。ここまでの変化は想定していませんでした。
NTTグループの中では当社とNTTデータ社が上場をしております。
NTTドコモが発足し、私がNTTからドコモに移ったとき、NTTは33万人、ドコモはたった120人の事業部でした。非常にさみしい思いをしました。ここまで大きな会社になるとは、だれも想像していなかったと思います。
営業利益のランキングで、ICT関連の企業が上位にいるということは、この業界も活性化しているということだと思います。新たな投資もしつつ、負債が少なく安全性の高い経営状況です。格付けも高い水準におります。株主還元については、少しでも長く株を持っていただきたいというスタンスの元、高水準の配当、自社株買い等で、継続した安定的な株主還元を行っていきたいと考えております。自己株買いは今年度、5,000億という枠の中で実施中であります。
R&Dについては横須賀に大規模な研究所を持っています。通信業界では世界での技術の標準化が重要です。これをリードするための研究開発を日夜続けています。LTEの技術について最初にドコモが世界に向けて提唱したのが10年前です。現在は5Gに向けて、主導権を持って研究を進めています。
翻訳サービスの精度向上のため、株式会社みらい翻訳という新たな会社を設立しました。翻訳においてノウハウのある企業と手を組み、2020年のオリンピックの際にサービスを提供することを目指して取り組んでおります。
新料金プランとして、通話かけ放題のプランを提供させていただきました。日本人はもともと、欧米の方に比べてあまり話さないという傾向があるようです。その分、メールやSNS文化がとても浸透しています。そういう状況の中、我々はどんなプランをご提供できるかと考えた結果、音声は定額でいくらでもお話しください、という結論に達しました。さらに、パケットをご家族で分けていただき、さらにデータが足りなくなったら追加で購入いただける、というまったく新しい料金です。料金とは事業の根幹ですので、これだけの変更をすることにはとても悩みましたが、お客様により便利に使っていただくにはどうすればいいんだろう、という工夫をした結果です。さらに、若い方や長期利用者への優遇を打ち出しています。900万契約を超えており、1,000万も見えてきました。
おととい、新しい冬・春モデルの端末を発表させていただきました。お子様向けの時計型端末や、解像度の極めて高いスマートフォンなど、幅広く取り揃えています。フィーチャーフォンも新しい端末を発表しました。今後もフィーチャーフォンは継続してつくりつづけますのでご安心いただければと思います。
ドコモマーケットは、今後も拡大をしていきたいと考えています。dマガジンは大変好評をいただいております。
運動を管理するためのアプリ、無線機のついたスポーツウェアを発表させいただきました。着るだけで、運動中の心拍数等を計測できます。
ネットワークは、広く、速く、快適なネットワークづくりを進めており、5月には日経BPの調査で満足度1位をいただきました。この背景には、LTE専用周波数、高速道路でたとえるならLTE専用レーンを提供し、高速化しています。そのLTE専用レーンと、それ以外のレーンを足し合わせてさらに高スピードを実現しよう、という技術がキャリアアグリゲーションです。来年の春には実現する予定です。
大震災の経験を教訓に、絶対停電しない基地局を設置しよう、ということに決めました。
まず、電気供給が途絶えてもバッテリーで24時間は稼働できる基地局。これは全国に2,000局あります。さらに、大型で災害に強く、通常は普通の基地局として稼働しているものの、災害時、多くの基地局が停電してしまった場合、カバー範囲を大きく広げ、つながる状況を作り出せる基地局。これは全国に105局あります。500億円かかりましたが、"つなぐ"というのが我々の使命であり、震災後一年で完成しました。幸いにその後一度も稼働していません。しかし、このようにいざというときの設備を整えるのは我々の責務です。また、災害に対する支援募金の活動や、歩きスマホ防止に向けた働きかけなど、社会的使命に対しても応えられるよう努力をしています。
人と人をつなぐ、という我々の"使命"、楽しみを提供できるような"夢"の実現を目指しています。
A1 下取りやおかえりボーナスといったキャンペーンも行いながら、新料金プランを軸に戦っている。ドコモの強みであるdビデオやdマガジンといったサービスも画面が大きくなった新iPhoneでお楽しみいただけると思っている。
A2 株主優待は今のところ考えていない。全ての株主様が平等にメリットを受けられるよう、配当や自社株買いといった形でお返ししていく。
A3 いつでも、どこでも、つながるという思いを込めた社名である。
A4 NTTから分離された当時、移動通信事業に行きたいという人はほとんどいなかった。ここまで携帯電話が普及するとは誰も想像もしていなかった。みんなが携帯を持つ時代になると固定電話の減少は必然と言わざるを得ない。
A5 難しい質問だが、過去に電波が人体に与える影響が問題になったことがあった。研究した結果、コーヒーが健康に与える程度のものとわかり安心したが、当時はかなり心配した記憶がある。