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夢を見つけるには
どう学べばいい?
ふつうの学校では、夢の見つけ方まで
教えてくれない。
どんな学びがあれば、
自分の夢がみつかるんだろう。
そんな「学び」についての素朴な問いに
向き合ってみました。
もう“リアルの代わり”じゃない!?
メタバースを使った学びって?
地域で教育に差が出る教育格差って、仕方ないこと?実は、いつでも、どこでも、誰でも学べる時代がすぐそこに来ているといいます。
ドコモが開催した「XR学祭」も、それを象徴する取組みの一つ。
IT技術を活用した新しい学びに取組む、立命館大学の湊教授とドコモビジネスの大原さんに、さらなる問いを投げかけてみました!
メタバースっておもしろいですね!でも、ゲームみたいだし、教育のデジタル化って成績が下がったりしないですか?
大原さん
むしろ、その逆の可能性があると思ってます。リアルな世界では、小学生だから、中学生だからって、それぞれ年齢に応じた学びを受けますよね。
でも、小学生だって興味があれば大学の講義を受けていい。メタバースならそれが可能になるんです。
湊教授
それに、日本人は失敗をとても恐れますが、アバターになることで自分以外の第三者が質問しているような感覚になり、本当は聞きたかったことを聞きやすくなると思います。
確かに、わかる気がします。
最近は、コロナ禍で学びの環境が急激に変化したり、地域によって教育に差が出る教育格差が問題になったりしていますが、バーチャル空間はその助けになりそうですね。

大原さん
はい、なると思います!5G時代に突入して、教育現場のニーズや思いも多様化・高度化・複雑化しているんです。
ドコモグループではそのニーズを汲み取り、教育ICTを推進するパートナーとして、学びの「質」「場所」「キャンパス」「学校の在り方」の変革にチャレンジしています。
未来の教育がどんなふうに変わるのか、気になります。
もう少し詳しくお話を聞かせてください!
大原さん
ドコモが2022年3月に開催した「XR学祭」でも、子どもたちや先生が、地域も年齢も、立場も超えて、意見交換をしていました。
小学生から湊教授に質問するという、リアルではなかなかできないことも実現していましたよね?
湊教授
そうですね。一対一のコミュニケーションになると、我々教員は質問に対して全力で正解を答えなきゃって思ってしまい、子どもたちに引かれることがあるんです(笑)。
でも「XR学祭」では、冒頭の質問しやすい空気感もあり、みんなが意見を出し合いながら場を共有することができたと思います。
そもそも「XR学祭」って、
何ですか?
大原さん
全国の小学校・中学校・高等学校、専門学校、大学から5校が参加し、それぞれが思い描く「未来の学校」をドコモの提供するVR空間に創作・展示するというものです。
その展示空間に、参加校の生徒や先生たちがアバターとして入って、展示に対してディスカッションする場も設けました。
おもしろそう!ぜひまた開催してもらいたいです。

大原さん
お陰さまで好評をいただき、2023年3月に「XR学祭2023」を開催しました。これに限らず、引き続きメタバースを使った新しい学びにも取組んでいます。
湊教授
「XR学祭」のように、いろんな階層の知識が混じり合ってこそ、新しいものが生まれると思います。
我々研究者は常に世界最先端の知識を追い求めるばかりに、根本の部分が見えなくなることがあるんです。そういうとき、子どもたちの純粋な問いで、本質に気づかされることが多々あります。
教わる側だけじゃなく、先生たち教える側も学ぶことがあるなんて、
まさに年代も立場も関係ないんですね。

大原さん
はい。さらに、地域も関係なくなります。都心部じゃないと受けられない学びや、地方じゃないと体験できないことがあって当たり前のように思われていますが、メタバースでは誰もが平等に、日本も海外も関係なく、さまざまなことを体験できる。
最近よく言われる地域格差の解消にもつながると思います。
湊教授
日本では言語も日本語が中心。同じような教育を受けた人たちが集まることが多いので、いろんな角度から話し合う場が作りにくい。
かと言って、日本に住んでいながら、世界の人とつながることは、物理的に難しいですよね。それがメタバースなら解消できます。
デジタルなら、世界中の人と教育を受けたり、仕事をしたりできるんですね。夢が広がります!
大原さん
そうですよね。デジタル上のコミュニケーションって、まだまだ“リアルでできないから、その代わり”と捉えている人が多いのですが、メタバースでしか得られない学びというのもあるんです!
教育の未来が楽しみになってきました!
これから、どう変わっていくんですか?

大原さん
メタバースで子どもたちの体験を増やしてあげたい。そして、自己最高の体験をしてもらいたいんです。そうしたら、そこから夢が見つかるかもしれない。
集団での画一的な教育ではなく、自発的に感じたものを身につけていくと、人々の生活はより豊かになっていくと思っています。
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湊宣明 教授
立命館大学大学院
テクノロジー・マネジメント研究科長2007年仏トゥールーズ経営大学院航空宇宙管理課程修了(首席)。博士(システムエンジニアリング学)。
宇宙航空研究開発機構、慶應義塾大学を経て、現職。最先端のテクノロジーを使って新しいサービスを
社会に届けていく際に必要となる、お金やテクノロジー、人といった、さまざまなもののマネジメントを学問として研究している。 -
大原侑也
ドコモビジネス
スマートエデュケーション推進室長スマートエデュケーション推進室長。学校教育向けに、クラウド型教育プラットフォーム「まなびポケット」の提供や「XR/5G先端ソリューション」を提供し、教育現場の変革(教育DX)をトータルで推進。
また、企業教育向けに、従業員の自己実現・成長を後押しする教育サービス「Boost Park」や「gacco for Biz」を提供。リカレント教育にもチャレンジ中。