ドコモ通信トップ対談 俳優 渡辺謙さん × ドコモ代表取締役社長 加藤薫

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「あれもできます」「これもできます」ではなく
選択肢を提案できるパートナーに

「あれもできます」「これもできます」ではなく選択肢を提案できるパートナーに

  • 加藤いま、ドコモは『スマートライフのパートナーを目指す』ということで、お客さまの生活をサポートするサービスを積極的に展開しています。例えばお客さまの健康管理のアドバイスをするサービスや、ペットに対するサービスなども始めていますし、これからも様々なサービスを開発していく予定です。いくつかのサービスを組み合わせてお勧めできるような方法も検討しています。
  • 渡辺自分で選択できるサービスは有効かもしれないですね。例えば、エクササイズと健康管理で「コレとコレを併せてやるのはいかがですか」と提案があり、それをもとに自分で選べるようなものです。
  • 加藤「ここ1週間の状況からすると、今日はこういうものをやった方がいいですよ」とお勧めするとか、ですね。
  • 渡辺食事管理でも、医師や栄養士と直接つながったり、あるいは食材を販売するスーパーマーケットとも連携できるような、本当の意味で豊かなネットワークがあり、それを自分で「これは欲しい」「これはいらない」と組み合わせを考えられると面白いかもしれません。全部決まってしまっていると、たぶん……。
  • 加藤つまらないですか。
  • 渡辺あまり考えなくなるっていうのはまずいと思うんですよね(笑)。
  • 加藤良くないですよね。渡辺さんがイメージされているのは、ドコモ側が「あれもできます」「これもできます」と全部用意するのではなく、お客さまにカスタマイズしていただくというものですね。選択肢をうまくパッケージしながらお勧めできたらいいなと思いますね。ただ、カスタマイズ※1が面倒という方もいらっしゃるので、画一的にならないように気をつけます。ご高齢の方へのサポートとしては、スタッフが訪問するということもあるのかなと思っています。
  • 渡辺人が介在するということですか。
  • 加藤はい。トータルにサポートするということは、そういうことも含むのではないかと。
  • 渡辺その意味では、ビデオ通話などは実際に顔を見ながら話ができ、状況をちゃんと把握できるので有効かもしれないですね。
  • 加藤いわゆるテレビ電話ですね。テレビ電話には「着替えなきゃ」とか「片づけなきゃ」とか、構えてしまう部分があるためか、これまで需要はそれほど伸びていません。それをどう乗り越えるかが課題です。
  • 渡辺プライバシーもありますからね。どこまで許せるのかということですね。
  • 加藤そこはチャレンジだと思っています。
  • ※1 カスタマイズ 既存の商品などに手を加えて、好みのものに作り変えること。

テクノロジーで人間的な温かみのあるケータイが
実現できるだろうか

  • 渡辺不動産の物件を紹介するTV番組を見ると、最近は家や部屋に電話がないですよね。
  • 加藤固定電話ですね。
  • 渡辺はい。自分が東京に出てきた頃と比べると、この30年のテクノロジーの進歩には驚かされます。まあ、必死に追いかけてはいるんですが……。
  • 加藤そんなことはないでしょう(笑)。
  • 渡辺いまの若い人は、自分の部屋の電話をどうしようなんて考えないですね。
  • 加藤10円玉を持って公衆電話に行くなんて言ったら、怪訝な顔をされますね。本当に変わったと思います。今後の技術がどうなるのか、まだ分からない部分も多いですが、少なくともドコモが急速に変化するインフラの中心にいるのは確かで、私たちがやるべきことは多いと思っています。
  • 渡辺すでに僕も立派な老眼ですし、老化の入り口に差しかかっているので……。
  • 加藤まだまだでしょう。
  • 渡辺いや本当に。そのせいか、最近はテクノロジーは人に優しくあって欲しいと思うようになりました。
  • 加藤おっしゃる通りです。技術ばかりが主張して前面に出てしまってはいけませんね。スマートフォンで薄さを競っているうちは駄目で、私は端末はゼログラムが理想だと思っています。今後はいかに意識しないで持ち歩ける端末を開発していくか、それを技術で解決することが私たちの使命だと考えています。
  • 渡辺意識しないというのは、ストレスなく使えるということですね。
  • 加藤はい。ケータイやスマートフォンが自分を主張し過ぎてはいけません。
  • 渡辺テクノロジーの進歩でできることをどんどん増やすだけでなく、ぜひ、僕らユーザーが本当に欲しいと思っている「必要なモノを必要なだけ、しかも簡単に」を実現してください。
  • 加藤本当に。「なんでもできる」は、ある意味「なにもできない」に等しいかもしれません。
  • 渡辺ケータイやスマートフォンの画面や音声には、どうしても冷たい感じがありますね。でもテクノロジーによって、そこに人の温かみが感じられるようになれば、それこそケータイを人間に見立てたCMの世界が実現できるのではないかと思います。
  • 加藤あのCMを企画したドコモの想いは、まさにその通り「人の温かみが感じられるケータイ」です。技術によって支えられているものですが、それを見せることなく、人間的な温かみがあるものにしていかなければなりません。時間はかかりますが、必ず実現したいと思います。
  • 渡辺僕が演じている人間味あるケータイが実現するのは、まだちょっと先ということですね。
  • 加藤まだまだですね。まだ人間らしくなっていません。機械の段階ですから。

1,000のサービスを考えた後に
本当に役立つ3つのサービスが生まれる

  • 加藤本日は、渡辺さんにCM出演から感じられたことや、ユーザーとしての想いなどをお聞かせいただき、大変参考になりました。私たちも改めて、ケータイやスマートフォン、それを使うお客さまとの関係がどうあるべきか、よく考えてサービスを提案しなければならないと思います。
  • 渡辺でも、現代社会のユーザーニーズはあまりにも多種多様じゃないですか。それぞれの事情や職業が違えば必要なものも違いますし。
  • 加藤本当に。それだけ多様なニーズにスマートフォンやケータイだけで応えていこうというのも、おこがましい話かもしれません。
  • 渡辺でもユーザーは、ある程度の幅で選択肢を提供していただければ、その中で知恵を絞ったり、人に聞いたりしながらベストウェアを探しあてていくものだと思います。
  • 加藤そうですね。サービス開発も千三つなどと言われますが、1,000以上の多くのサービスを開発して、そこでの経験をフィードバックすることで初めて本当に歓迎されるサービスが生まれるのかもしれないですね。
  • 渡辺僕らの仕事も全くそうです。表現する時は、20~30ぐらいの方法を試してみるんです。その中のひとつでも残ってくれればいいなあという気持ちですが、そうした試行錯誤の過程を観客に見せることはありません。いろいろやっているのが見えてしまうと、途端にウンザリという感じになるので。「いいなあ」と思ってもらうためには、あらゆるところで裏方の準備が必要だという気がします。
  • 加藤確かにそうですね。すばらしい助言をいただきました。
  • 渡辺社長がおっしゃった千三つというのと同じことじゃないですか。
  • 加藤ドコモもそんな存在になりたいですね。そんな存在を目指してまいります。本日は、ありがとうございました。
渡辺 謙

Profile

渡辺 謙 〈わたなべ けん〉

生年月日:1959年10月21日
血液型:A型 出身地:新潟県

1983年デビュー。1987年NHK大河ドラマ「独眼竜政宗」に主演。他、数々のテレビドラマ、映画、舞台に出演。「ラストサムライ」(2003年・ワーナー)で、第76回アカデミー賞・第61回ゴールデングローブ賞助演男優賞にノミネートされる。ハリウッド映画「GODZILLA」の日本公開が7月に控えている。2010年よりドコモCMに出演。

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