「新ドコモ宣言」「中期経営ビジョン」発表以降、ドコモ全体で結束し、あらゆるビジネスプロセスにおいて、現場原点主義を徹底し、お客様視点による見直しを行ってきた。
その結果、3年計画で2010年度の目標として掲げていた「お客様満足度1位」を受賞することができた。また、解約率も低い水準で推移しており、着実に成果があがっている。今後も、お客様一人ひとりのご期待に沿うサービスを提供することによって、お客様満足度の更なる向上に向けて、引き続き取り組んでいく。
「リアルタイム性」「個人認証」「位置情報」といった携帯電話の特性を活かし、様々なプレイヤーとの連携を通じてイノベーションを起こすことで、新たな価値の創造を目指していく。
足元では、パケットARPUの向上施策として、スマートフォンの利用者拡大に向けた端末・サービスの環境整備やiコンシェル・BeeTVのようなiモードサービスの進化などに取り組んでいる。また、新たなサービスとして、電子書籍サービスやドライブネットなどを開始し、新たな収益源の創出に向け取り組みを推進している。更に、グローバル展開では、ドコモが出資するインドのタタが大きく契約数を伸ばしている。ドコモの成長に向けた「チャレンジ」の取り組みは各分野で着実に成果を上げている。
ドコモの主なチャレンジ
(1)パケットARPUの向上
(2)スマートフォンの推進
(3)iモードサービスの進化
(4)データ通信の販売強化
(5)LTEの導入
(6)新たなサービスの実現
(7)グローバル展開の推進
2010年度通期目標である8,400億円に対して順調に進捗しており、2012年度の「営業利益9,000億円達成」に向けて現在取り組んでいる。
株主還元は、重要な経営課題と考えている。国内トップレベルの配当性向を引き続き維持し、安定的な配当を目指していく。
今までの10年(2000-2010年)はモバイルの可能性を追求してきたが、これからの10年(2010-2020年)はモバイルを核とした「総合サービス企業」へと進化していきたい。例えば、社会における環境・医療・教育などの分野で一人ひとりの生活をタイムリーに支援し、お客様の暮らしをサポートするようなサービスを提供していきたい。
A1 事業の根幹として最も重要な取り組みに、お客様満足度の更なる向上がある。
やはり、事業の根本には、「まずはドコモのサービスを使っていただくこと」、そして「ドコモのサービスは中々いいよねと思っていただくこと」、更に「ドコモなら是非使い続けたいと言っていただくこと」がある。従って、お客様満足度はしっかりと上げていきたい。
会場にいる皆様も、もしドコモのサービスに不平不満がある場合は、我々に言っていただければ直していきたいと考えている。例えば、通信エリアに不満がある場合は、48時間以内に訪問し、エリア改善に向けて取り組んでいきたいと考えている。
A2 ドコモのスマートフォン戦略は、他社とは大きく3つの違いがある。
1つ目は、端末の品揃えである。あるお客様は、グローバル端末でパソコンに近いスピードの速い端末がいいという。一方で、あるお客様はiモード機で使っていたようなおサイフケータイやワンセグがついている端末がいいという。更に、あるお客様はタブレット型の端末がいいという。ドコモは、このような様々なお客様のニーズを満たすために端末ラインナップを充実させ、お客様のライフスタイルに合ったスマートフォンを提供していく。
2つ目は、ネットワーク品質である。既に米国でも起こっているが、スマートフォンが普及するとパケットトラフィックが増大する。この増大するトラフィックにネットワークが対応していなければ、ネットワーク品質は悪化する。我々は、それを回避すべく最先端のネットワーク(LTE)を導入し始めている。
3つ目は、サービスの内容である。スマートフォンは、基本的にどの通信事業者でも使用できるようになっている。そこで、ドコモならではのサービスを作っていきたい。例えば、ドコモのネットワークの中に様々な高度な機能を入れ、お客様のスマートフォンでドコモのネットワークにアクセスした場合にそれらの機能が使えるようにしていきたい。そして、お客様にドコモのサービスの良さを体感していただき、他社との差別化を図っていきたい。
A3 直近の株価の動向は、ドコモの成長に向けた取り組みを市場に認識していただいた結果であると考えている。
そこで、これからはドコモが成長路線をつくり、それをしっかりと実行していけるかが重要である。
また、このようなドコモの成長に向けた取り組みを投資家の皆様に説明していくことも重要だと考えている。その点でIR活動は重要だと考えており、このような場をいただけたことは非常に有難い。今後も投資家の皆様とコミュニケーションを行い、ドコモの事業活動を訴求していきたいと考えている。
最後に、株主還元については最重要項目であると考えている。配当にしっかりと軸足を置き、国内トップレベルの配当性向の維持と安定的な配当の実施に努めている。今後も、利益水準などを考慮しながら、株主還元について前向きに検討していきたい。